ルート配送は「やめとけ」と言われる理由は?仕事内容・待遇などの実態を解説

ルート配送とは、トラック運転手の職種の一つです。店舗・個人宅・業者間の物流を支える重要な仕事ですが、「ルート配送はやめとけ」と言われることも少なくありません。

なぜルート配送への転職を止められるのか、どんな理由でやめとけと忠告されてしまうのか、元トラック運転手の筆者が体験に基づいて詳しい解説をします。実際に働いてわかった実態をご紹介しますので、ルート配送への転職を希望されている方はぜひ参考にしてください。

ルート配送とは

ルート配送のデメリットを紹介する前に、そもそもルート配送とはどんな仕事なのかを知っておきましょう。

ルート配送とは、トラックを運行して決まった相手先に荷物を運ぶ仕事です。荷物の内容・荷主・配送先が決まっていることが特徴で、走行する距離は短距離~中距離が多く、長距離はほとんどありません。

  • コンビニエンスストアやホームセンターへの商品配送
  • 物流センター間の商品配送
  • 個人宅への商品や食材のお届け
  • 病院へ薬剤などのお届け
  • 店舗への商品配送(酒・おしぼりなど)
  • 自動販売機の補充

ルート配送には、上記のような業務内容があります。扱う商品も多く、積み込みや荷下ろしが大変なケースもあるので、事前に確認することが大切です。

また、ルート配送には他のトラック運転手とは異なる特徴があります。

  • 就業時間が決まっている
  • 走るルートが固定されている
  • 給与が安定している
  • 長距離の運転が少ない
  • 未経験でも挑戦しやすい
  • 普通免許だけでも就業が可能
  • 営業活動を任されることがある

ルート配送は、走るルートや配送先を覚えてしまえばほとんど変わることがありません。荷主や配送先の担当者との接点も多く、営業活動を任されるケースがあることも特徴といえるでしょう。

ルート配送はやめとけと言われる理由①:仕事内容

ルート配送の仕事内容にはメリットもありますが、実際に働いてみると意外なデメリットが存在します。どんな理由で「ルート配送はやめとけ」と言われるのか、仕事内容から考えられる原因を3つ紹介しましょう。

単調

ルート配送の仕事は単調になりがちです。ルーティンワークといっても良いほど、同じ荷主・同じルート・同じ荷物・同じ配送先であることが特徴のため、変化がありません。

異業種の方が描いているトラック運転手のイメージとは少々仕事内容が異なります。走行する距離も短めで、業務によっては荷物の積み下ろし時間の方が長いというケースもあります。

常に変化を求める方や、一般的なトラック運転手のイメージを持っている方は、違いをきちんと理解していないと「思ったのと違う」「つまらない」「やめた方が良い」という結果につながってしまいます。

重労働

ルート配送の仕事は重労働です。実際に勤務した筆者が「重労働だな」と感じたのは、トラックの乗り降りが非常に多いことでした。

ルート配送の前職は長距離ドライバーだったので、あまりの乗り降りの多さに疲れてしまったことを覚えています。運ぶ荷物によっては、200キロはあるカゴ車を荷台から降ろして、納品口まで運ぶのがものすごい力仕事でした。

種類の多い食品や重量のある飲料、ホームセンターで売られている堆肥などを扱う場合も、荷物の重さがネックになります。同じルート配送でも扱う荷物によっては、体力的にしんどい重労働があることを知っておく必要があるでしょう。

孤独

ルート配送の仕事は意外と孤独です。他のトラック運転手よりも取引先や顧客と話す機会はありますが、同僚と話している暇がありません。短時間で次の配送先に着いてしまうことが多いのが理由です。

長距離ドライバーのときはハンズフリー通話で同僚と話す機会があったため、あまり孤独は感じませんでした。ルート配送では継続して運転する距離が短距離なので、話したり音楽やラジオを聴いたりする時間がないのです。

仕事をしている時間は短いものの、長距離ドライバーのときより孤独を感じることが多々ありました。

ルート配送はやめとけと言われる理由②:待遇面

「ルート配送をやめとけ」と言われる原因は、仕事内容だけではありません。メリットと思われる待遇も、裏返すとデメリットにつながってしまいます。

待遇面から考えた「やめとけ」といわれる原因を3つのポイントに絞って紹介しましょう。

給料が安い

ルート配送は、他のトラックドライバーに比べて給料が安いです。2019年に全日本トラック協会が行った調査結果によると、男性ドライバーの場合の平均賃金は以下のようになります。

職種(一般)2019年平均賃金(円)2018年平均賃金(円)
男性運転者平均335,700338,500
男性・けん引運転者383,500391,500
男性・大型運転者356,000355,100
男性・中型運転者282,800297,100
男性・準中型運転者284,900294,400
男性・普通運転者282,000294,400

参考:「2019年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」について | 全日本トラック協会

ルート配送は普通~準中型のトラックで配送することが多いので、男性運転者全体の平均賃金よりも15%ほど賃金が安くなっているのがわかります。残業時間が少ないというメリットも、給料が少ないというデメリットにつながってしまい、歩合給が設定されていることもほとんどないので、年収ベースでも低くなってしまうのです。

時間に追われる

ルート配送は時間に追われるというデメリットがあります。トラック運転手は職種に関わらず、指定された時間に納品しなければいけないものですが、ルート配送の場合は加えて時間に追われることが多いのです。

特に、都市部の場合は時間帯によっては交通渋滞が起こりやすく、工事や思わぬ事故などで延着してしまうリスクが高くなります。

決まった時間に決まった配送先へ荷物を届けるのが大前提なので、常に時間との勝負。業務内容によっては空きケースの回収や、荷物の積みなおしなどを行わなくてはならないため、業務中は常に時間に追われてしまうというデメリットがあります。

連休が取りづらい

ルート配送は連休が取りづらいこともデメリットとして挙げられます。ルート配送は固定のルートを回ることが多いため、代替要員がいない場合は、連休を取ることが難しくなります。

決められたシフトで運用されることがほとんどなので、よほどの事情があればシフト作成までに申し出ればOKですが、会社によっては許可されないこともあるのです。

食品・コンビニ関係やホームセンターなどのルート配送は、土日祝日も関係なく仕事がありますし、年末年始やお盆など、世間がお休みのときに休めないことも多々あります。独身時代は問題なく働けても、家族がいる場合は大きなデメリットになってしまう可能性も考えられるのです。

筆者の同僚は子どもが小学生になった頃、土日に家にいないことで子どもとのコミュニケーションが取れないという理由で、やむなく転職しました。プライベートの環境によっては、連休が取りづらいという待遇が、ルート配送を辞めるきっかけの一つになってしまいます。

ルート配送はやめとけと言われる理由③:その他

仕事内容と待遇面以外にも、ルート配送ならではのデメリットが存在します。その他にはどんな原因が考えられるのか、根本的な問題を深掘りしてみましょう。

人手不足

運送業界は常に人手不足の状態が続いています。国土交通省が発表した『トラック運送業の現状等について』が人手不足の現状を如実に表しています。

平成30年10月の貨物自動車運転手の有効求人倍率は2.79でした。全職業の有効求人倍率は1.49なので、約2倍の数字をたたき出しています。

これは運送業界の人材不足が顕著に表れている数字です。中でもルート配送は物流の増加に人員がついていかない傾向があります。

人手不足から生まれる弊害は多く、過酷な労働条件やタイトな配送スケジュールなど、ドライバーに直結するデメリットとなります。

スキルが身につきにくい

他のドライバーと比べて、ルート配送のドライバーはスキルが身につきにくいデメリットがあります。

トラック運転手には大型免許やけん引、フォークリフトなどスキルアップできる資格がありますが、ルート配送を行っているとさらなる資格が必要ないことがほとんどです。

普通免許で従事できる業務もあることから、異業種からの転職はしやすいですが、その業界に身を置いてしまうと、なかなかスキルアップのチャンスに恵まれません。スキルアップは収入アップにもつながるため、給与が上がらない、給料が安いというデメリットにもつながってしまいます。

事故のリスク

ルート配送のドライバーだけではありませんが、事故のリスクは常に付きまといます。特に、交通量の多い首都圏でのルート配送は、事故のリスクが非常に高いです。

万が一事故を起こしてしまった場合、キズが付くのは自分の免許であることを忘れてはなりません。行政処分により、仕事を継続できなくなることも考えられます。

ルート配送の場合は、いつも通る同じルートという慢心が、思わぬ事故を引き起こす要因ともいえるでしょう。

ルート配送はやめた方がいい!向いていない人はどんな人?

ルート配送は、向き・不向きがハッキリとしている仕事です。トラック運転手としてだけではなく、ルート配送ならではの特徴があり、その特徴を理解できていないと、ストレスが多くなってしまう可能性があります。

ここでは、ルート配送には向かない、転職はやめておいた方が良い人のパターンを紹介します。

純粋にトラック運転手になりたい人

純粋にトラック運転手になりたいと思っている人は、ルート配送の仕事は向いていません。

  • とにかくトラックを運転したい ⇒ トラックを運転する距離は短い
  • 人とあまり接したくない ⇒ 営業活動を強いられる業種もある
  • トラックをいじりたい ⇒ 会社で禁止されていることが多い

筆者がルート配送の会社に勤務していたときは、特にトラックのデコレーションなどが一切禁止されていました。マーカーの色を変更したり、シフトノブを付け替えたりすることもできなかったのです。

「トラック運転手になったらやりたかったことができない」と嘆いている後輩もたくさんいました。一般的なトラック運転手のイメージと、ルート配送のドライバーはイコールではありませんので、「こんなはずじゃなかった」と後悔してしまうことになります。

稼ぎたい人

トラック運転手として稼ぎたいと思っている人は、ルート配送以外の職種を選びましょう。

ルート配送は安定した基本給ではありますが、長距離ドライバーのように歩合給はないことがほとんどです。勤務時間も一定で、残業時間は少ない傾向にあります。

安定性は抜群ですが、驚くような高給取りになることはできません。

コミュニケーションを上手く取れない人

他人とのコミュニケーションが苦手な人は、ルート配送の仕事にはつかない方が無難です。

ルート配送は他のトラック運転手よりも、コミュニケーション能力を求められる傾向があります。

特に、顧客へ直接配送を行う仕事の場合は、営業活動をしなければならないケースもあるので、コミュニケーションが面倒だと感じる人は向いていません。

筆者の自宅へ定期的に配送に来るドライバーさんは、とても愛想の良い方です。行事ごとに実施されるキャンペーンの案内や、〇〇強化月間などという販促品の案内などをされることがあり、成績につながるのだと言っていました。

きちんとコミュニケーションが取れる人でなければ、ルート配送のドライバーは務まらないので、コミュニケーションが苦手な方は転職先として選ばない方が良いでしょう。

まとめ

ルート配送はトラック運転手の中でも異なった特徴を持つ仕事です。異業種からの転職先としては挑戦しやすい職種ですが、向き・不向きがハッキリとしていることを知っておく必要があります。ルート配送ならではのデメリットが原因で「ルート配送はやめとけ」と言われてしまうのも現実です。

しかし、ルート配送は生活基盤を支える大切な仕事で、メリットも多くあります。応募先の企業がどんな業界のルート配送を行っているのか、その業界にはどんなデメリットがあるのかをしっかりとリサーチし、自分に合った業務内容かどうかをきちんと見極めましょう。

トラック運転手の仕事には、選択肢がたくさんあります。より良い転職につなげるために、ぜひ当サイト「ドライバーコネクト」にご相談ください。きっと自分に合ったトラック運転手の仕事が見つかるはずです。