目次
ルート配送に関する基礎知識
そもそもルート配送とはどのような仕事なのか、給料はどのくらいなのかなど、ルート配送に関する基礎知識をご紹介しましょう。
ルート配送の仕事内容
ルート配送とは、決められた配送先に荷物を運ぶ仕事です。他の職種との大きな違いは、荷物の内容・荷主・配送先が決まっていること。
走行する距離は短距離〜中距離が多く、長距離はほとんどありません。ルート配送には、下記のような業務があります。
- コンビニエンスストアやホームセンターへの商品配送
- 物流センター間の商品輸送
- 個人宅への商品や食材の配達
- 病院へ薬剤などの配達
- 店舗への商品配送(酒・おしぼりなど)
- 自動販売機の補充(点検も含む)
ルート配送の特徴は、走るルートや配送先を覚えてしまえばほとんど変わることがないことです。
荷主や配送先の担当者との接点も多く、営業活動を任されるケースがあることも他の職種との違いといえるでしょう。
ルート配送の平均給与はどのくらい?
ルート配送にもさまざまな職種があるため、ルート配送としての給与相場を出すのは難しいものがあります。
職種(一般) | 2019年・固定給(円) | 2019年・変動給(円) | 小計(円) |
---|---|---|---|
男性運転者平均 | 178,600 | 157,100 | 335,700 |
男性・けん引運転者 | 203,100 | 180,400 | 383,500 |
男性・大型運転者 | 177,900 | 178,100 | 356,000 |
男性・中型運転者 | 155,300 | 127,500 | 282,800 |
男性・準中型運転者 | 178,000 | 106,900 | 284,900 |
男性・普通運転者 | 196,000 | 86,000 | 282,000 |
女性運転者平均 | 160,300 | 114,100 | 274,400 |
女性・けん引運転者 | 203,500 | 144,800 | 348,300 |
女性・大型運転者 | 163,800 | 156,400 | 320,200 |
女性・中型運転者 | 137,800 | 109,900 | 247,700 |
女性・準中型運転者 | 164,600 | 126,600 | 291,200 |
女性・普通運転者 | 176,500 | 39,700 | 216,200 |
参考:「2019年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」について | 全日本トラック協会
上記の一覧表は、トラック運転手の平均賃金です。
ルート配送は普通〜準中型のトラックで配送することが多く、男性運転者の場合は全体の平均賃金よりも15%ほど賃金が安くなっているのがわかります。
ルート配送は残業時間が少ないというメリットもありますが、変動給の割合が多いトラック運転手の場合は、給料が少ないというデメリットにつながってしまうこともあります。
ルート配送のメリット・デメリット
ルート配送の仕事をするためには、職種特有のメリット・デメリットを知っておくことが必要です。
ルート配送の仕事にはどのようなメリット・デメリットがあるのかをご紹介しましょう。
ルート配送のメリット
ルート配送のメリットを一覧表でわかりやすくピックアップします。
長時間の荷待ちがない | ・製品や荷物が出来上がるまで待たされることが少ない |
休日がしっかりとれる | ・休日出勤はほとんどない ・シフト制のため決められた休日はしっかりと休める |
給料が安定している | ・変動給の割合が少ない ・基本給が高めに設定されていることが多い |
残業が少ない | ・オンオフの切り替えがしっかりできる ・予定が立てやすい |
勤務形態が豊富 | ・自分の好きな勤務形態が選べる ・正社員だけではなくアルバイト・パート・契約なども可 |
ルート配送は運送業界未経験者にとっては、非常に挑戦しやすい仕事です。
残業の少なさやシフト制の勤務はプライベートとの両立もしやすく、勤務形態も豊富なためさまざまな条件の人が働ける間口の広い仕事といえるでしょう。
ルート配送のデメリット
メリットの多いルート配送の仕事ですが、反面デメリットが存在することも理解しておく必要があります。
ルーティンワークになる | ・仕事内容に変化がない |
運送業界では給料が安い | ・変動給に該当する残業代などが少ない ・稼ぎたい人にとってはデメリットとなる |
スキルアップがしにくい | ・さまざまな荷役作業を経験できない ・同じ経験を繰り返すことが特徴 |
急な休みがとりにくい | ・自分の固定ルートの場合は代わりの人を見つけにくい ・人手不足で代替要員を確保できない |
勤務時間帯が不規則 | ・早朝や深夜の時間帯の仕事が多い |
ルート配送の仕事は、同じ荷主から同じ配送先へ荷物を配送する仕事です。
変化が少なくルーティンワークになりがちなので、飽きっぽい人や変化を求める人にとっては大きなデメリットとなるでしょう。
転職前のチェックポイント★ルート配送にあなたは向いている?
ルート配送は向き不向きがハッキリとした仕事です。自分がルート配送に向いた資質を持っているのかをきちんと確認しないと、転職後にストレスフルの状態になりかねません。
自分はルート配送に向いているのかどうかを見極めるチェックポイントをご紹介しましょう。
車の運転が好き
車の運転が好きなことは、ルート配送の適性の最低条件です。ルート配送の仕事は、荷物の配送のため、一般の人よりも長時間車を運転することになります。
運転が嫌い・苦手という人の場合は、ルート配送の仕事が苦痛に感じてしまうでしょう。車の運転が好きで苦にならないという人は、ルート配送の仕事に向いています。
ルーティンワークが苦にならない
ルーティンワークが苦にならないことも、チェックポイントの一つです。ルート配送の仕事は、運送業界の中でも単純作業になりがちな職種のため、決まった仕事を繰り返し行うことが嫌にならない資質が必要になります。
働く時間帯によっては他の人との接点も少なくなり、コミュニケーションによる気分転換ができないことも…。ルーティンワークの方が気が楽!と思える人は、ルート配送の仕事に向いています。
体力に自信がある
ルート配送の仕事は、不規則な時間帯に働くこともあるため、体力に自信のある人の方が長く勤務できるでしょう。同じルート配送でも、重い商品を運ぶことが多い場合は、とても体力を使います。
また長い時間注意力をフルに使って運転するのは、思ったより疲れるものです。体力の有無だけではなく、体調管理をしっかりできることもポイントになるでしょう。
決まった時間で働きたい
トラック運転手の仕事は、残業を強いられることが多いですが、ルート配送の仕事は他の運転手に比べると決められた時間内で仕事を終えやすい仕事です。そのため決まった時間で働きたいという人には、非常におすすめといえます。
反対に歩合給などでガンガン稼ぎたいという人には向いていません。自分がどんな働き方をしたいのかを明確にし、稼ぎよりも時間を優先するという人は、ルート配送の仕事に向いているでしょう。
人と違った時間で働くことに抵抗がない
ルート配送の仕事にはさまざまな種類があるので、勤務時間も変則的になることがあります。夜間や早朝・土日祝日・年末年始など、人と違った時間に働かなければいけないことも少なくありません。
人と違った時間に働くことに抵抗がない人であれば、ルート配送の仕事を長く続けることができます。
責任感がある
責任感がある人は、ルート配送の仕事に向いています。ルート配送の仕事は、自分が与えられた業務を時間通り・安全に遂行することが条件だからです。
人材不足が問題となっている今、代替要員を確保することは難しく、自己管理を徹底した上で働くことが求められています。仕事に対する責任感をしっかりと持って勤務できる人が望ましいです。
長距離の運転より慣れた地域で働きたい
運転は好きだけれど、長距離の運転が苦手・知らない土地の運転は不安だという人は、ルート配送に向いています。ルート配送の仕事は、基本的に長距離の運転になることは少ないです。
工事や渋滞などで長時間の運転になることはありますが、基本的に走る距離は短めで、慣れた地域で働くことができます。知らない道を走りたくない・長距離の運転は避けたいという人には、向いている職種といえるでしょう。
運送業界の経験がないもしくは少ない
ルート配送の仕事は、運送業界の経験がない人・経験の少ない人にも向いています。勤務する会社にもよりますが、4t車くらいまでの車両で行う仕事が多く、中には普通免許でできる仕事もあります。
大型免許を取得していないなど、運送業界未経験の人や経験の少ない人には向いている職種です。
こんな人は考え直して!ルート配送には向いていない人の特徴
ルート配送には向いていない人の特徴もあります。少しでも当てはまる人は考え直した方が良い…という特徴を3つご紹介しましょう。
稼ぎたい人
トラック運転手として稼ぎたい人は、ルート配送には向いていません。特に今の仕事よりも収入を上げたいと考えている場合は、別の職種で検討をするべきです。
ルート配送の仕事は、定期的かつ安定した職種というメリットがありますが、他のトラック運転手のように多くの残業代や歩合給が支給されることが少ないのが特徴。
決まった給料以外の手当等が少ない分、収入がアップする可能性は少なく、稼ぎたいという人には不向きな仕事です。
そもそも運転が苦手or好きじゃない人
そもそも運転が苦手・好きじゃないという人は、ルート配送の仕事は避けましょう。走行距離が短〜中距離とはいっても、毎日必ず車を運転して荷物を運ぶことがメインの仕事になるからです。
運転が苦手な人は事故を起こす確率も高くなり、運転が嫌いな人は仕事自体が嫌になってしまう可能性があります。
単純作業に飽きてしまう人
単純作業に飽きてしまう人は、ルート配送には向いていません。ルート配送は決まった配送先に荷物を運ぶ仕事だからです。
ルート配送の特徴は毎日同じ道を走り、同じ配送先にものを運ぶというルーティンワークになりがちなこと。変化を求める人・物事に飽きやすい人もルート配送の仕事は避けるべきです。
ルート配送への転職に関するQ&A
運送業界の経験がない人にとって、ルート配送の仕事に対する疑問は多くあるはずです。ここではルート配送の仕事に関するよくある質問をまとめましたので、参考にしてください。
ルート配送は正社員じゃないと働けない?
ルート配送の勤務形態は複数あるので、正社員じゃないと働けないということはありません。アルバイト・パート・契約社員・業務委託など、会社によって勤務形態はさまざまです。
自分の希望する勤務形態を明確にした上で、条件の合致する企業へ応募をすることができます。
運送業界未経験でも転職できる?
未経験者でも転職は可能です。ただし注意したいのは、業務に必要な運転免許を取得しているかということ。
AT限定の普通免許だけでは、仕事の選択肢が非常に狭まります。希望する企業の条件をしっかりと確認し、必須となる免許を取得していれば、運送業界の勤務経験がなくても全く問題はありません。
学歴や年齢の基準はある?
会社にもよりますが、ほとんどの場合学歴や年齢は関係ありません。ただし運転免許を持っていることが条件なので、18歳以上が一般的です。
学歴は全く関係ありませんが、中には『高卒以上』などと応募要項に書かれている企業もあるので、応募時に確認しましょう。
ルート配送の仕事はきつい?
決して楽な仕事ではありませんので、きつくないと言えばウソになります。筆者はコンビニのルート配送経験者ですが、長距離・引越し・宅配などとは違ったきつさがあります。
- トラックの乗り降りが多いこと
- 駐車場にトラックを停めるスペースのないコンビニが多かったこと
- 時間に追われること
実際に働いてみないとわからなかったこともありますが、長距離の経験が長かった筆者にとっては、きつい仕事の部類に入ります。
きつい仕事ではありますがやりがいはあるため、ただきついだけとは言えない仕事です。
ルート配送の会社はどう見つけるのか?
ルート配送の会社をどう見つければ良いのかわからないという人は、運送業界に精通した転職エージェントを利用しましょう。転職エージェントは、転職に関する下記のサポートを無料で行ってくれます。
- 手続きの代行
- 非公開求人の紹介
- 面接対策
- 交渉の代行
- 転職に関する相談
特に運送業界未経験の方には、転職エージェントがおすすめです。ルート配送をやりたいという明確な目標があれば、適切なサポートが受けられますので、積極的に利用してください。
まとめ
ルート配送は、他のトラック運転手の仕事とは異なる点が多く、適性にも違いがあります。しかし、特殊な免許が必要な仕事ばかりではないので、未経験の方や女性の方でも挑戦しやすい職種です。
安定性ではピカイチのルート配送は、エッセンシャルワーカーとして社会生活に欠かせない仕事といえます。
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