目次
トラック運転手に起こりがちな健康トラブルとは?
トラック運転手には、仕事の特性上で起こりがちな健康トラブルがあります。
主にどんなトラブルを引き起こしやすいのか、5つのケースをご紹介しましょう。
腰痛
腰痛はトラック運転手の職業病ともいえる症状の1つです。
重い荷物を持つことだけではなく、運転で長時間座っている姿勢を続けていることも原因といわれています。
腰痛を防ぐためには
- 無理に重い荷物を持ち上げない
- 重心を下に置く
- 運転中は適度に休憩を取り身体を伸ばす
- 腰痛ベルトを使用する
などが有効です。
筆者は椎間板ヘルニアになり、痛み止めやコルセットを常用していた時期があります。
思うように動けない痛みは、気分的にも落ち込むもの…重たい物を持つことが少ない職種の場合でも、注意が必要です。
痔
長時間座っている姿勢を続けることで、痔に悩まされるトラック運転手も少なくありません。
痔になると排便時の痛みなどが怖くて便秘になりやすくなり、さらに痔の症状が悪化してしまいます。
痔にはいくつかの種類があり、中には医療機関での処置が必要なこともあるので、自覚症状が現れたら早めに対処することがポイントです。
筆者の同僚には痔の症状を抱える人が少なくありませんでした。
特に長距離ドライバーたちの症状がひどく、手術をした人もいます。
市販薬を使用しても改善が見られない場合は、早めに医療機関へ受診することをおすすめします。
虫歯
トラック運転手の健康面で意外な盲点となるのが虫歯です。
特に宿泊を伴う長距離ドライバーの場合は、虫歯のリスクが高くなります。
筆者の同僚には歯科検診を受けず、虫歯がどんどん進行し、痛み止めが効かない状態にまで陥った人がいました。
一度虫歯が痛み出すと、耐え難い痛みに襲われることもあり、症状が進行すればするほど治療に時間がかかることに…。
時間を作って定期的に検診を受けること・できる限り食事ごとに歯磨きをすることが大切です。
視力
ドライバーにとって視力はとても重要です。
視力が低下すると、最悪の場合免許の更新ができなくなる可能性も否定できません。
特に夜間~朝方に運転をする場合は、非常に見えにくくなるため、視力が悪いと疲れが増してしまいます。
老眼・乱視の場合も、視力検査ではあまり問題がないので見落としがちですが、近くがぼやけて見えにくかったり、眼精疲労が酷くなることもあるのです。
他のトラブルと同じく、物の見え方に違和感や異変を感じたら、眼科医の検診を受けてください。
眼鏡やコンタクトレンズ等を使用することで、症状が改善されることもあります。
胃腸の不調
トラック運転手が悩まされることが多い症状のひとつに、胃腸の不調が挙げられます。
トラック運転手の仕事はゆっくりと食事の時間を取れることが少ないため、短時間で詰め込むような食事をすることがあります。
よく噛まずに飲み込むことで胃の負担が大きくなり、胃痛や胸やけを起こすのです。
筆者の同僚で多かったのが、逆流性食道炎と便秘でした。
市販薬で対処している人が多かったものの、中には医療機関で処方された薬を飲んでいたり、定期的に検査へ通っている人もいました。
胃腸は一度トラブルを引き起こすと、長く悩まされることが多いものです。
市販薬を飲み続けなければいけないほど症状が長引く場合は、医療機関を受診しましょう。
トラック運転手に健康管理が必要な理由
日頃の健康管理が大事なのは、トラック運転手だけではありません。
しかしなぜトラック運転手は健康管理が不可欠だと言われるのでしょうか?
考えられる原因を3つまとめてみます。
一人で仕事をすることが多い=異常時の発見が遅れる
トラック運転手は、基本的に一人で仕事をする時間が長いのが特徴です。
荷降ろしや積み込みなどの場合は周囲に人がいることもありますが、運転中は一人。
万が一身体に異常が起きた場合でも、発見が遅れることが考えられます。
急なトラブルは防ぎきれないこともありますが、日頃から健康管理を行い、検診を受けていれば避けられることも少なくありません。
一人の時間が長く、異常時の発見が遅れてしまうのはトラック運転手の仕事の特徴といえるので、注意が必要です。
大きな事故につながる可能性が高い
トラック運転手の健康トラブルは、大きな事故につながる可能性が高くなります。
記憶に新しいのは、病気が原因で意識を失い、人身事故を起こしてしまったトラック運転手のニュースです。
車を運転している以上、事故を起こせば自分だけではなく周囲にも被害が及ぶのは想像に難くありません。
特に高速道路を利用しているときの事故は、目を覆いたくなるような悲惨な事故になるでしょう。
身体に痛みや違和感があると、運転に集中できなくなります。
一般の人よりも長い時間・長い距離を運転するトラック運転手は、職業運転手としての自覚を持たなければいけないのです。
仕事が継続できなくなる
トラック運転手が深刻な健康トラブルを引き起こしてしまうと、最悪の場合仕事が継続できなくなることがあります。
筆者の同僚にも、身体を壊して退職した人間は数人ではとどまりません。
中には退職だけではなく、日常生活に支障を来した人もいます。
その人はトラック運転手の仕事が大好きだったのですが、腰痛が悪化してしまい、長時間立っていることや座っていることもできなくなったと言っていました。
家の階段を登ることも難しく、劇的な改善を望むこともできないため、どうしていいかわからないと途方に暮れていた姿を覚えています。
仕事ができなくなるような状態になる前に、何かしらの対処をしておくべきだったと後悔しても、そうなってからでは時すでに遅しなのです。
こんな症状がある人は要注意!受診すべきチェックポイント
筆者は医療従事者ではないため、医療面からのくわしいことはわかりません。
しかし、トラック運転手を続けていたときに周囲に身体を壊した人・身体の異変で事故を起こしかけた人がいました。
彼らの行動を日頃見てきた人間の一人として、どんな症状があったら注意しなければいけないのか、3つのケースをご紹介します。
常に眠い
きちんと寝ているはずなのに、常に眠いと感じる人は、医療機関への受診をおすすめします。
筆者の同僚Kさんは、1日7時間の睡眠をとっているにもかかわらず、昼間の運転中に強烈な眠気を感じることがあったそうです。
あまりにも眠気が酷いので、かかりつけ医に相談したところ、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあると診断されました。
寝ている時間は確保されていても、要はきちんと睡眠がとれている状態とはかけ離れていたということです。
Kさんのかかりつけ医によれば、寝ているはずなのに眠くなるというのは、何らかの健康トラブルがあるとのこと。
しっかり睡眠をとっているのに常に眠い…という人は、医療機関へ相談してみてください。
薬が手放せない
筆者の先輩にあたるSさんは、男性であるにも関わらずかわいらしいポーチを持っている人でした。
何が入っているのかを聞いてみると、市販薬だったのです。
それも胃腸薬と痛み止め。
何かしらの症状が出ているとのことで、常に市販薬を服用していました。
その後Sさんは病院にかかったところ、薬の飲みすぎによる健康被害が確認されました。
自己判断で薬を飲み続けてしまったことが原因だったようです。
常に薬が手放せないような症状がある場合は、すぐに医療機関を受診するべきです。
身体のどこかに痛み・違和感がある
身体のどこかに痛みや違和感がある場合も、放置してしまうのは非常に危険です。
筆者が忘れられないのは、先輩女性運転手のNさんのこと。
Nさんは左胸の痛みを覚えることがあって、息が苦しくなったり、左側の肩が重くなったりすることがありました。
雑談の中でも「もう年だからね」「身体も疲れてくるんだよ」などと話していましたが、このときNさんはまだ40代。
病院嫌いのNさんは健康診断で異常がないことをいいことに、検査を受けることをしませんでした。
約1年後、Nさんは自宅で亡くなりました。
死因は急性心筋梗塞…ご家族によると、生前にNさんが言っていた違和感や痛みは、心筋梗塞の前触れだったそうです。
痛みや違和感は身体からのSOSと捉えて、早めに対処することが肝心だと思い知らされた出来事でした。
トラック運転手が健康管理で注意したいポイント
トラック運転手が健康管理で注意したいポイントをピックアップします。
日頃からできることばかりですので、ぜひ心に留めておいてください。
しっかりと睡眠をとる
睡眠不足は、思っているよりもさまざまな不調を招く原因になります。
集中力・判断力の低下だけではなく、イライラすることでストレスを抱えてしまうことも少なくありません。
疲れを感じたらすぐに休憩を取るなど、自分で意識的に睡眠不足を解消するように気を付ける必要があります。
運転中に強い眠気を感じるようであれば、睡眠不足の可能性がありますので、意識的に仮眠を取るようにしましょう。
バランスの良い食生活を心がける
トラック運転手はバランスの良い食生活も非常に大切です。
カロリーの高いものばかりを食べてしまったり、時間がないから…と偏った食事を続けたりするのはできる限り避けましょう。
野菜を食べるように気を付ける・ジャンクフードばかりを食べない・間食の内容を考えるなど、できる範囲で注意しなければいけません。
忙しい中でもできることはあります。
自分の健康を守るためには、バランスの良い食生活を心がけましょう。
禁酒・禁煙に努める
禁酒・禁煙に努めることも健康管理のうちの一つです。
トラック運転手は比較的喫煙率が高く、お酒が好きという人も多いですが、健康を害する要素であることを忘れないでください。
お酒はアルコールチェックなどがあるため、よほどのことがない限り深酒をしないというケースが多いですが、煙草もお酒も依存性が認められているものです。
筆者の現役時代は、『煙草は眠気覚ましに良い』という都市伝説のようなジンクスがありましたが、本当に眠い時は煙草を吸っても眠気は覚めません。
お酒も煙草も度を越えれば健康に良くありませんので、ほどほどに。
ストレスを溜めない
ストレスは自分で思っているよりも身体に影響があります。
筆者の同僚には、胃痛で受診したらストレス性胃炎と言われた人、がんの手術後に「ストレスが一番良くないからストレスを溜めないように」と言われた人などがいました。
二人とも大事には至りませんでしたが、確かに具合悪くなる前はストレスをものすごく感じていたとのこと。
どんな仕事でもストレスのない仕事はないでしょう。
仕事だけではなくプライベートでもストレスがかかる可能性はあります。
自分にとってのストレス解消法を見つけて、上手にストレスをコントロールすることが大切です。
きちんと休みが取れないなら転職を検討する
トラック運転手にとっての休息は、安全運転の源といっても過言ではありません。
中には法令遵守も何のその…ブラック企業と言いたくなるようなキツいスケジュールを組んでくる会社も存在します。
法令に則った休みがきちんと取れないようであれば、転職を検討することも一つの方法です。
トラック運転手は楽な仕事ではありませんが、決してブラック企業の台頭を許しているわけではありません。
筆者の勤務していた運送会社は、コンプライアンス重視の会社だったので、きちんと休みも取れたし、不当に安い給料を設定することもありませんでした。
次の会社をしっかりと見極める目を持ち、勇気を出して転職を検討することも視野に入れてみてください。
まとめ
トラック運転手にとって健康管理は不可欠です。
定期健康診断で異常がなかったとしても、自分なりに違和感を覚えたり気になる痛みがあったりする場合は、面倒臭がらずに医療機関を受診するようにしましょう。
また日頃からちょっとした注意をはらうことで、健康被害を防げることもあります。
トラック運転手は身体が資本!
安全かつ健康に勤務ができるよう心がけてみてください。
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