目次
トラックドライバーのキャリアについて
トラックドライバーは『車を運転するだけ』の仕事ではありません。
トラックドライバーのキャリアには他の業界とは異なる特徴がありますので、知っておきたい基礎知識をご紹介しましょう。
トラックドライバーは未経験でも働ける
まず初めに、トラックドライバーは未経験でも働けます。
車の免許・運転歴があれば、普通免許でも働ける仕事もあり、何か特別な経験がなければできない仕事というわけではありません。
仕事の幅を広げるために、普通免許以外の免許取得が当たり前になっているだけです。
また年齢や学歴も問わないケースが多いので、異業種からの未経験者でも十分活躍することができます。
ドライバーのキャリアアップは免許・資格が必要
トラックドライバーは専門性の高い職業です。
その理由は、免許と資格が必要な仕事だから。
トラックドライバーとしてキャリアアップをするのであれば、免許や資格の取得は欠かせません。
免許の種類 | 条件・運転できる車両 | 2022年5月の改正点 |
---|---|---|
準中型自動車免許 | ・18歳以上 ・車両総重量3.5t以上7.5t未満 ・最大積載量2t以上4.5t未満 | なし |
中型自動車免許 | ・20歳以上 ・普通免許等保有2年以上 ・車両総重量7.5t以上11t未満 ・最大積載量4.5t以上6.5t未満 | ・19歳以上 ・普通免許の保有歴1年以上 ※運転技能などを学ぶ教習を36時限以上(座学7時限以上、技能29時限以上)受講することが条件 |
大型自動車免許 | ・21歳以上 ・普通免許等保有3年以上 ・車両総重量11t以上 ・最大積載量6.5t以上 | ・19歳以上 ・普通免許の保有歴1年以上 ※運転技能などを学ぶ教習を36時限以上(座学7時限以上、技能29時限以上)受講することが条件 |
けん引免許 | ・満21歳以上 ・普通運転免許の経験3年以上 ・片眼で0.5以上、両眼で0.8以上の視力があること(眼鏡・コンタクト可) ・深視力検査3回の平均誤差が20mm以内であること | なし |
2022年5月に道路交通法の改正が行われ、早ければ19歳で大型免許が取得できることになったことは朗報といえます。
さらなるキャリアアップを希望するのであれば、フォークリフトの免許も合わせて取得すると良いでしょう。
資格の名称 | フォークリフト運転技能者 |
資格の種類 | 国家資格 |
条件 | 18歳以上 |
取得方法 | ・各事業所で実施するフォークリフト運転特別教育の受講 ・各都道府県の労働局長に登録を受けた教習所で実施するフォークリフト運転技能講習の受講 |
他にも運行管理者・危険物取扱者などの資格を取得することで、大幅なキャリアアップが可能になります。
資格取得支援制度を積極的に利用すべし!
運送会社の中には、従業員のキャリアアップを支援する『資格取得支援制度』を設けている会社があります。
中堅~大手の会社に多く、会社ごとに条件を設けて免許や資格を取得しやすい環境を提供しているのです。
- 免許・資格取得後、一定の年数勤務することで費用を会社が全額負担する
- 受験や免許取得のために休暇を取りやすくする など
一般的に免許や資格を取得すると、資格手当など給与の面でもプラスになることが多く、運転免許の場合は給与自体がUPする可能性もあります。
勤務する会社に資格取得支援制度が設けられている場合は、積極的に利用しましょう。
キャリアプラン①:ドライバーを極める
トラックドライバーとして勤務するからには、トラックドライバーとしての経験や技術を極めたい!という人に向けたキャリアアップのフローをご紹介します。
1・中型免許の取得
普通免許・準中型免許を取得している人は、中型免許の取得に挑戦しましょう。
中型免許を取得すると、トラックドライバーとしての選択肢が一気に広がります。
受験条件 | 19歳以上普通免許の保有歴1年以上 ※運転技能などを学ぶ教習を36時限以上(座学7時限以上、技能29時限以上)受講することが条件 |
取得方法 | 指定自動車教習所へ通って技能卒業検定に合格する運転免許試験場で技能試験を直接受験する |
運転できる車両 | 車両総重量7.5t以上11t未満最大積載量4.5t以上6.5t未満 |
中型免許は以前20歳以上、普通免許等の保有歴2年以上という条件でしたが、2022年5月に道路交通法の改正で19歳以上、普通免許等の保有歴1年以上という条件に変更されました。異業種からの転職でも条件に該当する人は、ぜひ取得したい免許です。
業界内で転職を検討している方も、中型免許を取得することで、キャリアアップの第一歩を踏み出すことができます。
2・大型免許の取得
大型免許は、トラックドライバーのキャリアアップを目指す人には欠かせない免許といえます。
受験条件 | 19歳以上普通免許の保有歴1年以上 ※運転技能などを学ぶ教習を36時限以上(座学7時限以上、技能29時限以上)受講することが条件 |
取得方法 | 指定自動車教習所へ通って技能卒業検定に合格する運転免許試験場で技能試験を直接受験する |
運転できる車両 | 車両総重量11t以上最大積載量6.5t以上 |
中型免許と同様に、大型免許も道路交通法の改正で条件が緩和されました。
以前は21歳以上・運転免許の保有歴3年以上という条件でしたので、挑戦できる幅が広がったことになります。
大型免許は仮に今の仕事に必要がなくても、これから先の選択肢を増やすために必要な免許です。
普通免許からいきなり大型免許の取得には難しいという声が多いので、中型免許を取得してからでも遅くはありません。
3・けん引免許・危険物取扱者の取得
けん引免許はトレーラーやキャリアカーなどの特殊車両を運転するのに必要な免許です。
危険物取扱者の資格を合わせて取得することで、タンクローリーなども運転することができるようになります。
【けん引免許】
受験条件 | 満21歳以上普通運転免許の経験3年以上片眼で0.5以上、両眼で0.8以上の視力があること(眼鏡・コンタクト可)深視力検査3回の平均誤差が20mm以内であること |
取得方法 | 自動車教習所へ入校⇒卒業運転免許センターで適性検査(学科・実技免除) |
運転できる車両 | トレーラー |
【危険物取扱者】
受験資格(甲種) | 乙種危険物取扱者免状を有する者大学などで化学に関する学科などを修めて卒業した者大学などで15単位以上化学に関する授業科目を修得して卒業した者化学に関する学科または課程の修士・博士の学位を有する者 |
取得方法 | 危険物取扱者試験に合格する (甲種・乙種・丙種の3種類があり乙種4類が仕事に活かしやすい) 定められた期間ごとに危険物取扱者保安講習を受ける必要あり |
けん引免許は、普通自動車免許・大型自動車免許・大型特殊免許のいずれかを有している人が条件となります。
危険物取扱者は、化学物質やガソリンなどの危険物を扱う際に必要な国家資格です。
どちらも簡単に取得できるものではありませんので、前もって準備をする必要があるでしょう。
ドライバーを極めるのに向いている人とは?
トラックドライバーを極めるためには、適した資質も必要になります。
トラックドライバーは思っているよりも向き不向きがハッキリとした仕事です。
少しでも向いていない部分があれば、ストレスフルとなり、現役続行するのは難しくなります。
トラック運転手に向いている人の資質 | トラック運転手に向いていない人の資質 |
運転が好き単純作業が苦にならない孤独が好き体力に自信がある自己管理ができる責任感があるストレス耐性がある注意力・集中力を保てる | 短気・イライラしやすい運転が苦手・嫌い孤独に耐えられないマナー・モラルがない規則的な勤務形態を望んでいる自己管理が苦手体力がないストレス発散が下手 |
トラックドライバーとして現場で仕事を続けるのであれば、運転が好きであることが一番の条件です。
また事故を起こして免許の停止や取り消しになってしまっては、元も子もありません。
安全運転を第一に、自己管理ができる人がドライバーを極めるのに向いている人といえます。
キャリアプラン②:管理職を目指す
運送業界でのキャリアアップは、ドライバーとしての現役継続だけではありません。
管理職として現場を引っ張っていく存在になることも可能です。
ドライバーから管理職になるためのフローもご紹介しましょう。
1・ドライバーとしての経験を積む
まずはドライバーとしての経験を積むことが大切です。
管理者になるからには、現場のことがわかっていなくては役に立ちません。
現場を知らない管理者は、的確な指示を出すことや判断をすることができないからです。
管理職になるためには、さまざまな現場で経験を積んでおきましょう。
2・事務所勤務で内勤の経験を積む
現場での経験を積んだ後は、事務所勤務で内勤の経験を積むことが必要です。
内勤には現場ではわからないさまざまな業務があります。
実際に内勤を経験することで、仕事全体の流れや必要な手続き、法令遵守に関することなどを学ぶことができるでしょう。
トラックドライバーの現場とは全く異なる業務になりますが、管理者になるためには絶対に必要なフローです。
慣れない仕事かもしれませんが、管理者を目指すために挑戦しなければいけません。
3・運行管理者の資格取得
内勤の業務を継続しながら取得したいのは、運行管理者の資格です。
運行管理者とはトラックなどの営業用自動車が安全に運行するための運行管理を行うための国家資格です。
運行管理者の資格を取得するには2つの方法があり、どちらかを選択することができます。
資格の名称 | 運行管理責任者 |
資格の種類 | 国家資格 |
条件・取得方法 | ①国家試験に合格する ・1年以上の実務経験を積んでいること ・実務経験と同等の講習を修了していること ・「貨物」と「旅客」の2種類の試験がある ②一定の条件を満たす ・5年以上の実務経験があること ・基礎講習や一般講習を5回以上受けていること ・5回以上の講習のうち少なくとも1回は基礎講習を受講していること |
国家資格の中には高卒以上と受験条件が定められているものもありますが、運行管理責任者は学歴が関係ありません。
実務経験を積んで資格を取得することで、管理職として勤務することができます。
管理職に向いている人とは?
管理職に向いている人には、以下のような適性が必要です。
- コミュニケーション能力の高い人
- 予定通りに仕事がこなせる人
- 臨機応変な対応ができる人
- 責任を持って仕事を遂行できる人
- 細かいことまで気が付く人
- 仕事の優先順位を明確にできる人
- マルチタスクにストレスを感じない人
現場のドライバーとは異なる点もありますが、基本は『こんな上司(管理者)がいいな』と自分がドライバー時代に思った人です。
反対に『こんな人は嫌だ』『こんな上司(管理者)では仕事がしにくい』と思った人のようにはならないことが肝心といえるでしょう。
ドライバーとしてキャリアアップをするときのポイント
ドライバーとしてキャリアアップするためには、押さえておきたいポイントがあります。
どんなことに注意するべきなのか、3つのポイントをご紹介しましょう。
早い段階で目的を明確にする
ドライバーとしてキャリアアップをしたいと考えるのであれば、できるだけ早い段階で目的を明確にしましょう。
キャリアアップは時間だけで作れるものではないからです。
早めに準備しなければいけないこと…場合によっては転職が必要になることもあります。
現役ドライバーとして極めたいのか、いずれ管理職として現場を仕切る存在になりたいのか、漠然とでも良いので目的を明確にしておくことがポイントです。
免許・資格を積極的に取得する
トラックドライバーのキャリアアップには、免許や資格の取得が欠かせません。
働きながらの取得は大変ですが、積極的に挑戦するようにしましょう。
資格取得支援制度のある会社の場合は、条件を確認することも必要です。
勤務する会社が免許や資格の取得に理解がない場合は、転職を検討することも一つの方法。
自分のキャリアアップを支援してくれる会社に勤務することも大切です。
自分の適性を見極める
自分自身がどのようにキャリアアップしていくのかは、適性を見極めた上で選択することがポイントです。
前項でもご紹介したように、トラックドライバーの仕事は向き不向きがハッキリとしていて、現場ドライバーと管理職では適性が異なる部分もあります。
自分はどうしたいのか、向いているのはどちらなのかを冷静に判断することが必要です。
まとめ
トラックドライバーのキャリアは、現場だけではありません。
管理職として勤務することも可能なので、選択肢があることを理解しておきましょう。
トラックドライバーのキャリアアップには、免許や資格の取得が欠かせません。
できるだけ早めにビジョンを定めて、積極的に取得するようにしましょう。
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