【実録】トラックドライバーの生活はどんな感じ?3職種で異なる実態とは

トラックドライバーの生活には、不規則なイメージがあるかもしれません。確かに、ホワイトカラーの職業と比べれば、定時で仕事が終わる確証はありませんし、長い連休を確保することも難しいでしょう。

トラックドライバーへの転職を検討するとき、「実際の生活はどんな感じなんだろうか?」と気になることはありませんか?

そこでこの記事では、元トラックドライバーの筆者が、現役ドライバーにインタビューを行い、実際の生活について聞けた本音を紹介します。トラックドライバーの生活は職種ごとに異なるので、3つの代表的な職種をピックアップしてみました。ぜひ参考にしてください。

トラックドライバーの生活:長距離の場合

長距離ドライバーの生活を紹介していきましょう。運送業の花形・長距離の大型運転手を担当するNさん。軽貨物の運転手から大型免許を取得し、長距離ドライバーに転職したベテランドライバーです。

【Nさんのプロフィール】

  • 40代・男性・既婚
  • 長距離配送を担当
  • 軽貨物運転手から転職

1日の流れ

Nさん「自分は主に長距離の配送を担当しています。基本的に行く場所は同じですが、往復で3日間の行程です。1日の流れというよりは、1回の仕事の流れっていう感じで捉えてます。」

【Nさんの主な1日の流れ】

  • 06:00:起床
  • 07:00:点呼・出庫
  • 10:00:休憩
  • 12:30:昼食
  • 16:00:休憩
  • 22:00:仮眠
  • 05:00:出発
  • 09:00:到着・荷降ろし・積み込み
  • 12:00:昼食・休憩
  • 13:00:出発 ※休憩・仮眠をしながら翌日の朝までに帰社

Nさん「車中泊はキツイって思われがちだけど、最近のトラックはしっかりした寝台が付いてるし、自分はトラック用の布団を積んでるので、しっかり休めるんですよ。」

食事のタイミング

Nさん「自分は体内時計がしっかりしてる方なので(笑)、比較的3食きちんと食べています。たまに朝ごはんを抜いて、早めの昼ご飯をとることもあるけど、走りながら食べたりするようなことはほとんどしません。危ないからね。

朝、自宅から出るときは、奥さんにお弁当を作ってもらうこともあります。ただ、家を出る時間が早いので、コンビニでおにぎりやパンを買うこともあるかな。

元々の運行予定に余裕をもってもらってるので、よほどの渋滞やイレギュラーな事故なんかに巻き込まれなければ、食事はしっかり摂れますよ。」

仕事に必要なグッズ

Nさん「布団と冷蔵庫ですね。SAとかPAで食事できないときは、あらかじめ買っておいたものを持ってなきゃいけないでしょ。冷蔵庫は最初いらないかなと思ったけど、実際積んでみるととっても便利!車中泊があるので、布団は必須です。

あとは、お気に入りの滑らない軍手。他の軍手は何となくしっくりこないので、自宅近くのホームセンターで買いだめしてます。」

睡眠・休憩時間

Nさん「昔は結構キツイ運行もあったけど、最近は休憩時間とか残業時間とかがうるさくなって、余裕のある運行になったから、休憩時間も睡眠時間もしっかり取れてます。

中にはちょっとブラック気味の会社の話も聞くけど、そういう会社は辞めちゃえば良い。転職する選択肢はたくさんあるし、きちんと法律を守ってる会社もある。

今は運転手が足りない時代だから、自分を危険にさらすような会社は見切りつければ良いんだよ。自分は運転手が好きだからかもしれないけど、睡眠不足で眠くてしょうがないような運行はしてないよ。」

トラックドライバーの生活:夜間配送の場合

Sさんはホームセンターの夜間配送を担当しています。前職は日中のドライバー。昼間の仕事から夜間の配送へのシフトチェンジはどうだったのでしょうか?

【Sさんのプロフィール】

  • 40代・男性・既婚
  • 夜間の店舗配送を担当
  • 宅配業者から転職

1日の流れ

Sさん「俺は夜間配送の仕事なので、午後から出勤して、翌日の早朝に帰るっていうスケジュールです。昼夜逆転なので、イメージはしにくいかもしれません。」

【Sさんの主な1日の流れ】

  • 14:00:起床
  • 15:00:食事・出勤
  • 16:00:点呼
  • 17:00:積み込み
  • 19:00:出発
  • 23:00:休憩
  • 04:00:車庫に到着
  • 04:30:帰宅・食事

Sさん「走行距離はそんなに多くないけど、店舗配送なので、1回に4〜8店舗分の荷物を配送します。荷物はタイヤのついたカゴ車に入ってるんですが、肥料とか飲み物とかはとっても重いです。ゲートのついたトラックなので、積み降ろしは楽だけど、ホームセンターだからか、全体的に重量のある荷物が多いです。」

食事のタイミング

Sさん「基本的に食事は1日2回。出かける前と、帰ってきた後に食べます。運転中は何も食べないので、腹は減りますね(笑)

でも、トラックに乗ったり降りたりするから、長距離みたいに長く運転する時間がないんです。食べてる時間がないのと、早く終わらせて家でゆっくり食べた方が良いから、今の状況で満足はしてます。周りもみんな同じ感じですね。」

仕事に必要なグッズ

Sさん「うちの会社は服装自由なんです。だから作業着は絶対に必要。自腹なのはおかしいって奥さんは怒ってますけど(笑)

あとは、連絡事項が結構あるから、スマホは必ず持って仕事しています。かなり身体を使う仕事なので、水分補給のためにクーラーボックスに飲み物を詰め込んで持っていきます。」

睡眠・休憩時間

Sさん「睡眠は自宅のベッドでしっかりと取れてます。昼夜逆転の仕事なので、最初は正直キツかったけど、慣れたら特にキツイと感じることはないですね。休憩時間には、コーヒー飲みながら一服して、電話で同僚と話したりしています。

コロナで仕事が減ったっていう人もいたけど、運送業界は逆。特にホームセンターの配送は、メチャメチャ忙しくなりました。たまに休憩時間が取れないこともありますけど、毎日ではないので我慢できてます。」

トラックドライバーの生活:宅配便の場合

Bさんは、個人事業主として宅配を請け負っている軽貨物のドライバーです。一般的なトラック運転手とは異なる点が多いようですが、どんな生活を送っているのでしょうか?

【Bさんのプロフィール】

  • 40代・男性・既婚
  • 軽貨物で宅配業を担当
  • 大手宅配会社を退職し独立

1日の流れ

Bさん「私は宅配便のドライバーなので、基本的には荷物の量で1日の流れが決まります。荷物が多かったり、再配達が多かったりすると、仕事が終わるのは21:00を過ぎることもあります。自分で時間の配分ができるので、以前よりは楽になりましたね。」

【Bさんの主な1日の流れ】

  • 06:00:起床・朝食
  • 07:00:点呼・積み込み
  • 08:00:出庫
  • 12:30:昼食・休憩
  • 16:00:1回目の配達終了
  • 17:00:再配達の確認
  • 19:00~21:00:帰宅・夕食

Bさん「コロナでネットショッピングが爆発的に増えたと感じています。僕たちは業務委託なので、荷物の数=収入につながります。最近は忙しくて、もう1台請負の台数を増やしました。」

食事のタイミング

Bさん「基本的には1日3回、きちんと食事はとれています。ただ、お歳暮やお中元の時期は恐ろしいくらい忙しいので、お昼を簡単に済ませてしまうことはありますね。昼はお弁当が多いです。一応個人事業主なので(笑)、少しでも節約できるところはしないとって奥さんに怒られます。

朝晩は自宅で食事ができるけど、家族と一緒に食べられることは少ないかな。時間を調整して、子どもの学校行事に参加したり、習い事の送迎をしたりすることもありますよ。」

仕事に必要なグッズ

Bさん「スマホとナビですね。以前は住宅地図を使って配達してたけど、今はナビを使います。不在票の連絡先には自分のスマホの番号が書かれているので、スマホは本当に手放せません。あと意外なのは靴。ソールのちゃっちい靴だと、階段の上り下りで腰が痛くなる。

ちょっと高いけど、ソールにエアの入ったランニングシューズが欠かせません。運転手といっても、トラックとはちょっと仕事内容が違うから。長い時間続けて運転するわけではないので、靴は走れるものを選んでます。」

睡眠・休憩時間

 Bさん「宅配は、朝積み込んだ荷物が配達できれば、仕事は終わりなんですよ。ただ、不在の場合は、再配達をしなくてはならない。だから、休憩時間は荷物の量に左右されます。

荷物が少なくて、不在も少なければ、変な話休憩時間の方が長かったりしますから。睡眠は自宅でしっかりと摂れているので、日中眠くて困るということもありません。たまに長い休憩のときは昼寝したりしますけどね(笑)」

トラックドライバーの生活に関するQ&A

トラックドライバーの生活は、職種によって大きく異なることがわかりました。運送業界未経験の方にとっては、『転職時に知りたいけどなかなか聞けない』という疑問もあると思います。

そこで、新人ドライバーを直撃!転職前どんなことを疑問に思っていたのか、「実際に抱えていたけど聞けなかった質問」を先輩たちに回答してもらいました。

トラックの中で寝るときは熟睡できる?

  • 「慣れればできますね。今のトラックはちゃんと運転席の後ろにベッドが付いてるから、比較的熟睡できます。」(Nさん)
  • 「トラックの種類によるんじゃないかな?大型ならちゃんとベッドがあるけど、俺の場合は軽だから、寝るって言っても椅子倒してるだけ。熟睡する必要もないから良いんだけど、もし軽で車中泊って言われたらキツイね。」(Bさん)

車中泊に適したトラックであれば、きちんと寝る体勢が取れるので、問題はなさそうです。

ただし、自分のベッドじゃないと寝られない・音が気になる・枕が変わるのが苦手などという人は、熟睡できない可能性もあります。

仕事で一番大変なことは?

  • 「新入社員が続かないこと(笑)教えて、ようやく慣れたかなっていう頃に辞めるよね、なぜか。新入社員が定着してくれないと、自分たちはなかなか楽できないし、会社自体もどんどん高齢化しちゃうでしょ。変なイメージを持ってるのは仕方ないけど、ある程度自分で調べたり、話し聞いたりして、ギャップを埋めるべきだよね。うちの会社はちょっと高齢化が進みすぎだよ(笑)。」(Sさん)
  • 「家族との時間は少ないよね。忙しいときは3日に1回くらいしか帰れないからさ。でも自分が働いてるおかげで家族は生活できてるわけで、そのことを奥さんや子供たちもわかってるから、文句は言えない(笑)。運転は好きだから、仕事自体で大変だと思うことはあんまりないかな。たまに重たい荷物を手積み手降ろししなきゃいけないときは、ちょっと大変かな(笑)。」(Nさん)
  • 「不在かなぁ(笑)配達完了でなんぼの世界だからさ、荷物がなくならない限り、仕事が終わんないんだよね。前にS急便のドライバーが荷物蹴っ飛ばしてた動画が拡散したことがあったでしょ?あれね、気持ちはすごくわかるんだよ。だって、時間や日にち指定してるのに不在って……ねぇ?業務委託の場合は、特に配達完了しないとお金に換算されないから、あまりにも効率が悪いときは大変だと思う。」(Bさん)

これぞ現役ドライバーの生の声!一般的な情報収集ではなかなか聞くことのできない本音です。職種ごとに抱えている大変さは、実際に働いている人じゃないとわからないものですね。

夜型の生活は辛くない?

  • 「最初はキツかったですよ。今まで寝てた時間に働くわけだから。でももっと大変なのは、家族だよね。うちの奥さんがよく言うのは、夜中に自分が具合悪くなったりしたら、子どもはどうしようって。俺がいれば良いんだけど、仮に連絡もらってもすぐに行ける場所にいるとは限らないし、荷物積みっぱなしで帰るわけにもいかないしね。災害なんかが起こった場合もそう。昼間でも同じかもしれないけど、やっぱり夜働くっていうのは、デメリットもある。休みの日は昼過ぎまで寝てるから、奥さんに怒られることも多いよ(笑)」(Sさん)
  • 「自分は夜型というよりも、夜も走らなきゃいけないこともあるっていう程度。昔は夜通し走ったりしたっていう話も聞くけど、今は完全にシフトが夜じゃなければ、夜通し走ることはないからね。」(Nさん)

Sさんは、完全な夜間勤務です。勤務自体は慣れてしまえば大丈夫ということですが、夜間勤務の旦那さんに合わせた生活をしている奥さまはかなり大変そうです。

運転していて眠いときはどう対処している?

  • 「本当に眠い時は、10分でも良いので仮眠しちゃいます。ガムかんだり、歌うたったり、タバコ吸ったり……いろいろ試したけど、本当に眠い時は何してもダメ。パーキングまで何とか頑張って、アラームかけて寝ます。」(Nさん)
  • 「基本的に日中の仕事なので、我慢できないほど眠いってことはないですね。仕事が暇なときは昼寝したりするけど、熟睡するわけではないからね。」(Bさん)
  • 「昼型から夜型の生活になったときは、本当に眠くて大変だった。眠い時は何しても眠い。栄養ドリンク飲んだり、眠くならないガムとか噛んだりしたけど、効かなかったなぁ(笑)ハンズフリーで仲間と話するのが、一番の眠気覚ましだったかも。今は身体が慣れてきて、仕事中に眠いってことはあんまりないですね。」(Sさん)

Nさんのいうとおり、筆者も長距離のドライバー時代は、できる範囲で仮眠を取っていました。眠くならない方法みたいな都市伝説はいろいろあるのですが、一番効き目があるのは、仮眠だと筆者も信じています。

まとめ

トラックドライバーの生活は、職種によって大きく異なります。未経験で転職を検討される方は、自分自身にどんな生活スタイルが合うのかを見極める必要があるでしょう。

新卒の就活のように、インターンシップや研修会などを望むことは転職では難しいので、いかに活きた情報を収集して、会社や職種を選んでいくのかが転職成功のポイントといえます。

「自分にどんな仕事が合っているのかわからない」「情報収集が思うようにいかない」という方は、ぜひ「ドライバーコネクト」にご相談ください。業界に精通した専任のスタッフが、手厚いサポートで転職をフォローします。トラックドライバーとして活躍できる会社選びに、ぜひ役立ててくださいね。