【2022】トラックドライバーの給料はいくらくらい?平均年収&内訳

転職を考えるきっかけとなるのは、給料(待遇)アップを考えたときが多いのではないでしょうか?求人求職情報サービスを提供するエン・ジャパン株式会社が10,000人に調査したところによると、転職希望者全体の43%が『給与の低さを理由に転職を考えた』と回答しています。

トラックドライバーへの転職を検討する場合は、給料はいくらくらいなのか、平均年収はどのくらいになるのかをリサーチした上で、現職との比較を行わなければいけません。そこで今回は、トラックドライバーに転職を考えている方に向けて、トラックドライバーの給料面に関する詳細な情報を紹介します。

トラックドライバーの平均給与はいくら?

トラックドライバーに転職を考えたとき、一番気になるのはやはり待遇(=給料)ではないでしょうか?「トラックドライバーは大変な仕事だから今よりも給料は良いはず」「トラックドライバーに転職して平均年収を今よりもアップさせたい!」と思われる方も多いはずです。

2019年に全日本トラック協会が行った調査結果を基に、トラックドライバーの平均賃金(給料)について解説します。

職種(一般)2019年・平均賃金(円)2018年・平均賃金(円)対前年比(%)
男性運転者平均335,700338,50099.2
男性・けん引運転者383,500391,50098.0
男性・大型運転者356,000355,100100.3
男性・中型運転者282,800297,10095.2
男性・準中型運転者284,900294,40096.8
男性・普通運転者282,000294,40095.8
女性運転者平均274,400294,70093.1
女性・けん引運転者348,300344,500101.1
女性・大型運転者320,200316,200101.3
女性・中型運転者247,700279,00088.8
女性・準中型運転者291,200281,500103.4
女性・普通運転者216,200263,10082.2

参考:「2019年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」について | 全日本トラック協会

この調査結果を見ると、同じトラックドライバーでも職種によって給料(賃金)が異なることがわかります。やはり免許が必要になるけん引・大型のトラックドライバーは、平均を上回る給料を得ており、年収に換算すると他職種よりも100万円以上多くなる計算です。

女性ドライバーよりも男性ドライバーの方が給料は高いですが、女性の中では男性と同じようにけん引・大型の給料が50,000円以上高くなっていることも特徴といえるでしょう。

トラックドライバー・給料の内訳は?

トラックドライバーは、業種や事業内容によって、運転するトラックの大きさが変わります。また、同じ大きさのトラックでも、走行する距離によって長距離・中距離・地場に分けられ、それぞれの給料は異なってきます。

各職種のドライバーが、どのような内訳で給料をもらっているのか、固定給・変動給に分けて平均値を見てみましょう。

職種(一般)2019年・固定給(円)2019年・変動給(円)小計(円)
男性運転者平均178,600157,100335,700
男性・けん引運転者203,100180,400383,500
男性・大型運転者177,900178,100356,000
男性・中型運転者155,300127,500282,800
男性・準中型運転者178,000106,900284,900
男性・普通運転者196,00086,000282,000
女性運転者平均160,300114,100274,400
女性・けん引運転者203,500144,800348,300
女性・大型運転者163,800156,400320,200
女性・中型運転者137,800109,900247,700
女性・準中型運転者164,600126,600291,200
女性・普通運転者176,50039,700216,200

参考:「2019年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」について | 全日本トラック協会

特筆すべきは、変動給の割合の多さです。トラック運転手の仕事で特徴的なのは、時間外労働が多いこと。思わぬ渋滞や事故などのために、大幅に勤務時間をオーバーしてしまうことがあるからです。

男女ともに普通運転者を除いては、小計の50%近くが変動給となっていて、歩合給や時間外手当の占める割合が非常に高い結果となっています。

トラックドライバー・業種別の給料

トラックドライバーは、勤務する会社によっても給与体系が異なります。運転するトラックの大きさ・走行距離・業務内容が違うためです。

厚生労働省が発表した令和2年賃金構造基本統計調査の平均年収を基に、業種別に解説します。

運送・物流会社

運送・物流会社の平均年収は380~390万円です。運送・物流会社は、トラックドライバーの王道といった業務内容です。

大型トラックやトレーラーで大きな荷物や重い資材などを運びます。長距離の運行になるケースもあり、固定給よりも変動給が多くなることが特徴です。

宅配会社

宅配会社の平均年収は370万円です。宅配会社は大手の企業が多く、セールスドライバーと呼ばれて配達だけではなく集荷をしなければならないことがあります。

トラックドライバー+営業マンといった業務内容になります。ECサイトの需要が急増したことで、深刻な人手不足に悩んでいるのが現況です。

引越会社

引越会社の平均年収は375万円です。

引越会社の特徴は、繁忙期と閑散期の差が大きいことです。繁忙期には1日に何件もの引越を行わなければならないこともあります。走行する距離やトラックの大きさはお客様次第です。

トラックドライバーで給料を上げる方法

トラックドライバーの給料を上げる手段は、大きく2つあります。

同じドライバーだったら、少しでも給料が高い方が良いというのが本音でしょう。どんな方法で給料を上げることができるのか、その方法を紹介します。

資格を取得する

トラックドライバーの給料を上げる方法は、資格を取得することです。トラックドライバーになるには、運転免許が必須ですが、運転免許以外にも取得することで給料がアップする資格があります。

①二種免許・けん引免許の取得

条件満21歳以上普通運転免許の経験3年以上片眼で0.5以上両眼で0.8以上の視力があること(眼鏡・コンタクト可)深視力検査3回の平均誤差が20mm以内であること
取得方法自動車教習所へ入校⇒卒業 運転免許センターで適性検査(学科・実技免除)
運転できる車両トレーラー路線バス30人以上乗れる観光用バス

②運行管理者の資格取得

1・国家試験に合格する1年以上の実務経験を積んでいること実務経験と同等の講習を修了していること「貨物」と「旅客」の2種類の試験がある
2・一定の条件を満たす5年以上の実務経験があること基礎講習や一般講習を5回以上受けていること5回以上の講習のうち少なくとも1回は基礎講習を受講していること

③玉掛技能者の資格取得

年齢制限18歳以上
取得方法一般社団法人労働技能講習協会の講習を受講

以上のような資格を取得することで、手当がついたり、好条件の企業へ転職することが可能になったります。

大手の運送会社に転職する

大手の運送会社に転職することも、給料をアップさせる方法の一つです。大手の運送会社に勤務するメリットは次のとおりです。

  • 経営が安定している(倒産のリスクが低い)
  • 基本給が高いケースが多い
  • 福利厚生制度が充実している
  • 仕事量が安定している
  • 労働時間の管理が徹底されている

このように、中小企業にはないメリットがあり、労働環境や条件を加味すると、結果的に収入アップにつながることが多くなります。

中小企業で経験を積んだ人も、異業種から未経験でトラックドライバーに挑戦する人も、大手企業に転職できれば安定した収入を獲得することができるでしょう。

トラックドライバーの給料って本当のところどうなの?

トラックドライバーの給料に関して、さまざまな視点から状況をご紹介してきましたが、実際にトラックドライバーとして働いている人は、どんな仕事をしてどのくらいの給料をもらっているのでしょうか?最後に、実際のトラックドライバーの例を3つ挙げてみましょう。

Aさん・40代・男性・大型ドライバーの例

  • 年収:600万円(賞与・手当含)
  • 勤務している業種:乳製品の輸送(工場~配送センター)
  • 乗車しているトラック:10トン車・トレーラー
  • 勤務している時間帯:15:00~24:00(待機時間含む)
  • 勤続年数:15年
  • 保有免許:フォークリフト・けん引

Aさんは大手食品会社の子会社に当たる運送会社に勤務しています。工場で作られた製品を、各小売業の配送センターに運ぶ仕事です。

およそ片道70~80kmの距離を2運行、セールなどで荷物が多い時にはトレーラーで配送することもあります。トレーラーに乗車したときには手当がつき、終業時間が夜中になるため、夜間手当ももらっています。

手当・賞与などすべて込みの年収は600万円です。

Bさん・30代・女性・4トンドライバーの例

  • 年収:400万円(賞与・手当含)
  • 勤務している業種:ルート配送
  • 乗車しているトラック:4トン車
  • 勤務している時間帯:9:00~17:00(待機時間含む)
  • 勤続年数:6年
  • 保有免許:普通運転免許(改正法施行前に取得)

Bさんは30代後半の女性ドライバーです。4トン車で取引先を回るルート配送を担当しています。

1日の走行距離は約100キロ。神奈川県の会社から都内数か所を回っています。

勤務時間内に仕事が終わることがほとんどで、残業代等はありません。教育制度が充実している会社の制度を利用して、大型免許の取得に向けて教習所に通っています。

Cさん・20代・男性・軽貨物ドライバーの例

  • 年商:450万円
  • 勤務している業種:大手宅配会社
  • 乗車しているトラック:軽貨物(持ち込み)
  • 勤務している時間帯:8:00~20:00(待機時間・再配達時間含む)
  • 勤続年数:7年
  • 保有免許:普通運転免許

Cさんは個人事業主として軽貨物のドライバーで、宅配業務を行っています。大手宅配会社の下請けとして、契約で決められた荷物単価×配達完了個数がCさんの収入となります。

繁忙期と閑散期の差が大きく、繁忙期では1日200個近い荷物を配達するのに対し、閑散期では100個に満たないことがあるため、収入のふり幅が大きいことが特徴です。勤務時間は長いですが、置き配の増加やポスト投函の荷物等もあるため、以前よりは効率良く稼ぐことができています。

まとめ

トラックドライバーの給料は、保有している免許の種類や業種によって差があります。ただし、まったく給料UPが望めないというわけではなく、運送業に活かせる資格や免許を取得することでさらなる好条件を求めることも可能です。

トラックドライバーは働き方にも選択肢があります。

正社員として働くだけではなく、独立し個人事業主として働く方法も一つ。自分のやりたいトラックドライバーを見極めるには、業種・職種・雇用形態をチェックして、最適な企業を選ぶことが大切です。

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【参考】