目次
トラック運転手に転職する際の確認項目①:仕事内容
トラック運転手の仕事内容は、職種によって異なります。トラック運転手は職種が多くあるため、どんな仕事をするのかという内容をしっかりと理解しておくことが必要です。
運転するトラックによって必要な運転免許は異なるため、転職前に必ずチェックしておきましょう。
職種
トラック運転手は、所属する企業によって、職種が変わります。職種によって運転するトラックの大きさや、勤務時間なども異なることが特徴です。
職種 | 仕事内容 |
---|---|
長距離輸送 | 荷主から請け負った荷物を所定の配送先まで届ける |
ルート配送 | 特定の荷主から特定の配送先へ荷物を届ける |
宅配便 | 個人宅や会社・店舗などへ請け負った荷物を届ける |
引越し | 荷物の運び出し・搬入・設置・梱包・輸送を行う |
長距離輸送
長距離輸送は、一般的なイメージとして描かれるトラック運転手に一番近い職種です。トラックを運転している時間や走行距離が長くなります。中型~大型免許・けん引免許などが必要なケースが多く、一度に大量の荷物を運ぶ仕事です。
ルート配送
ルート配送は、決まった荷主から決まった配送先へ荷物を運びます。店舗配送やセンター間輸送などが含まれ、トラックの大きさは運ぶ荷物によってまちまちです。普通免許で勤務できる企業もありますが、準中型免許を取得しておくと選択肢が広がるでしょう。
宅配便
宅配便は個人宅や会社、店舗などへ請け負った荷物を届ける仕事です。宅配便の場合は、トラックだけではなく、軽貨物などで業務委託を行っているドライバーもいます。
通常のトラックだけではなく、保冷車や冷凍冷蔵車などを運転することもあり、準中型免許を取得しておくことがおすすめです。
引越し
引越しは、荷物の運び出し・搬入・設置などを行う仕事で、個人宅から企業の引越しまでさまざまな規模に対応します。運転するトラックの規模はさまざまですが、2t~4tのバンボディやウイングボディのトラックが多いです。作業員として勤務するのであれば、普通免許で十分勤務できます。
勤務時間
トラック運転手の勤務時間は、職種によって大きく異なります。比較的、固定した時間で勤務できるのはルート配送や宅配便です。引越しは、繁忙期と閑散期の差が大きく、繁忙期には1日何運行もしなければならないことがあります。
長距離輸送は、勤務時間が不規則になりがちです。配送先によっては、車中泊したり、渋滞などによって残業を強いられたりすることが多い傾向があります。その分、他の職種よりも給料面では恵まれており、年収ベースでは100万円以上高いケースも見られます。
宅配などで活躍する軽貨物ドライバーは、普通免許でも勤務が可能で、勤務時間も固定されていることが多いです。パートやアルバイトで働くことがしやすい職種といえるでしょう。
運行するトラックの種類
トラックの大きさ・種類は、運ぶ荷物によってさまざまです。主に、次の3種類です。
- 小型(積載量2t以下)
- 中型(積載量4tクラス)
- 大型(積載量10tクラス)
運転免許の改正により、普通免許で運転できるトラックの大きさが変更になりました。準中型免許が新設され、免許保有歴に関係なく、18歳以上で取得できる免許です。
準中型自動車免許 | 18歳以上車両総重量3.5t以上7.5t未満最大積載量2t以上4.5t未満 |
中型自動車免許 | 20歳以上・普通免許等保有2年以上車両総重量7.5t以上11t未満最大積載量4.5t以上6.5t未満 |
大型自動車免許 | 21歳以上・普通免許等保有3年以上車両総重量11t以上最大積載量6.5t以上 |
小型のトラックであれば普通免許で運転することができますが、準中型免許や中型免許を持っていないと、積載量4tクラス中型トラックは運転ができません。
トラックの大きさに加えて、荷物の性質・形状でトラックの種類が変わってきます。
平ボディ | 荷台がフラットになっているタイプ・箱などはついていない |
バンボディ | 荷台がアルミ製の箱型のトラック・風雨から荷物を保護することができる・運送業でもっとも利用されている形状 |
保冷車 | 荷台に断熱加工がされているトラック・低温で輸送することができる |
冷凍冷蔵車 | 冷凍・冷蔵装置が付いているトラック・荷台が冷凍庫や冷蔵庫のようになるため生鮮食品や冷凍品の配送が可能 |
ウイングボディ | バンボディの両側が開くトラック・荷物の積み下ろしがしやすい特徴がある |
ダンプ | 荷台の前の部分が持ち上がるトラック・土や砂利などを簡単にすべり降ろすことができる |
トレーラー | 通常のトラックでは運べない大きな荷物やよりたくさんの荷物を運ぶことができるトラック(セミトレーラー・フルトレーラー・特殊トレーラー) |
転職を希望する会社がどんな荷物を運んでいるのか、どんな種類のトラックに乗るのか、きちんと理解した上で応募するようにしましょう。必要があれば、準中型以上の免許を取得することになります。免許取得の支援制度がある会社を選ぶのも一つの方法です。
トラック運転手に転職する際の確認項目②:待遇
「トラック運転手って実際にどのくらい稼げるんだろう」業界未経験の方の場合は、非常に気になるところでしょう。運送業界にはマイナスなイメージもありますが、転職前にきちんと待遇をチェックすることで、しっかりとした会社に勤務することができます。
待遇面でチェックしたいポイントを3つご紹介しましょう。
給与
給与については、転職前にきちんと確認したい最重要項目です。
- 基本給(固定給)
- 残業代・手当(変動給)
- 資格手当
以上の内訳も大切ですが、運送業界にはまだまだ怪しい会社も存在します。
- 給与の支給方法(銀行振り込みでない会社もある!)
- 給与の計算方法(日給月給の会社もあるので注意!)
- 昇給の有無(昇給がまったくない会社もある!)
給与規定がしっかりと定められているかどうか、きちんと確認しましょう。
雇用形態
トラック運転手には、正社員以外にも雇用形態があります。
- パート・アルバイト
- 業務委託
正社員で働く場合は良いですが、会社によってはパート・アルバイトのような条件での採用だったり、業務委託のみの募集であったりするケースがあるので、注意してください。パート・アルバイトや業務委託の場合、正社員と同じ待遇ではないことがほとんどなので、どんな雇用形態で勤務することになるのか、就業規則や雇用契約書を確認することが大切です。
運送会社の中には、雇用契約書や就業規則がなく、「今すぐ働ける」などというブラック企業が存在します。会社として為すべきことをしていないようであれば、どんなに好条件だったとしても、転職先として選ぶことは避けましょう。
福利厚生
福利厚生の充実度もチェックしたいポイントの一つです。給与の額面も大切ですが、福利厚生制度は会社側が従業員のために行っている制度なので、福利厚生が充実していない会社の場合、結果的に従業員が損をしてしまう可能性もあります。
法定福利厚生制度 | 健康保険雇用保険厚生年金保険介護保険労災保険 など |
法定外福利厚生制度 | 通勤手当・住宅手当社宅育児休暇・介護休暇の設置疾病見舞金・弔慰金社内預金制度 など |
法定外福利厚生制度は、企業の規模などによって異なりますが、法定福利厚生制度は企業に義務付けられているものです。法定福利厚生制度を導入していない企業は論外、できる限り法定外福利厚生制度が充実している会社を選びましょう。
トラック運転手に転職する際の確認項目③:会社
【画像③】pixta_36521058_M.jpg
トラック運転手の転職は、勤務する会社によって左右されるといっても過言ではありません。
筆者は元トラックドライバーです。同じ会社の同僚だけではなく、周囲には他の会社の運転手もたくさんいました。そこで感じたことは、会社をきちんと選ばないと、トラック運転手の転職は失敗するということです。情報収集をきちんと行い、会社を見極めるポイントを押さえておきましょう。
求人の掲載頻度
求人の掲載頻度があまりにも多い会社は避けてください。
確かに、運送業界は人手不足に悩まされています。しかし、いつもいつも求人が出ていたり、多くの媒体で頻繁に募集を行っていたりする会社には、社員が定着しない理由があると考えるべきです。
- 仕事がきつい
- 給料と仕事内容が見合わない
- 人間関係が悪い
何らかの理由が原因で、「社員が入社してもすぐに辞める⇒常に募集しないといけない状況になる」という負のスパイラルが生まれている可能性が高いです。「この求人よく出てるな」と感じたら、応募を避けるか、さらなる情報収集をするか、見極めが肝心です。
トラックの状態
面接で会社に行ったり、周辺の道路でトラックを見かけたりすることがあったら、トラックの状態をチェックしてください。明らかに古くてボロボロだったり、社名が消えかけていたりするトラックに乗っているのであれば、その会社への転職は避けた方が無難です。
きちんと整備されていないトラックに乗っているということは、トラックを買い替える資金もなく、整備も疎かになっているということの証拠です。会社自体の経営が危ないといっても良いでしょう。
そんなトラックに乗せられたら、事故や故障の確率が高くなります。被害を受けてしまうこともあるので、極力応募はしないようにしてください。
荷主・取引先
どんな会社と取引をしているのか、荷主や取引先をチェックすることも大切です。
通常の運送会社は、ホームページなどに取引先や荷主の社名が記載されています。荷主によって扱う荷物・乗るトラックの種類・勤務時間・仕事内容が大きく変わるので、次の項目を確認しましょう。
- 何を運ぶのか
- どこまで運ぶのか
- どんなトラックに乗るのか
- 距離はどのくらい走るのか
トラック運転手に転職する際の確認項目④:適性・条件
トラック運転手に転職するためには、適性や条件もあります。どんなことをチェックするのか、3つのポイントを紹介しましょう。
必要な免許・資格
トラック運転手になるために必要な免許や資格は、運転免許だけです。他に必要となる資格はありません。未経験でトラック運転手に転職される方は、普通免許と準中型免許があると、転職の幅が広がります。
業界内での転職の場合は、スキルアップすることも必要です。フォークリフト・玉掛け・危険物取扱者などの資格や、大型・けん引免許の取得をおすすめします。
運転経歴
トラック運転手にとって、免許は生命線です。過去に事故や違反などで免許に傷がついている場合は、運転記録証明書で交通違反や事故の確認をしておきましょう。
運転記録証明書では、過去5年・3年・1年の行政処分・交通違反・交通事故の詳細がわかります。会社から提出を求められる場合もありますが、自分自身の免許の状態を知っておくことも大切です。
※運転記録証明書は、自動車安全運転センターで取得することができます。
既往症の有無
既往症を持っている人は、正直に会社に申告しましょう。症状によってはトラック運転手に就業することが難しいケースもあります。
- 糖尿病
- 心疾患
- 肝硬変
- 高血圧
などは、突発的な発作によって事故を起こす可能性が高くなることが考えられます。
ただし、病歴があっても、継続的に医師の診察を受けていたり、薬を服用することで症状が抑えられていたりするケースもありますので、面接時に状況をしっかりと伝えましょう。ヘルニアなどの場合は、症状の度合いや治療の継続について伝えてください。
初心者でもトラック運転手に転職できる?
「初心者でもトラック運転手に転職できるのか」という不安は、業界初心者の人なら誰でも抱えるものです。
初心者でもトラック運転手になることは可能です。職種によっては普通免許だけで勤務できるケースもありますし、普通自動車の運転に慣れている人なら、2tトラックならすぐに運転ができるでしょう。
ただし、初心者ならではの注意点がありますので、きちんと理解しておくことが大切です。
トラックの運転は慎重に
トラックの運転はくれぐれも慎重に行ってください。一番注意しなければならないのは、運転に慣れた頃です。
最初は皆緊張して、慎重に運転します。しかし、慣れてくるとスピードを出したり、急ハンドルを切ったりするようになるのです。
事故を起こしてしまうと、荷主や取引先に迷惑をかけるだけでなく、自分自身の免許にも傷がつきます。安全に運行をすることを常に心掛けて勤務すれば、初心者の人でも十分転職は可能です。
取得できる免許があれば取得しておく
トラック運転手に転職し、運送業界で長く勤務するのであれば、転職前に取得できる免許を取得しておくことをおすすめします。運送会社の中には、免許の取得支援制度を設けているところがありますので、制度のある会社に転職するのも良いでしょう。
転職時の選択肢は多い方が良いので、特に準中型免許の取得は検討してください。
転職を成功させるために必要な準備
最後に、トラック運転手への転職を成功させるために必要なポイントを紹介します。どれも大切なポイントですので、「こんなはずではなかった……」と後悔することがないようにしっかりと確認してください。
転職の目的を明確にする
どんな転職でも同様ですが、転職の目的を明確にすることはとても大切です。自分は何のために転職をするのか、どんな条件を最優先したいのかを自分なりにピックアップしてください。
- 収入を上げたい
- 車の運転が好きなのでトラックを運転する仕事に就きたい
- スキルアップをしたい
など、転職の目的は人それぞれです。できる限り目的を達成できる条件の会社を選ぶことが転職成功の近道といえるので、自分自身の条件・優先順位を明確にしましょう。
さまざまな媒体で情報収集をする
転職を希望する企業や仕事内容については、さまざまな媒体で情報収集を行いましょう。
- ハローワーク
- Webサイト
- ホームページ
- 会社パンフレット
- フリーペーパー
- 実際の企業訪問
近年では、企業の口コミサイトなども存在します。現役の社員やOB・OGなどの生の声がわかる良い手段の一つです。募集要項に不自然な点はないか、頻繁に募集が出ていないかなど、比較してみることをおすすめします。
転職エージェントを活用する
トラック運転手の業界に精通した転職エージェントを活用することも、転職準備では良い方法です。転職エージェントは、個人の転職活動では得られない多くのメリットがあります。
- 無料で利用できる
- 担当者が企業との調整を行ってくれる
- 内部情報が事前に入手できる
- 転職相談ができる
- 書類作成が簡単にできる
- 条件交渉を代行してくれる
特に未経験の方の場合、情報収集の手段が少なく、よくわからないまま転職活動を続けてしまう傾向があります。転職エージェントを活用することで、転職に関する相談をプロのアドバイザーに行うことができるので、より良い転職ができるでしょう。
まとめ
トラック運転手への転職に欠かせないのは、情報収集です。会社・仕事内容・待遇など、少しでも情報を集めて、選択できるようにすることがポイントになります。
転職のステップは、目的を明確にし、自分の条件に合った企業を探すことから始まるといっても過言ではありません。特に業界未経験の方は、トラック運転手に関する知識を得て、自分の目的が達成できるような会社選びをしましょう。
トラック運転手の仕事には、さまざまな職種があり、選択肢がたくさんあります。より良い転職につなげるために、ぜひ「ドライバーコネクト」にご相談ください。きっと自分に合ったトラック運転手の仕事が見つかるはずです。