トラックドライバーに「向いてる人」「向いてない人」は?

「トラックドライバーに転職したいけど、自分が向いているかどうかわからない」と悩んでいますか?トラックドライバーには性格的な向き不向きがあり、仕事内容も多岐にわたります。

そこでこの記事では、トラックドライバーに向いている人・向いていない人の特徴や、仕事内容について詳しく解説します。トラックドライバーへの転職を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

トラックドライバーについて知っておきたい3つのポイント

「トラックドライバー」という仕事に就くためには、仕事の内容や必要な条件などを理解しておく必要があります。トラックドライバーといっても運転する車の大きさ・運ぶ荷物の種類・納品先までの距離などによって待遇や勤務形態に大きな違いがあるのです。

そもそもトラックドライバーとはどんな仕事なのか、知っておきたい3つのポイントを紹介します。

トラックドライバーの仕事内容

トラックドライバーの仕事内容は多岐にわたります。トラックの大きさ・種類や所属する企業によって、担当する業務が異なるからです。

自分がどんなトラックドライバーになりたいのかを見極めるために、仕事内容を一覧で見てみましょう。

トラックの大きさ小型(積載量2t以下)中型(積載量4tクラス)大型(積載量10tクラス)
トラックの種類平ボディバンボディ保冷車冷凍冷蔵車ウイングボディダンプ車トレーラー など
トラックを使用した業務荷物の輸送・配送宅配引っ越し など
所属する企業運送会社メーカー宅配会社引っ越し会社 など
担当する業務内容長距離輸送エリア配送集荷荷積み・荷下ろし など

トラックドライバーは、所属する企業によって職種が異なります。同じドライバーでも、運ぶ荷物が異なるからです。手積み手降ろしのものからフォークリフトやクレーンを使用するものまで、荷物は実に多くの種類があります。

運ぶ荷物によって、運転するトラックの種類も異なります。

  • ダンプ・平ボディー:土砂や建材などを運ぶタイプ
  • 保冷車・冷蔵冷凍車:食品などの温度管理が必要な荷物を中心に運ぶタイプ
  • バンボディ・ウイングボディ:雨風を防ぐことが必要な荷物を運ぶタイプ

他にはトレーラーのようにコンテナをけん引するタイプもあります。

1件1件を回る宅配、店舗への配送を行うセンター便、さまざまな荷物を運ぶ引っ越しなど、走行する距離によっても担当する業務内容が異なります。

一概にトラックドライバーといっても、たくさんの職種に分かれるのです。自分がどんな職種のトラックドライバーを目指すのか、理解しておきましょう。

トラックドライバーになるための必要な条件

準中型自動車免許18歳以上車両総重量3.5t以上7.5t未満最大積載量2t以上4.5t未満
中型自動車免許20歳以上・普通免許等保有2年以上車両総重量7.5t以上11t未満最大積載量4.5t以上6.5t未満
大型自動車免許21歳以上・普通免許等保有3年以上車両総重量11t以上最大積載量6.5t以上

※2017年3月12日以降に普通免許を取得した方が運転できる車両は、車両総重量3.5t未満及び最大積載量2t未満の自動車に限られます。

トラックドライバーになるために絶対必要な条件は、運転免許を保有していることです。

保有している運転免許の種類によって、運転できるトラックの種類が異なります。2017年に施行された道路交通法の改正により、準中型自動車免許が新しく誕生しました。

警察庁が2021年に発表した「運転免許統計」によると、AT限定免許を取得している人の割合は、68.2%を占めています。トラックドライバー、特に長距離ドライバーの求人には『AT限定不可』と記載されているケースがほとんどです。

AT限定の普通免許を取得した人がトラックドライバーになるためには、AT限定解除や準中型・中型・大型自動車の免許を取得した方が良いでしょう。仕事の幅も広がり、会社を選ぶ選択肢も増えるはずです。

トラックドライバーに求められる資質

どんな仕事でも同じですが、トラックドライバーとして働くためには、求められる資質があります。運送業界は人手不足に悩んでいますが、誰でも良いというわけではありません。

仕事自体も簡単なものではないからです。

運送会社の採用担当者がどのような資質を求めているのか、5つの項目をピックアップしてご紹介します。

運転スキル・センス

車の運転に慣れている人が望ましいでしょう。

トラックドライバーは基本的に車の中で過ごすことが多く、運転している時間も非常に長くなります。運転が嫌い、運転に自信がないという人はトラックドライバーになるのは難しいかもしれません。

プロ意識

トラックドライバーの仕事は、安全・確実・迅速に荷物を運ぶことです。事故やトラブルを起こすことなく業務を遂行できる強い責任感が必要となります。運転のプロとしての意識を持ち続けることが大切な仕事です。

マナーやモラル

最低限のマナーやモラルを守れることも、トラックドライバーの資質といえます。

荷主や配送先の担当者は、担当ドライバーの態度や言葉遣いなどを意外と見ているものです。会社全体の信用にも関わるため、採用担当者にとっては重要な資質といっても過言ではありません。

体力

体力があることもトラックドライバーには必要な資質です。運ぶ荷物にもよりますが、手積み手降ろしの場合などは、非常にキツい業務になります。

長時間の運転や車中泊をすることもあるため、体力に自信のない方は、トラックドライバーになるのは厳しいといえるでしょう。

コミュニケーション能力

トラックドライバーは一人の仕事と思われがちですが、コミュニケーション能力も大切な資質です。仕事の指示を正確に把握することや業務をスムーズに行うためには、コミュニケーション能力が必要となります。

トラックドライバーに向いている人の8つの特徴・性格

トラックドライバーに向いている人とは、どのような特徴や性格を持つ人なのでしょうか?8つのポイントをピックアップして解説します。

運転が好き

運転が好きな人は、トラックドライバーに向いています。車で走ることが好き・知らない道や知らないところへ行くことが苦にならないという人も含まれるでしょう。

トラックドライバーはとにかく車で過ごす時間が長いです。運転が好きというだけで、トラックドライバーの仕事のストレスが半分になるかもしれません。

単純作業が苦にならない

トラックドライバーの仕事は、単純作業の連続です。特に固定ルートの配送などの場合は、毎日同じルートを通り、同じような荷物を積み、同じ場所で荷下ろしを行います。黙々と仕事に取り組める人・単純作業が苦にならない人が向いています。

孤独が好き

一人でいることが好き・孤独が好きという人も、トラックドライバーに向いています。積み下ろしや出退勤時以外は、ほとんど一人で仕事をするトラックドライバー。

人間関係の煩わしさがないメリットの反面、なかなか他人と接する機会がありません。一人が気楽・人間関係に悩みたくないという人は、トラックドライバー向きの性格といえます。

体力に自信がある

体力に自信がある人は、トラックドライバーに向いているといえるでしょう。

トラックドライバーの仕事は体力勝負です。力仕事であることはもちろん、長い時間車を運転することにも体力を使います。日頃から身体を動かすことが好きな人が向いている仕事です。

自己管理ができる

トラックドライバーは自己管理ができることも大切です。

仕事上、どうしても不規則な生活になりがちなトラックドライバー。自己管理不足が原因で、周囲に迷惑をかけてしまうことだけは避けなければいけません。一人でいることが多い仕事だからこそ、自己管理を徹底する力が求められます。

責任感がある

責任感がある人は、トラックドライバーに向いています。トラックドライバーは、自分が与えられた業務を、時間通りに安全に遂行することが条件だからです。

強い責任感をもって仕事に就ける人は、トラック業界の採用担当者が欲しい人材といえます。

ストレス耐性がある

ストレス耐性はトラックドライバーにとって不可欠です。事故・渋滞・工事など、思うように仕事が進まないことも少なくありません。

どんな状況でもイライラせず、ストレスを発散する方法を知っている人は、トラックドライバーに向いています。

注意力・集中力を保てる

注意力・集中力を保てる人は、トラックドライバー向きといえるでしょう。運転には注意力・集中力がとても重要です。

プロのドライバーとして、安全に車両を運行しなければいけない義務があります。安全に対する心構えを実行するだけの注意力・集中力が求められるのです。

トラックドライバーに向いていない人の8つの特徴・性格

トラックドライバーに向いている人の特徴や性格をご紹介しましたが、反対に向いていない人とは、どのような特徴や性格を持つ人なのでしょうか?

短気・イライラしやすい

短気でイライラしやすい人は、トラックドライバーに向いていません。荷待ちで何時間も待たされたり、渋滞に巻き込まれたり、遅い車に引っ張られたり……その都度イライラしていては、ストレスが溜まり、ミスを犯しやすくなります。

マナー違反をしてしまうことも多くなるので、短気な人はトラックドライバーには向いていません。

運転が苦手

運転が苦手・嫌いという人は、トラックドライバーの仕事はしない方が無難です。運転が嫌いイな人にとって、長時間・長距離の運転などは、苦痛以外の何物でもなくなります。

仕事自体に嫌気がさしてしまうことも十分考えられるので、トラックドライバーだけではなく、車を運転する仕事には向いていないでしょう。

孤独が嫌い

孤独が嫌い・誰かといつも接していたいという人は、トラックドライバーには向いていません。

トラックドライバーは一人で黙々と作業を行うことが多いです。同僚などと話す時間も限られているので、「寂しい」「つまらない」と感じてしまい、仕事を続けることが難しくなるでしょう。

マナー・モラルがない

マナーやモラルがない人は、トラックドライバーとして通用しません。

トラックドライバーは会社の顔です。暴言を吐く、挨拶もしないなどのマナー違反を繰り返すようなドライバーは会社の信用問題に関わるため、会社からも敬遠されてしまいます。

規則的な勤務形態を望んでいる

『9時~17時・残業なし・土日祝日はお休み』といった勤務形態を望んでいる人は、トラックドライバーには向いていません。

道路事情や荷待ちなどで、トラックドライバーは長時間労働になりがちです。また、休日が不規則というケースも少なくないので、規則的な勤務形態を希望するのであれば、トラックドライバーは避けるべきでしょう。

自己管理が苦手

自己管理が苦手な人は、トラックドライバーとしての仕事ができない可能性が高いです。

近年ニュースで報道されている飲酒運転による事故などは、その最たるもの。安全・確実に業務を行うための自己管理は、トラックドライバーにとって不可欠です。

自己管理ができないと認識している人は、ハンドルを握るべきではありません。

体力がない

体力がない人は、トラックドライバーの仕事には向いていません。

トラックドライバーは非常に過酷な仕事も含まれます。体力がなければ、時間通りに仕事を終わらせることができなくなり、会社に迷惑をかけることになりかねないのです。

ストレス発散ができない

ストレス発散がうまくできない人は、トラックドライバーになったら体調を崩してしまうでしょう。トラックの運転はとても注意力や集中力が必要で、常にストレスフルな状態といっても過言ではありません。

うまく気持ちの切り替えができなかったり、ストレスをためてしまったりする人は、トラックドライバーの仕事は避けた方が無難です。

トラックドライバーからのキャリアアップ

トラックドライバーは、経験を積むことでキャリアアップができる仕事です。主に3つのキャリアアップ方法を一覧にまとめました。トラックドライバーとして長く勤務したい、自分のスキル・キャリアを上げていきたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

①2種免許・けん引免許の取得

条件満21歳以上普通運転免許の経験3年以上片眼で0.5以上両眼で0.8以上の視力があること(眼鏡・コンタクト可)深視力検査3回の平均誤差が20mm以内であること
取得方法自動車教習所へ入校⇒卒業 運転免許センターで適性検査(学科・実技免除)
運転できる車両路線バス30人以上乗れる観光用バス

②運行管理者の資格取得

1・国家試験に合格する1年以上の実務経験を積んでいること実務経験と同等の講習を修了していること「貨物」と「旅客」の2種類の試験がある
2・一定の条件を満たす5年以上の実務経験があること基礎講習や一般講習を5回以上受けていること5回以上の講習のうち少なくとも1回は基礎講習を受講していること

③玉掛技能者の資格取得

年齢制限18歳以上
取得方法一般社団法人労働技能講習協会の講習を受講

まとめ

トラックドライバーの仕事は、決して楽な仕事ではありません。しかし、その反面やりがいもあり、キャリアアップもできる仕事です。

トラックドライバーは性格的に向いている人・向いていない人がハッキリしていることが特徴的です。長く仕事を続けるには、トラックドライバーに必要な資質を持ち合わせていることが大切です。

トラックドライバーの仕事内容は、選択肢がたくさんあります。自分にとってどんな形態が向いているのかよくわからないという方は、ぜひ当サイトにご相談ください。きっと自分に合ったトラックドライバーの仕事が見つかるはずです。