【2022】トラックドライバーは年収1000万稼げる?現状と年収アップのコツ

トラックドライバーは、稼げる職業の筆頭として人気のある時代がありました。「年収1,000万円も夢じゃない!」「走れば走るだけ稼げる!」なんていうこともザラで、実際に家を建てた・自分のトラックを買ったというドライバーも多くいたのです。

しかし、現在はどうなのでしょうか?この記事では、トラックドライバーの年収の現状と、年収1,000万円に近づくことのできる方法を紹介します。

トラックドライバーで年収1000万円稼ぐことはできる?

結論からお伝えすると、現在のトラックドライバーが年収1,000万円を稼ぐことは稀です。理由は、働き方改革による労働環境の見直しにあります。

トラックドライバーが年収1,000万円を稼げていたのは、バブル期〜2000年頃まででした。ただし、高い年収を稼いでいた裏にはカラクリがあります。

当時のトラックドライバーは猛烈に忙しく、走っても走っても荷物がさばけないような状況でした。何とか荷物をさばきたい荷主は運賃を上げてでも運送業者を確保したため、相乗効果で今では考えられないような運賃で運行していました。

  • 過酷な労働環境(膨大な残業時間・休みなし・休憩なしなど)
  • 高い運賃

この2つの条件が合致して生まれた産物が、年収1,000万円という状況だったのです。

そのため、稼いでいるけれど身体の不調を訴えているというドライバーは山ほどいました。激務が原因で体調を崩し、トラックを降りたドライバーも少なくありません。

それでも「稼げる」という実績があったため、転職を希望する人は多く、運送業界は何とか回っていたのです。

トラックドライバーで年収1,000万円稼げていた頃

筆者は、元トラックドライバーです。1990年代からトラックに乗っていましたが、当時は年収1,000万円を稼いでいる仲間がたくさんいました。

当時は稼げる職業として非常に人気があり、変な話ですが借金問題を抱えた人が多く、トラックドライバーになって借金を完済したという人も多かったものです。年収1,000万円が夢ではなかった頃のお話を紹介しましょう。

バブル全盛期には稼げる職業だった

トラックドライバーは、バブル全盛期には稼げる職業でした。その象徴ともいえるのは、トラックの持ち込みがあったことです。

自分で営業して仕事を取り、自分で買ったトラックを持ち込んで仕事をしている人が大勢いました。車検の基準も今ほど厳しくなかったので、通称『デコトラ』といわれる華美な装飾を施したトラックに乗り、日本全国を走り回っていたものです。

トラックを維持するには大きな経費がかかります。プラス、燃料代・高速代なども自腹ですので、合算すると相当な金額になったはずですが、それを上回る収入があり、うまみがあったからこそ持ち込みという手段を取っていたのです。

軽貨物なども非常に人気があり、定年退職後に個人事業主として働く人も大勢いました。免許があれば稼げる……そんな時代があったことは確かです。

3年乗ったら家が建つ?ジャパニーズドリーム

年収1,000万円あれば、生活のレベルはかなり高いものになります。当時は「トラックに3年乗ったら家が建つ」と言われていました。

筆者の周囲でも、マンション・一戸建て……自分の家を持っている人がほとんどで、乗っている車もピカピカの新車、共働きという家庭もあまりなかったほどです。

ただし、一国一城の主になっても、なかなか家には帰れていなかったのが現実でした。特に長距離のドライバーは、車中泊は当たり前でしたし、中には3ヶ月に1回家に帰れれば良いという人もいました。

トラックの中が自分の家……生活用品を積み込んで、寝泊まりしている人も少なくありませんでした。外国人の労働者も多く、正にジャパニーズドリームだったころがあるのです。

トラックドライバーの現状は?稼げなくなった理由

昔は年収1,000万円も稼げていたのに、今では難しい――トラックドライバーが稼げなくなった理由にはどのようなことが考えられるのでしょうか?トラックドライバーの現状と稼げなくなった原因について解説します。

トラックドライバーの平均年収

現在のトラックドライバーはどのくらい稼げているのか、2019年に全日本トラック協会が行った調査結果から、現在の平均年収を職種別に見てみましょう。

職種(一般)2019年・平均月給(円)
※1ヶ月平均の賞与含む
2019年・平均年収(円)
※平均月給×12ヶ月
男性運転者平均371,5004,458,000
男性・けん引運転者434,7005,216,400
男性・大型運転者394,1004,729,200
男性・中型運転者305,7003,668,400
男性・準中型運転者310,3003,723,600
男性・普通運転者313,1003,757,200
女性運転者平均299,1003,589,200
女性・けん引運転者384,1004,609,200
女性・大型運転者355,1004,261,200
女性・中型運転者264,3003,171,600
女性・準中型運転者312,5003,750,000
女性・普通運転者235,3002,923,600

参考:「2019年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」について | 全日本トラック協会

この調査結果からもわかるように、もっとも年収の高い男性・けん引運転手の平均年収も約520万円です。1,000万円には程遠いのが現状といえるでしょう。

トラックドライバーの給与体系の特徴は、変動給が大きいことが挙げられます。変動給とは残業代などのことで、以前は膨大な残業時間や休日手当などが給与に組み込まれていたのです。

基本給自体が低いわけではなく、残業時間の減少によって、手取り額も年収も下がってしまったことが考えられます。

深刻な人手不足

運送業界は深刻な人手不足に悩まされています。平成30年に国土交通省が発表した『トラック運送業の現状等について』によると、貨物自動車運転手の有効求人倍率は2.79でした。

全職業の有効求人倍率は1.49ですので、深刻な人手不足の状況であることがわかります。人が足りないということは、現在進行形で働いている人に負担がかかることにつながるため、運送業界へのネガティブなイメージが先行し、さらなる人手不足が進んでいくことが懸念されているのが現状です。

押し寄せる高齢化の波

国土交通省が行った『トラック輸送状況の実態調査』によると、男性・女性共に29歳以下の若年層が非常に少ないことがわかります。

年齢層男性ドライバー女性ドライバー
29歳以下3.3%11.3%
30歳~39歳17.7%16.1%
40歳~49歳39.3%61.3%
50歳~59歳30.2%11.3%
60歳以上8.7%0%

参考:トラック輸送状況の実態調査|国土交通省

トラックドライバーは定年があるケースが少なく、長く働けるメリットはありますが、若年層が薄いという点は、業界全体の課題となっています。このままの状態で推移していくと、さらなる深刻な人手不足に直面することになるでしょう。

働き方改革の影響

トラックドライバーが稼げなくなった最大の理由は、働き方改革の影響です。2019年に労働基準法が改正され、2020年4月から施行されています。拘束時間・休息時間などの見直しが徹底的に行われました。

  • 1運行の平均走行距1日の拘束時間は13時間以内が基本・延長する場合でも16時間が限度
  • 1日の休息期間は継続して8時間以上が必要
  • 1日の拘束時間を延長する回数は1週間につき2回が限度
  • 時間外労働への罰則金の設置(36協定)

これはトラックドライバーの労働環境改善に大きく影響するものですが、反面、残業時間の減少などにより、給与が下がる原因とも考えられます。

運賃の値下げ

運賃の値下げは、トラックドライバーの年収を引き下げる原因の一つです。

筆者が勤務していたころは、かなり景気の良い時期であったため、1運行の運賃が非常に高かったのを覚えています。とにかく製品・商品の消費がものすごいスピードだったため、出荷が追い付かない状況でした。

出来上がった製品・商品をいち早く顧客に届けなければならないので、時間帯も関係なく、「この運行〇〇円出すから走って!」というような状況がまかり通っていたのです。

しかし、景気の低迷を受け、運賃は一斉に下がりました。ちょっとやそっとの景気回復では、運賃が上がることがないようです。

バブル期のようなお祭り騒ぎにならないと、以前のような高い運賃で運行することは難しいのかもしれません。

トラックドライバーで年収を上げる3つの方法

年収1,000万円は難しくても、トラックドライバーが年収を上げる方法があります。今の年収を少しでもUPできる方法を3つ紹介しましょう。

資格を取る

運送業界で活かせる資格を取ることは、確実に年収を上げる方法の一つです。

準中型自動車免許18歳以上車両総重量3.5t以上7.5t未満最大積載量2t以上4.5t未満
中型自動車免許20歳以上・普通免許等保有2年以上車両総重量7.5t以上11t未満最大積載量4.5t以上6.5t未満
大型自動車免許21歳以上・普通免許等保有3年以上車両総重量11t以上最大積載量6.5t以上

普通運転免許はもちろん、準中型免許・中型免許・大型免許・けん引免許などを取得することで、運転できるトラックの種類が増え、仕事にも幅を持たせることができます。

  • 運行管理者
  • 整備管理者
  • 危険物取扱者
  • 玉掛け作業者
  • フォークリフト

など、トラックドライバーとしてだけではなく、運送業界で活かせる資格はたくさんあります。運送会社の中には、免許や資格取得を支援する制度を設けている会社もありますので、チャンスがあればどんどん挑戦しましょう。

特に大型免許は仕事の幅がもっとも広がる免許といえます。トラックドライバーとして年収を上げるための資格としては、必須と考えておいてください。

独立する

年収を上げるために、独立・起業するという方法もあります。トラックドライバーとして独立・起業する方法は、次の3パターンがあります。

  • 個人事業主として独立する
  • 法人として起業する
  • フランチャイズに加盟する

比較的独立しやすいといわれているのが、軽貨物の運送業です。大手宅配会社などに参入し、個人事業主として稼いでいるケースもあります。

また、運送業界はフランチャイズが多く存在するため、加盟して起業することも可能です。

起業や経営に関するサポート体制が整っており、自己負担金を抑えて起業できるメリットがあります。

トラックドライバーとしてだけではなく、経営者として稼ぐという選択肢があることを覚えておきましょう。

転職する

好条件の会社に転職して年収を上げることのも一つの方法です。未経験の転職希望の方や、運送業界の経験が浅い人は、大手の運送会社に転職をするのがおすすめです。

大手の運送会社には、中小企業にはないメリットがあります。

  • 経営の安定性
  • 教育制度・支援制度の設置
  • 全国各地で勤務が可能
  • 福利厚生制度の充実度
  • 労働時間管理の徹底

経営が安定しているということは、賞与に大きく影響します。基本給だけではなく、賞与を合わせると年収が大きくアップするでしょう。

福利厚生制度の充実度もポイントです。大手運送会社の福利厚生制度は、中小企業の比ではありません。

給料の額面だけではなく、従業員として受けられるメリットが多くあれば、総合的に好条件ということになります。

まとめ

トラックドライバーが、現状で年収1,000万円を稼ぐことは難しいです。昔は確かに稼げる職業といわれている時代もありましたが、その背景は過酷な労働環境にあったことは否めません。

労働基準法の改正により、運送業界の働き方は大きく変わりました。これから年収をアップさせていくには、好条件の会社に転職をするという選択肢が一番現実的でしょう。

トラックドライバーの仕事には、さまざまな職種があり、働き方を選ぶことができます。より良い転職につなげるために、ぜひ当サイト「ドライバーコネクト」にご相談ください。きっと自分の希望年収に合ったトラックドライバーの仕事が見つかるはずです。