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トラック運転手に必要な免許と取得条件
トラック運転手になるために必要な免許にはどのようなものがあるのでしょうか？必須免許となる普通自動車免許をはじめ、さまざまな業界で活躍できる免許と取得方法を紹介しましょう。
普通自動車免許
トラック運転手になるには、普通運転免許が必須になります。
| 条件 | 満18歳以上片眼で0.3以上・両眼で0.7以上赤・青・黄色の3色が識別できること一般的な日本語の読み書き・内容の理解ができること自動車の運転に支障を及ぼす身体障害がないこと10メートルの距離で90デシベルの警音器の音が聞こえること |
| 取得方法 | 公安委員会指定の自動車教習所へ入校 卒業後、試験場で適性検査・学科試験を受験 |
| 運転できる車両 | ①2007年6月～2017年3月11日までに免許を取得した方 車両総重量：5t未満最大積載量：3t未満 ②2017年3月12日以降に免許を取得した方 車両総重量：3.5t未満最大積載量：2t未満 |
普通運転免許は18歳以上であれば取得できる免許で、早ければ高校在学中に取得することも可能です。高校を卒業してすぐに働きたいという場合は、在学中に免許を取得し、車の運転に慣れておくことがポイントです。
準中型自動車免許
準中型免許は2017年の道路交通法改正で新設された免許です。
| 条件 | 18歳以上 |
| 取得方法 | 公安委員会指定の自動車教習所へ入校 （技能教習41時限・学科教習27時限） 卒業後、試験場で適性検査・学科試験を受験 |
| 運転できる車両 | 車両総重量3.5t以上7.5t未満最大積載量2t以上4.5t未満 |
18歳以上であれば、運転経験の有無に関係なく取得できる免許となっており、普通免許を取得していなくてもOKであることが特徴といえるでしょう。トラック運転手で頑張りたいと考えている人は、普通免許ではなく準中型免許を取得した方が費用的にも安く抑えることができます。
中型自動車免許
中型免許を取得していると、運送業界でも選択肢が一気に広がります。
| 条件 | 20歳以上普通免許等保有2年以上 |
| 取得方法 | 指定自動車教習所へ通って技能卒業検定に合格する運転免許試験場で技能試験を直接受験する |
| 運転できる車両 | 車両総重量7.5t以上11t未満最大積載量4.5t以上6.5t未満 |
中型免許は20歳以上、普通免許等の保有2年以上という条件があります。異業種からの転職で、20歳以上・保有歴2年以上という方は持っていると良い免許です。
また、業界内で転職を検討している方も、中型免許を持っていることで、給与面のアップできる可能性が高くなるでしょう。
大型自動車免許
運送業界で長く働くのであれば、大型免許はぜひ取得して欲しい免許です。
| 条件 | 21歳以上普通免許等保有3年以上 |
| 取得方法 | 指定自動車教習所へ通って技能卒業検定に合格する運転免許試験場で技能試験を直接受験する |
| 運転できる車両 | 車両総重量11t以上最大積載量6.5t以上 |
条件として21歳以上、普通免許保有3年以上という縛りがあるので、18歳で免許を取ったとしても21歳での取得が最速です。
大型免許は業界内でも需要が高く、さまざまな業種で活躍することができます。普通・準中型・中型と比べて、給与面でも大きくアップしますので、将来的に取得することを視野に入れておくと良いでしょう。
けん引免許
けん引免許は、トレーラーやキャリアカーなどの特殊車両を運転するのに必要な免許です。
| 条件 | 満21歳以上普通運転免許の経験3年以上片眼で0.5以上、両眼で0.8以上の視力があること（眼鏡・コンタクト可）深視力検査3回の平均誤差が20mm以内であること |
| 取得方法 | 自動車教習所へ入校⇒卒業 運転免許センターで適性検査（学科・実技免除） |
| 運転できる車両 | トレーラー |
高度な運転技術を必要とする免許のため、他の免許よりも取得条件が細かく設定されています。
けん引免許は、付随的な免許です。普通・準中型・中型・大型など、運転する車両に応じた運転免許を取得していることが必須になります。
トラック運転手に有利な免許・資格
トラック運転手になるには、運転免許は必須です。運転免許以外にも、トラック運転手の仕事において、持っていると有利な免許や資格があります。
どんな免許や資格があるのか、代表的な3つの免許・資格を紹介しましょう。
フォークリフト運転技能者
フォークリフトは、荷物の積み降ろしで利用するもので、通常の運転免許だけでは操縦することができません。重量のある荷物や大きさのある荷物などを運ぶ仕事では、必須の資格になります。
| 条件 | 18歳以上 |
| 取得方法 | フォークリフト運転特別教育の受講 （各事業所で実施） フォークリフト運転技能講習の受講 （各都道府県の労働局長に登録を受けた教習所で実施） |
フォークリフトを操縦するには、2つの取得方法があります。
- 最大積載荷重1t超：都道府県登録教習機関での「フォークリフト運転技能講習」
- 最大積載荷重1t未満：都道府県登録教習機関での「フォークリフト運転特別教育」
どちらも講習を受講し修了する必要がありますが、比較的取得しやすい資格といえるでしょう。
玉掛け作業者
玉掛け作業者とは、クレーンに荷物をかけたり外したりする作業を行う人のことです。この作業も資格を保有していないとできない業務なので、玉掛け作業者の資格を持っていると、運送業界では非常に重宝されます。
| 条件 | 満18歳以上 |
| 取得方法 | 玉掛け技能講習または玉掛け特別教育の受講・修了 |
トラック運転手の職種では、家具・ピアノ・大型家電などの搬送や、工事現場への資材搬入などに必要な資格です。
危険物取扱者
化学物質やガソリン・灯油などを輸送するには、運転免許にプラスして危険物取扱者の資格が必要になります。
| 受験資格（甲種） | 乙種危険物取扱者免状を有する者大学などで化学に関する学科などを修めて卒業した者大学などで15単位以上化学に関する授業科目を修得して卒業した者化学に関する学科または課程の修士・博士の学位を有する者 |
| 取得方法 | 危険物取扱者試験に合格する定められた期間ごとに危険物取扱者保安講習を受ける必要あり |
危険物取扱者は、次の3種類があります。
- 甲種
- 乙種
- 丙種
トラック運転手でタンクローリーなどを運転するには、乙種4類の取得が適していますが、運搬する物によって必要な種類が変わるので注意しましょう。
トラック運転手になるための免許取得方法
トラック運転手になりたいけれど、免許を取得するには費用がかかるから……と諦めてしまっている方に朗報です！トラック運転手になるために、免許の取得を支援してくれる制度があることをご存知でしょうか？
未経験・異業種からの転職の場合は、特に充実した制度があります。ぜひ活用できるよう、情報として知っておいてください。
未経験・異業種からの転職の場合
未経験・異業種からの転職の場合は、資格取得支援制度を活用することができます。運送業界は深刻な人手不足の状態が続いているため、少しでも人材を確保することを目的として実施されている制度です。
大型・中型などの免許取得費用の全額または一部を会社が補助するというもので、多くの会社が制度の導入を行っています。注意したいのは、各会社によって条件が設定されていることです。
- 免許取得後〇年は勤務すること
- 自費で取得した後に会社から支給する
- 取得後に毎月の給料から天引きする（貸与扱い）
など、条件はさまざまです。全額支給で行っているのかどうか、制度導入の有無だけではなく、詳しい内容を必ず確認しましょう。
他職種からの転職の場合
同じトラック運転手の他職種から転職をする場合は、未経験の方とは異なる免許取得支援制度を導入している会社があります。大手の会社に多く見られますが、大型車両やけん引をメインで運行している会社の場合は、免許の取得を支援する制度として導入していることが多いです。
筆者の勤務していた会社の場合は、次のような条件がありました。
- 費用は全額会社負担
- 免許取得後3年間は継続勤務をすること
- 3年以内に退職した場合は全額返金
免許取得支援制度最大のメリットは、働きながら免許が取れるということです。シフトの調整なども含めて会社が支援してくれるため、収入が滞ることがありません。
転職者だけではなく、同じ会社でもキャリアアップを望む人が利用できる制度なので、ぜひ利用を検討しましょう。
トラック運転手になるなら大型免許取得がおすすめ！その理由とは？
「トラック運転手になりたい」「運送業界で活躍したい」という方には、ぜひ大型免許を取得して欲しいと思います。大型免許を持っていることで、有利になる理由を3つ紹介しましょう。
幅広い需要がある
運送業界において、大型免許の保有者は幅広い需要があります。一度に多くの荷物を運べるため、どんな業種でも必要とされるのです。
土砂などを運搬するダンプ、商品を配送するセンター間輸送など、物流会社・産業廃棄物回収業者・建設会社・食品関係等さまざまな仕事があります。けん引免許を合わせて取得することで、タンクローリーやキャリアカーなど、特殊車両を運行することも可能です。
業界や職種を限定せず幅広い需要があることは、転職者にとって大きな強みとなります。
給料が上がる
運送業界で給料を比較すると、大型運転手の給料が高いことがわかります。
| 職種（一般） | 2019年・平均賃金（円） | 2018年・平均賃金（円） |
| 男性運転者平均 | 335,700 | 338,500 |
| 男性・けん引運転者 | 383,500 | 391,500 |
| 男性・大型運転者 | 356,000 | 355,100 |
| 男性・中型運転者 | 282,800 | 297,100 |
| 男性・準中型運転者 | 284,900 | 294,400 |
| 男性・普通運転者 | 282,000 | 294,400 |
| 女性運転者平均 | 274,400 | 294,700 |
| 女性・けん引運転者 | 348,300 | 344,500 |
| 女性・大型運転者 | 320,200 | 316,200 |
| 女性・中型運転者 | 247,700 | 279,000 |
| 女性・準中型運転者 | 291,200 | 281,500 |
| 女性・普通運転者 | 216,200 | 263,100 |
参考：「2019年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」について | 全日本トラック協会
男性・女性共に、中型までの職種と大型・けん引の平均賃金を比べると、断然高くなっています。特に、女性の場合は中型までの平均賃金との差が歴然としており、男性の中型運転者よりも高い賃金となっているのです。
運送業界で給料を上げたいと思ったら、大型免許を取得することが一番の近道といえるかもしれません。
選択肢が広がる
大型免許を取得すると、職を選ぶときの選択肢が大きく広がります。普通・準中型免許だけを所有している場合は、運転できるトラックの大きさも限られるため、仕事も少ない選択肢の中から選ばなくてはなりません。
その点、大型の運転手の場合は条件の良い会社をいくつかピックアップして、比較検討することも十分可能です。
筆者も、大型免許を取るまでの転職と、大型免許を取ってからの転職では、応募できる運送会社の数が大きく違いました。給与だけではなく、福利厚生制度の充実している会社を選択することができ、選択肢が広がったことを実感しました。
運送業界で長く働きたい、自分の選択肢を広げたいと思うのであれば、大型免許はぜひ取得しておくことをおすすめします。
まとめ
トラック運転手になるには、運転免許は必須となります。運転免許の中でもできれば準中型免許以上の免許を取得することで、自分にとって大きなメリットが生まれるといえるでしょう。
また、フォークリフトや玉掛けの資格は、比較的取得しやすい内容です。運送業に活かせる資格を取得することも、スキルアップには欠かせません。
トラックドライバーの仕事には、さまざまな職種があり、選択肢がたくさんあります。より良い転職につなげるために、ぜひ当サイト「ドライバーコネクト」にご相談ください。 きっと自分に合ったトラックドライバーの仕事が見つかるはずです。