【2022】運送業で役立つ資格一覧!取得すると有利な資格は?

運送業へ転職を希望されている方は、既に運転免許を保有されている方がほとんどでしょう。運送業は車を運転するだけの仕事ではなく、着実にスキルアップすることが可能な仕事です。

資格取得によるメリットはたくさんあります。今回は、どんな資格が役立つのか、どんな条件で取得することができるのかをわかりやすく解説します。

運送業に勤務するために絶対必要な運転免許

運送業に就職するには、運転免許を取得しなければなりません。運転免許は平成29年3月に道路交通法が改正され、以前の運転条件とは大きく異なるようになりました。

トラック運転手を目指すのであれば、運送業で絶対必要な運転免許の種類について、基礎知識として知っておく必要があります。運転免許にはどんな種類があるのか、取得条件も併せてご紹介します。

普通自動車運転免許

運送業に勤務するのであれば、最初の一歩ともいえるのが普通自動車免許です。

条件・満18歳以上
・片眼で0.3以上・両眼で0.7以上
・赤・青・黄色の3色が識別できること
・一般的な日本語の読み書き・内容の理解ができること
・自動車の運転に支障を及ぼす身体障害がないこと
・10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえること
取得方法1. 公安委員会指定の自動車教習所へ入校
2. 卒業後、試験場で適性検査・学科試験を受験
運転できる車両①平成19年6月~平成29年3月11日までに免許を取得した方
・車両総重量:5t未満
・最大積載量:3t未満
②平成29年3月12日以降に免許を取得した方
・車両総重量:3.5t未満
・最大積載量:2t未満

注意したいのは、免許の取得時期によって、運転できる車の大きさが異なることです。運送業では普通免許だけでもできる仕事はありますが、自分の免許がどの大きさの車両を運転できるのかは、最低限確認しておくようにしましょう。

準中型自動車運転免許

準中型自動車運転免許は、平成29年3月に施行された道路交通法で、新設された免許区分です。

条件18歳以上
取得方法1. 公安委員会指定の自動車教習所へ入校 (技能教習41時限・学科教習27時限)
2. 卒業後、試験場で適性検査・学科試験を受験
運転できる車両・車両総重量3.5t以上7.5t未満
・最大積載量2t以上4.5t未満

中型や大型免許のように、運転経験を必要としないため、18歳以上であれば誰でも取得できる免許です。運送業に就職したいと考えている方は、ぜひ取得しておきたい免許になります。

中型自動車運転免許

中型免許は20歳以上にならないと取得できない免許です。

条件・20歳以上
・普通免許等保有2年以上
取得方法・指定自動車教習所へ通って技能卒業検定に合格する
・運転免許試験場で技能試験を直接受験する
運転できる車両・車両総重量7.5t以上11t未満
・最大積載量4.5t以上6.5t未満

20歳以上という年齢だけではなく免許の保有期間が2年以上という条件があるため、まず普通免許もしくは準中型免許を取得する必要があります。

大型自動車運転免許

大型免許は、運送業界に携わるのであればぜひ取得したいおすすめの免許です。理由は、運転できる車両が格段に増えるからです。

条件・21歳以上
・普通免許等保有3年以上
取得方法・指定自動車教習所へ通って技能卒業検定に合格する
・運転免許試験場で技能試験を直接受験する
運転できる車両・車両総重量11t以上
・最大積載量6.5t以上

注意したいのは、MTでの免許が必要であることです。AT限定で普通免許を取得した方は、限定解除が必要になります。

けん引車免許

けん引免許は、トレーラーやキャリアカーなどの特殊車両を運転するのに必要な免許です。

条件・満21歳以上
・普通運転免許の経験3年以上
・片眼で0.5以上、両眼で0.8以上の視力があること(眼鏡・コンタクト可)
・深視力検査3回の平均誤差が20mm以内であること
取得方法1. 自動車教習所へ入校⇒卒業
2. 運転免許センターで適性検査(学科・実技免除)
運転できる車両・トレーラー

けん引免許は、普通自動車免許・大型自動車免許・大型特殊免許のいずれかを有している人が条件となります。視力に不安のある方は、事前に視力のチェックを行っておきましょう。

運送業で持っていると役立つ・有利な資格とは?

運送業には、運転免許以外にも取得すると役に立つ資格がたくさんあります。現場のドライバーとして活かせる資格や、管理職への道が開ける資格など、さまざまです。

どんな資格がどんな条件で取れるのか、詳細について紹介しましょう。

運行管理者

運行管理者とはトラックなどの営業用自動車が安全に運行するための運行管理を行うための資格で、国家資格として取得できます。運行管理者の資格を取得するには2つの方法があり、どちらかを選択することが可能です。

1. 国家試験に合格する・1年以上の実務経験を積んでいること
・実務経験と同等の講習を修了していること
・「貨物」と「旅客」の2種類の試験がある
2. 一定の条件を満たす・5年以上の実務経験があること基礎講習や一般講習を5回以上受けていること
・5回以上の講習のうち少なくとも1回は基礎講習を受講していること

運行管理者の資格を取得すれば、現場のドライバーとしてではなく管理者として勤務することができます。

運行管理補助者

運行管理補助者とは、運行管理者の業務をサポートする仕事です。

条件・運行管理者・基礎講習の修了者
取得方法・「運行管理者基礎講習(貨物)」受講する

運行管理補助者は、点呼・運行指示書の作成や運転手への伝達を行うことができます。

整備管理者

整備管理者とは、その名の通り保有するトラックなどの整備や管理を行う仕事です。

条件・一級・二級または三級の自動車整備士技能検定に合格した者
・国土交通大臣が告示で定める基準以上の技能を有する者
・自動車の点検もしくは整備・整備の管理に関して2年以上実務の経験を有し地方運輸局長が行う研修を修了した者
配置・5両以上の使用の本拠ごとに設置(※トラック・乗車定員10人以下の場合)

整備管理者としての試験はありませんが、他の資格の取得や研修の受講が必要になります。

危険物取扱者

危険物取扱者は、化学物質やガソリンなどの危険物を扱う際に必要な国家資格です。

受験資格(甲種)乙種危険物取扱者免状を有する者大学などで化学に関する学科などを修めて卒業した者大学などで15単位以上化学に関する授業科目を修得して卒業した者化学に関する学科または課程の修士・博士の学位を有する者
取得方法危険物取扱者試験に合格する (甲種・乙種・丙種の3種類があり乙種4類が仕事に活かしやすい) 定められた期間ごとに危険物取扱者保安講習を受ける必要あり

運送業界では、危険物取扱者の資格を取得することで、タンクローリーを運行することができます。

玉掛け作業者

玉掛け作業者とは、クレーンに荷物をかけたり外したりの作業を行う人のことです。資格を保有していないとできない業務になります。

条件・満18歳以上
取得方法・玉掛け技能講習または玉掛け特別教育の受講・修了

運送業では家具・ピアノ・大型家電などの搬送や、工事現場への資材搬入などで必要な資格です。

フォークリフト免許

荷物の積み降ろしで馴染みのあるフォークリフトは、運転免許では操縦することができません。

条件・18歳以上
取得方法・フォークリフト運転特別教育の受講 (各事業所で実施)
・フォークリフト運転技能講習の受講 (各都道府県の労働局長に登録を受けた教習所で実施)

フォークリフトを操縦するには、最大積載荷重が1tを超える場合は都道府県登録教習機関での「フォークリフト運転技能講習」、最大積載荷重が1t未満の場合は都道府県登録教習機関での「フォークリフト運転特別教育」を受講・修了する必要があります。

運送業で資格を取得するメリット

運送業で活かせる資格を取得することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?

資格を取得することで得られるメリットについて、2つのポイントを紹介します。

転職に有利になる

運送業で資格を取得することは、運送業界内での転職に有利になります。運送業界で使用する車両にはさまざまな種類があり、多くの車両を運転できることで仕事の幅が大きく広がるのです。

特に、大型免許やけん引免許まで取得することができれば、業界・職種にたくさんの選択肢を作ることができます。また、運行管理者等の資格は、ドライバーとしてではなく管理職としての新たなスキルアップをすることが可能です。

運送業界が好きで長く働きたいと考えている方は、ぜひ役立つ資格を取得してください。

給料がアップする

資格を取得することで得られるもう一つのメリットは、給料がアップすることです。2019年に全日本トラック協会が発表した、トラック運送事業の平均賃金を見てみましょう。

職種(一般)2019年平均賃金(円)2018年平均賃金(円)
男性運転者平均335,700338,500
男性・けん引運転者383,500391,500
男性・大型運転者356,000355,100
男性・中型運転者282,800297,100
男性・準中型運転者284,900294,400
男性・普通運転者282,000294,400
女性運転者平均274,400294,700
女性・けん引運転者348,300344,500
女性・大型運転者320,200316,200
女性・中型運転者247,700279,000
女性・準中型運転者291,200281,500
女性・普通運転者216,200263,100

参考:「2019年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」について | 全日本トラック協会

この調査結果を見ると、男性・女性共にけん引や大型のドライバーは、全体平均よりも賃金が高くなっています。トラックドライバーには多くの職種があるため、業務内容も異なりますが、基本的には上位の免許を保有している方が、給料が高い傾向にあるといえるでしょう。

基本給が上がるだけではなく、資格手当を設定している企業も多くあるため、スキルアップをしていくことで給料もアップするというやりがいにつながります。

運送業に役立つ資格取得のポイント

運送業で資格を取得するときのポイントは2つあります。

1つ目は資格取得の支援制度がある会社を選ぶことです。筆者が勤務していた運送会社は中堅でしたが、大型免許・けん引免許・フォークリフト免許の資格取得支援制度がありました。

  • 費用を負担してくれる
  • 受験のための休暇をくれる
  • 自動車学校に通えるシフトを組んでくれる

という制度でした。資格取得後、1年は勤務するという条件付きでしたが、会社として制度を確立しているのであれば、時間調整や費用などの心配をせずに取得に向けて準備することが可能になります。

2つ目は取れるときに取っておくということです。

資格取得は、種類によって試験勉強が必要になったり、技能検定があったりします。

また、取得するための条件があり、特に視力に関しては年を重ねるごとにトラブルをかかえるようになるため、条件を満たさなくなってしまう可能性があります。

転職をするにしても、同じ会社でスキルアップをするにしても、思い立ったが吉日です。取り損ねることのないよう、チャンスがあればどんどん挑戦するくらいの意気込みも大切といえるでしょう。

まとめ

運送業に活かせる資格は多くの種類があります。すぐに取得できるものから、条件が厳しいものまでさまざまですが、どれもより良い転職や給与アップにつながる要素といえるでしょう。

働きながら資格を取得するのは大変ですが、運送業界で長く働こうと考えている方は、ぜひ資格の取得に挑戦してみてください。仕事の幅が広がり、さらなるやりがいを見出すことができるはずです。

トラックドライバーの仕事には、さまざまな職種があり、選択肢がたくさんあります。より良い転職につなげるために、ぜひ当サイト「ドライバーコネクト」にご相談ください。きっと自分に合ったトラックドライバーの仕事が見つかるはずです。