【例文】トラックドライバー未経験者の志望動機の書き方は?転職で選ばれるポイント

未経験者の方がトラックドライバーへの転職を検討する理由はさまざまです。ただし、その理由が転職に相応しいと採用担当者に感じてもらうことができなければ、転職が成功することは難しいでしょう。

そこで今回は、運送業界未経験者の方向けに、転職時に書くべき志望動機についてくわしく解説します。採用担当者の着眼点や、実際の例文なども紹介するので、ぜひ参考にしてください。

採用担当者はトラックドライバーの志望動機のどこを見ている?

採用担当者は、未経験者が応募をした場合、経験者のケースとは違った着眼点で書類選考を行います。面接にたどり着く前に、書類選考ではじかれてしまっては元も子もありません。

採用担当者は志望動機のどんな点をみているのでしょうか?

運送会社で実際に採用を担当している方へのインタビューをもとに、3つの着眼点をご紹介します。

※お話を伺ったのは…中堅の運送会社で人事を担当しているKさんです。筆者がトラックドライバー時代にお世話になった方で、30年近く採用活動に関わっています。

運送業界への誤解や思い込みはないか

Kさん「未経験の方の場合は、運送業界への誤解や間違った思い込みがないかを確認します。

よくあるのが、トラック運転手はものすごく稼げるという誤解です。未経験の方が運送業界に飛び込んだところで、ベテランドライバーと同じ稼ぎをたたき出すことは不可能です。

希望の年収などがあまりにも現実とかけ離れている場合は、難しいなと思います。面接で確認できる場合はまだ良いですが、大量募集のときなどは書類選考でおしまいということになります。」

運送業界が未経験の方にとって、得られる情報は限られています。ただし、しっかりとしたエビデンスのある情報をリサーチしていくことで、誤解や間違った思い込みは正されていくものです。

「未経験の方に必要なのはリサーチ力」。Kさんは、応募者がどのくらい真剣にリサーチを行ったのか、志望動機にブレはないかという点も見ているそうです。

長く働いてくれそうか

Kさん「採用担当としては、長く働いて欲しいので、志望動機と併せて職歴も見ますね。あまりにも転職の多い人や短期間で転職を繰り返している人は、用心してしまうのが現実です。

最近多いのは、ネットで調べられる志望動機をそのまま書いている人です。あまりにも理路整然としていて、他の記載事項とマッチしないんです。たとえば、短期間で前職を辞めているはずなのに、「〇〇で得た経験を活かし」なんて書いてある。

何かを参考にすることは悪くないですが、真剣さが伝わりません。本当に未経験で運送業界に勤務したいのなら、知らないことを不安に思っていろいろ調べることが普通です。

長く働いてくれる人は、やっぱり真面目な人です。転職に真摯に向き合っているかどうか、志望動機を見ればだいたいわかるものです。」

採用活動は、企業にとっても時間やコストをかけて行うものです。あまりにも早期離職が続いてしまうようであれば、その分企業や採用担当者には負担がかかることになります。長く働いてくれる人を見抜く志望動機のポイントは、オリジナリティだとKさんは話していました。

トラックドライバーの適性があるか

Kさん「未経験の方は特に、トラックドライバーの適性があるかどうかを見ます。

志望動機は、履歴書の中で唯一‟作文”のような、自分の考えを述べなければならない箇所です。なぜトラックドライバーに転職したいのか、その理由から適性を見抜きたいと思って見ています。

‟作文”ですから、応募者の人柄が出るんです。一生懸命取り組める人か、安易な方法に逃げる人か、労を惜しまない人か、面倒臭がりの人か。怖いくらいわかりますよ。」

トラックドライバーは向き・不向きがハッキリしている仕事です。特に向いていない未経験の方が就職してしまったら、ストレスが溜まり、長く勤務することは難しくなります。採用担当者はそれがわかっているからこそ、志望動機からも適性を見抜こうとしているのですね。

※Kさんへの面接に関するインタビュー記事も併せて確認してみてください!

トラックドライバー未経験者が受かる志望動機のポイント

運送業は、未経験の方でも転職できる業界です。未経験だからといって不利になることはありませんが、業界を知らないからこそ、志望動機が重要視される傾向にあります。

未経験の方が書類選考に受かるためには、どういったポイントに注意すべきなのでしょうか?

運送業界で活かせる資格や経験はあるか

運送業界で活かせる資格や経験があれば、大いにアピールしましょう。たとえば、

  • 学生時代に引越し業者のアルバイトをしていた
  • 前職の倉庫業でフォークリフトの免許を取得した
  • 危険物取扱者・玉掛け作業者などの資格を保有している
  • 準中型免許を取得した
  • 前職で毎日車を運転していた

など、未経験でも運送業界で活かせる資格や経験はあります。自分の経歴を棚卸しして、運送業界に関係するものがあれば、ピックアップして記載することがポイントです。

なぜトラックドライバーへ転職したいのか

未経験であるのに、なぜトラックドライバーへ転職したいのか、その理由を具体的に書きましょう。「御社の社風に~」など、通り一遍の曖昧な理由は、もっとも避けるべきです。

  • 体力に自信があり以前から憧れていたトラックの運転手になりたいと思った
  • お客様とのコミュニケーションを通して感謝される仕事だと思った
  • 元々車の運転が好きで営業車で運転をしていたが、トラックの運転手になってみたいと考えた

など、より具体的な理由を書くようにしてください。収入面での希望が合致したなどでもOKです。採用担当者が想像できるような具体性が重要なポイントです。

どんな理由でこの会社に入りたいのか

前出のKさんは、「数ある会社の中から、何でうちの会社を選んだのかを知りたいと思う。」と教えてくださいました。

確かに、運送会社はたくさんあります。その中でどんな理由から応募をしようと思ったのかを書くこともポイントになります。

Kさん「ウソっぽい内容はすぐにバレる。拙い表現でも正直に書いてくれる方が、好感が持てます。給料や福利厚生っていう条件面でも良いし、運転が好き・体力に自信があるっていうトラック運転手の適性でも良い。中には家が近いとか、実際にうちの運転手と接して感じが良かったからなんていう人もいる。それでも、コピペみたいな内容よりはマシです。」

応募しようと思ったきっかけを、正直に書くことがポイントのようです。かっこつけてそれらしいことを書いても、百戦錬磨の担当者には通用しないのですね。

【例文】トラックドライバー未経験者の志望動機

Kさんいわく、「志望動機は履歴書の中で唯一の作文」です。転職経験の多い方なら、ある程度慣れている部分もありますが、転職に慣れていない方の場合は、どんな風に書いたら良いのか、一番悩む部分でもあるでしょう。

そこで、運送業界へ未経験で挑戦する方のアピールポイントを踏まえて、3つのパターンの例文をご紹介します。

※コピペOKですが、くれぐれもそのまま使用することは避けてくださいね。

コミュニケーションスキルをアピールする場合

【例文】

トラック運転手の仕事は、一人でいる時間が長いと言われますが、お客様や取引先の方への言葉遣いや、感じが良いと思われる態度といった①コミュニケーション能力が必要であると感じています。

現在は営業職に就いておりますが、コミュニケーション能力と②運転が好きということには自信があります。

もともと車の運転が好きで、過去に③事故や違反の経歴はありません。未経験ではありますが、④さまざまなことを勉強し、一人前のドライバーを目指したいと考えております。

  • ①トラックドライバーにコミュニケーション能力が必要だということが理解できています。それを自分の経験に活かして、良いアピールになっています。
  • ②トラックドライバーの適性について、リサーチができていることがわかります。トラックドライバーにもっとも必要なことがアピールできています。
  • ③採用担当者が着目しているポイントの一つです。近年では運転経歴証明書の提出が必須になってきていることもあるので、重要なアピールポイントになります。
  • ④未経験者ならではのやる気や素直さが表現できています。

前職までの経験をアピールする場合

【例文】

私は現在、倉庫業で仕分けを担当しています。

配送部門のドライバーと接することが多く、トラックでの配送業務に興味を持ったため、求人に応募しました。

現在の仕事ではトラックに積むための荷物を仕分けるのですが、②どのようにすればトラックへの積み込みや配送がスムーズにできるのかを考えて行います。トラックの運転経験はありませんが、③フォークリフトによる積み込み業務を行っていたため、作業に関しては自信があります。

  • ①応募するきっかけとなった事柄を具体的に書いているので、わかりやすくオリジナリティの高い内容になっています。
  • ②トラックドライバーの仕事に関連する経験をアピールできています。即戦力であることがきちんと伝えられています。
  • ③トラックドライバーに活かせる資格を持っていることはとても有利です。そして経験を積んで自信を持てているという熱意も伝えられているのでなおOK。

前向きな姿勢をアピールする場合

【例文】

現在販売関係の仕事に就いていますが、①自分の強みは前向き思考なことだと感じています。

接客業は人相手の仕事なので、ネガティブな場面に出会うこともあります。しかしそんなときに感情に流されず、笑顔で明るくハキハキと接客することを心がけ、②コミュニケーション能力が鍛えられたと思っています。

これまでの経験や積極性を活かして、未経験の仕事ではありますが、③熱意をもって取り組みたいです。

  • ①ストレートなアピールが新鮮で、わかりやすいのがOKです。前向き思考であることの例も具体的に挙げられているので、十分な自己PRができています。
  • ②トラックドライバーにコミュニケーション能力が必要であることが理解できていることがわかります。
  • ③未経験の仕事に積極的に取り組む姿勢がアピールできています。未経験であるからこその強みが活かされています。

まとめ

トラックドライバーは未経験の方でも挑戦できる仕事です。ただし、未経験だからこそ、経験者よりも情報収集を徹底して行い、仕事内容や特性を理解した上で、応募先を選択することがポイントです。

未経験者の志望動機で注意しなければいけないことは、具体性を持たせること・ポジティブな内容であること・自分の長所をアピールすることの3点です。

なかなか情報収集が思うように進まない、志望動機のアピールポイントがわからないという人は、転職エージェントを活用しましょう。 当サイト「ドライバーコネクト」では、運送業界に精通した専任のスタッフが、手厚いサポートで転職の成功をフォローします。プロの手を借りて、少しでも自分のイメージした転職に近づけるように頑張りましょう。