【体験談】トラック運転手が「天職」の人の特徴は?元トラックドライバーが解説

天職とは、その人の特性にもっとも合った職業のことです。トラック運転手の仕事が天職だといえる人は、特性がトラック運転手に適しているということですよね。

トラック運転手は、「キツい」「危険」「稼げない」など、ネガティブなイメージが先行しがちですが、実際に現場で活躍しているトラック運転手の中には、この仕事が天職だという人が多いことも事実です。そこで、この記事ではトラック運転手が天職だといえる人の特徴や、天職といえるようになるポイントを紹介します。

トラック運転手が天職といえるのはどんな人?

トラック運転手を天職だといえる人には、ある一定の特徴があります。どういった特徴や性格の人が当てはまるのか、元トラック運転手の筆者の経験をもとに紹介しましょう。

運転が好きな人

運転が好きな人は、トラック運転手が天職だといえるでしょう。

トラック運転手は、仕事の大半が車両の運行です。走行距離や時間帯は仕事内容によって異なりますが、ハンドルを握らなければ仕事になりません。

筆者の仲間たちは、皆運転が大好きな人ばかりでした。整備士並みにトラックをいじれる人、洗車が好きでいつもピカピカのトラックに乗っている人、運転しているときだけは機嫌の良い人……車が好き、運転が好きという人がほとんどでした。

トラックのキャビンは自分だけの空間です。居心地の良い部屋で、一人で仕事ができるようなものと言えるかもしれません。

運転することが好きだという人は、トラック運転手の仕事を天職と感じることができる人です。

移動することが苦にならない人

移動すること、長距離の運転が苦にならない人は、トラック運転手を天職だという人が多いです。長距離の運転手はもちろん、地場配送やルート配送の仕事でも、トラック運転手には移動がつきもの。移動することが苦手、長時間の運転が苦手という人は、仕事を楽しむことができないでしょう。

長距離のトラック運転手は、業界の中でも高収入な傾向がありますが、日本全国津々浦々、いろいろなところへ行かなくてはなりません。筆者の同僚に知らない道を走るのが苦手という人がいましたが、彼は長距離運転手の仕事が非常に苦痛だったそうです。

大きなトラックで迂回も簡単にできない状況で、道を間違えたらどうしようとか、本当に時間までに納品できるのか心配だとか、常にストレスフルの状態でした。結局運転手の仕事を続けられず、飲食業の仕事に転職しました。彼のように移動を楽しめないと、トラック運転手の仕事は天職とはいえません。

単独行動が好きな人

単独行動が好きな人は、トラック運転手に向いています。煩わしい人間関係が少なく、一人で仕事ができることは、トラック運転手のメリットです。

「孤独が好き」「自分だけの時間が好き」「パーソナルスペースが狭い」という人は、トラック運転手が天職だといえるはずです。常に誰かと接していないと気が済まないという人や、他の人とのコミュニケーションを重視するという人にとっては、とても寂しいと感じる仕事だといえます。

長い移動時間や作業の時間はほぼ一人です。筆者は一人で仕事をすることが好きだったため、後輩の指導で横乗りがあったりすると、かえってストレスを感じました。

荷主や配送先など、最低限コミュニケーションを取ることはありますが、派閥や権力闘争などとはまったく無縁。気の合う仲間とたまに話ができるだけで十分でした。

中には嫌なヤツもいましたが、顔を合わせることは少ないので、気になりません。単独行動が好きな人は、他の仕事よりもトラック運転手の仕事がおすすめなのです。

体力に自信のある人

体力に自信のある人はキツい仕事でもこなせることができるため、トラック運転手は天職といえます。トラック運転手にはさまざまな職種がありますが、荷物の積み降ろしは楽な仕事ではありません。

引越しなどフォークリフトを使えない荷物の場合は、自分の身体を使って積み降ろしや運搬をします。中には、重いもの・大きなものがあるため、非常に重労働です。

長時間の運転は、座っているだけでも体力を使いますので、とても疲れるもの。長距離運転手の場合は、車中泊をしなければいけないケースもあるので、基本的に体力のある人に向いている仕事です。

責任感のある人

責任感があることは、トラック運転手にとって欠かすことのできない資質です。

トラック運転手は、安心・安全・確実に荷物を届けることが仕事。運転手自身が責任をもって行わなくてはなりません。

責任を持って与えられた仕事を完遂できる運転手は、会社からも荷主からも信頼されます。

運送会社としても、いい加減な仕事をする運転手よりも、しっかりと責任感を持って仕事をしてくれる運転手を大事にしたいと思うのは至極当然のことです。

会社から信頼されれば、役職に就いたり運行管理者になったりと昇給も期待できるので、トラック運転手は天職だといえる可能性は大きいでしょう。

負けず嫌いな人

やりがいのあるトラック運転手の仕事にも、キツいことや嫌なことはあります。そんなときに「ふざけんな!」「負けてたまるか」くらいの勢いのある負けず嫌いな人は、トラック運転手が天職といえる特徴を持っています。

筆者は女性ドライバーとして20年近く運送業界にいましたが、ベテランと呼ばれるオジサマたちにはかなり嫌がらせを受けました。今でこそトラガールなどといわれていますが、当時はまだ女性ドライバーが少なく、「女のくせに」と男社会に入れないような嫌がらせは多々ありました。

でも、そんなのはどこの職場でもあることですし、くだらないオジサマ達のプライドに負けるわけにはいきませんでしたので、オジサマ達よりも仕事ができるようになって、ギャフンと言わせてやろうと思ったのです。

負けず嫌いな人は、仕事でも頑張れる傾向があります。トラック運転手は、年齢も性別も問わない仕事ですので、やる気と負けん気が強い人はトラック運転手の仕事を楽しむ資質を持っているといえるでしょう。

自己管理のできる人

トラック運転手は自己管理が大切です。飲酒の習慣のある人、体調を崩しやすい人などは、万が一の事態を想定して、自己管理を行わなければなりません。

飲みたいから飲む、遊びたいから遊ぶ、食べたいから食べる……自己抑制のできない人は、トラック運転手になるべきではありません。

トラック運転手の仕事は、どうしても不規則な生活になりがちです。一人でいることが多い仕事だからこそ、自己管理を徹底する力が求められます。

自己管理がきっちりとできる人は、長く仕事を続けることができるので、トラック運転手は天職だと感じることもできるはずです。

トラック運転手の仕事は楽しい!どんなメリットがある?

トラック運転手の仕事には、ネガティブなイメージが多いです。キツい仕事のわりに稼げない、危険、底辺……世間のトラック運転手に対するイメージは、決して良いものではありません。

ただし、それは実際に天職だと思って働いている人にとっては雑音です。トラック運転手をやっていて良かったと感じている人は確実に存在しますし、筆者もそのうちの一人です。

トラック運転手の仕事にはどんなメリットがあるのか、経験談も交えて紹介しましょう。

希望の働き方を選べる

意外かもしれませんが、トラック運転手は希望の働き方を選べます。それは、多くの職種が存在するからです。

  • とにかく稼ぎたい ⇒ 長距離・大型・けん引ドライバー
  • 地元で働きたい ⇒ 宅配・ルート配送
  • スポット的に働きたい ⇒ 軽貨物
  • 家庭・子育てと両立したい ⇒ ルート配送・店舗配送

など、自分の希望や条件に合った仕事がたくさんあるのです。筆者の運転手仲間は、さまざまな事情を持っていました。介護をしている人・子育てをしている人・借金を抱えている人・中退などで学歴のない人……それでも、一生懸命働けば会社側は何も言いませんし、事情によっては協力もしてくれます。

運送業界内で自分に合った条件の会社に転職する人も多く、選択肢は労働者側にたくさん与えられているのです。

家に帰れない・寝られない・給料が安いなど、運送業界を詳しく知らない人のイメージは、所詮イメージに過ぎません。自分の条件や希望に合った職種を見つけて、長く働くことができるのがトラック運転手なのです。

人間関係のストレスが少ない

人間関係の構築が苦手、トラブルに巻き込まれたくない、社内の圧力に疲れたなどという人には、トラック運転手はおすすめの仕事です。トラック運転手は、極論をいうと孤独な仕事です。

一人でいる時間が長いですし、同僚とランチなんていう状況はほぼありません。その分、周囲の人とのトラブルは少なく、下手な社内権力に振り回されることはないでしょう。

筆者の周囲には、人間関係に疲れた仲間も大勢いました。一人ひとり事情があって、余計なコミュニケーションを求めない人もいました。

でも、だからといって誰に何をいわれるわけでもありません。そこがトラック運転手の仕事のメリットです。最低限のコミュニケーションを取っていれば、問題がないのです。

社員数の多い大手の会社には、派閥があるなどといいますが、単に気の合った人たちのグループがいくつかあるだけのこと。誰かに従わなければ何かをされるということは、あまり聞きません。

人間関係のストレスは、他の仕事に比べると格段に少ないのがトラック運転手の特徴です。

学歴・年齢不問

トラック運転手は、学歴や年齢は関係ありません。性別も然りです。運転免許を保有していて、真面目に働くことができる人ならば、門戸は大きく開かれています。就職・転職するのに絶対に持っていなければいけない資格などもないため、挑戦しやすい仕事の一つといえるでしょう。

筆者の仲間には、さまざまな経歴の持ち主がいました。大学卒業後、入社した会社でイジメ抜かれてうつ病を患ってしまった人や、シングルマザーというだけで会社員になれず生活保護寸前まで困窮していた人、高校中退のため中卒という学歴がネックになり面接を受けまくっても採用されなかった人。

それでも、彼らは現在運送業界の第一線で活躍しているトラック運転手です。年齢も性別も学歴も関係なく、一生懸命働けば認めてもらえる……彼らはトラック運転手の仕事を天職だといっています。

運送業界は深刻な人材不足の状況が続いていることから、超売り手市場であることもメリットといえるでしょう。

高収入が期待できる

トラック運転手は、職種や保有している資格によって高収入が期待できます。大型の長距離運転手やタンクローリーの運転手は、全国の平均年収よりもはるかに高い収入を得られますし、アルバイトやパートでも、運送業界は時給が高めに設定されているのが特徴です。

普通免許・準中型免許だけではなく、中型免許・大型免許・けん引免許・フォークリフト・玉掛け作業者・危険物取扱者など、運送業で活かせる資格を持っていれば、さらなる収入アップにつながります。一つの業界でスキルアップができること、スキルアップが即収入につながることもトラック運転手の仕事のメリットです。

いろいろな場所へ行ける

トラック運転手、特に長距離の運転手はさまざまな場所へ行けるメリットもあります。ガソリン代も高速代も使わず、好きな運転でいろいろなところに行ける……これはトラック運転手の醍醐味ともいえるでしょう。

忙しいときを除けば、PA(パーキングエリア)やSA(サービスエリア)で名産品に舌鼓を打つことも可能ですし、素晴らしい景色を堪能することもできます。配送先でその土地ならではの方言に触れたり、異なる文化に出会ったりと、見分を深めることができるのです。

筆者は、沖縄と北海道以外はほとんどの土地へ行くことができました。強行軍でキツいスケジュールのケースもありましたが、有名な花火大会をトラックの中から見ることができたり、配送先の人から地元の美味しいフルーツを頂いたりなど、良い思い出がたくさんあります。

交通費を出してもらって旅行ができるようなもの。こんなメリットのある仕事はなかなか他にはないでしょう。

トラック運転手が天職といえるようになるポイントとは?

トラック運転手の仕事を天職だといえるようになるためにはポイントがあります。これから運送業界に挑戦する人も運送業界での転職を考えている人も、ぜひ押さえておいて欲しいポイントです。

資格・免許を取得する

トラック運転手の仕事を天職だと言えるようになるためには、資格や免許を積極的に取得しましょう。運送業界で活かせる資格には次のようなものがあります。

  • 運行管理者
  • 運行管理補助者
  • 整備管理者
  • 危険物取扱者
  • 玉掛け作業者
  • フォークリフト免許

大型免許・けん引免許などは、運転免許取得の支援制度などを利用して、取得することも可能です。

資格や免許を取得するメリットは、仕事の幅を広げることができることです。資格手当などによって、収入がアップする可能性もあります。

働きながら勉強するのは大変なことですが、運送業界に長く勤めるためには、資格・免許の取得によるスキルアップは必要です。収入が上がればやりがいを感じることも多くなり、選択肢が増えればより良い条件で働くこともできます。

勤務する会社を見極める力を持つ

就職・転職の際には、勤務する会社を見極める力を持ちましょう。残念ながら、運送業界にはブラック企業と呼ばれる会社があることも事実です。

面接で会社に足を運ぶときには、たとえば次のような項目をチェックしましょう。

  • いつも求人が募集されている
  • 保有しているトラックがボロボロ
  • 高額の給与が設定されている
  • 雇用契約書がない
  • 「すぐに働いて」と言われる
  • 社会保険に加入できない
  • 社員の車が古いor汚い

これらは労働条件がキツい、もしくは制度をきちんと整えていない会社の特徴です。

近年、インターネットでさまざまな情報を収集できます。口コミなどがあれば一番参考になりますが、あまりにも情報が少ない会社の場合は、自分の目で確かめるしかありません。

担当者の態度や会社の雰囲気など自分が働くことになったらどうなのかという目線で、きちんと判断することがポイントです。

転職する勇気を持つ

万が一自分に合わない運送会社に入社してしまったら、一刻も早く転職をすることをおすすめします。前項で述べたように、労働基準法が改正された今でも、過酷な労働条件で運転手を働かせているブラック企業は存在します。

古き悪しき習慣は、なかなか改善されないのが実態です。精神的にも身体的にも、疲弊してしまう前に転職する勇気を持ちましょう。

運送業界全体がブラックなわけではありません。福利厚生制度が整っている会社、法律順守を徹底している会社も確実に存在します。運送業界は人手不足のため、転職のハードルは非常に低くなっているので、仕事の環境を変えることが一番の近道です。

生活を変えたり職場を変えたりするには勇気が要りますが、トラック運転手を天職だと感じることができるのは、働く環境も大きく影響することを覚えておきましょう。

まとめ

トラック運転手の仕事は、やりがいのある楽しい仕事です。コロナ禍におけるECサイトの需要増加や若者の業界離れなどが原因で、運送業界は深刻な人材不足に悩まされています。

運送業界に飛び込んで、トラック運転手の仕事に挑戦しやすい環境が整っているので、多くの人に挑戦して欲しいと思うのです。

天職と思える仕事に就ける人は、それだけで幸せです。トラック運転手の仕事にはさまざまな職種があり、選択肢がたくさんあります。より良い転職につなげるために、当サイト「ドライバーコネクト」にご相談ください。きっと自分に合った天職といえるような、トラック運転手の仕事が見つかるはずです。