【体験談】トラック運転手の人間関係は実際どうなの?転職前に知っておきたいポイント

転職するときに悩むことは、転職先の人間関係だという人は少なくありません。特に、前職で人間関係にトラブルを抱えてしまった人などは、これから働く会社や業界の人間関係について知りたいと思うことがあるでしょう。

そこで今回は、トラック運転手への転職を検討している人に向けて、トラック運転手や運送業界ならではの人間関係について紹介します。元トラガールの筆者が、自身の経験や周囲の意見などを含めて詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

トラック運転手の人間関係・特徴は?

トラック運転手の人間関係は、通常のオフィスワークとは異なる点が多くあります。業界未経験の方は、どんな人間関係が築かれているのか知りたいと思うことでしょう。

まずは、トラック運転手ならではの人間関係の特徴を3つ紹介します。

一人の時間が長い

トラック運転手の仕事は、基本的に一人の時間が長い仕事です。荷物の積み降ろし、運転の時間は基本的に一人ですし、事務所や詰所に長時間いるということはほとんどありません。

そのため、同僚や上司と長い時間顔を突き合わせることは少ないので、トラブルは抱えにくいことが特徴です。

筆者の場合、仲間と話をするのは電話がメインでした。荷主や配送先が異なれば、運行時間も違うので、点呼のときにも会う人は限られていました。

新入社員の歓迎会や送別会、花見、納涼会など、社内行事も少なかったため、嫌な上司や気の合わない同僚と顔を合わせる時間はほとんどなかったのです。一人の時間が長い仕事という特徴は、人間関係のトラブルを避ける最大のメリットといえるでしょう。

年齢層が幅広い

トラックの運転手は、年齢層が幅広いです。若い人からベテランの高齢の人まで、さまざまな年代の人が同じ組織に属しています。

オフィスワークと異なるのは、どの年代の人とも付き合う可能性が高いということです。通常の会社であれば、近い世代の人が同僚で、上司や役職者は自分よりも年齢が上ということが一般的かもしれませんが、トラック運転手の場合は少し異なります。

筆者はいくつかの会社を経験しましたが、同僚も上司も、年齢・性別関係なく、幅広い年代の人に囲まれていました。一番面白かったのは、直属の上司が20代、同期入社が60代と50代(当時の筆者は20代)、先輩社員も年上・年下がおり、後輩にも年上の人がいました。

運送業界は転職者も多くいるため、幅広い年齢層だけではなく、さまざまな経験を積んだ人たちが集まります。いろいろな経験談が聞けたり、思わぬエピソードに驚いたりと、楽しい時間を過ごせました。

幅広い年齢層の人が集まっていることが、トラック運転手の人間関係の特徴だといえます。

中には面倒臭い人もいる

どこの組織にもいますよね、面倒臭い人。トラック運転手は比較的サバサバした人間関係を求める人が多いですが、たまに面倒臭い人がいることも事実です。

派閥を作りたがったり、要らぬ権力闘争を仕掛けてみたり……男社会には皆無だと思っていた面倒なことを、筆者も経験しています。ただ、先ほどお伝えしたように、一緒にいる時間は非常に少ないため、周囲に「コイツ面倒臭いな」とレッテルを貼られて終わることが多いです。

ただし、類は友を呼ぶ。そういう面倒臭い人が何人か集まると、さらに面倒臭いトラブルを起こしたがります。これはトラック運転手に限らず、コミュニティがあればどこにでもあることではないでしょうか?

気にせず、自分と気の合う人とだけ付き合うことができるのがトラック運転手のメリットです。面倒臭い人間関係もあるということだけ、心に留めておいてください。

トラック運転手の人間関係のポイント:社内編

トラック運転手の人間関係はやや特殊な部分がありますが、最低限トラブルを起こさないためのポイントがあります。社員数の少ない会社などでは、小さなトラブルが命取りになる可能性もあるため、できる限り注意した方が良いことを紹介しましょう。

同僚

基本的に、同僚と接する時間は長くありません。ただし、荷主や配送先が一緒だったり、長距離の運行で横乗りしたりすることがあり、まったく接触しないというわけではありません。注意したいポイントには、たとえば次のようなことがあります。

  • 挨拶は自分から聞こえるような大きい声で
  • 仕事に関する伝達事項は必ず伝える
  • できるだけ笑顔を心がける

接する時間が短いからこそ、最低限守らなければならないマナーがあるのです。普段コミュニケーションを取らないと、どうしても関係が希薄になり、挨拶すらしないというようなマナー違反が起こりやすくなります。

同じ会社で一緒に仕事をしている仲間だという意識は、常に持って接することを心がけましょう。

配車係

トラック運転手の仕事で、頻繁にコミュニケーションを取るのが配車係です。配車係との人間関係は、トラック運転手の仕事に直結するといっても過言ではありません。

配車係には2つのタイプがいます。

  • 現場からたたき上げた超ベテランの人
  • 現場を知らない管理職気質の人

特に、管理職気質の人は扱いづらいですし、人間関係を築くことも難しいです。

  • 与えられた仕事をミスなくこなす
  • きちんと挨拶をする
  • 配慮をしてくれた時はお礼を伝える

など、悪い印象を与えないようにすることがポイントです。

配車係は、いわば司令塔です。人間関係が悪くなると仕事がしづらくなりますので、もっとも周囲を払わなければいけない存在といえるでしょう。

整備係

トラックの整備をしてくれる整備係の人とも、コミュニケーションを大事にしなければなりません。特に、車のことに疎い人は、整備係の人にいろいろと教えてもらうことが多いです。

筆者は車の運転は好きでしたが、車の構造や仕組みなどはまったくわかりませんでした。「こんな音が聞こえたらすぐに言え」「こういうのは〇〇(故障)の予兆だから気をつけろ」など、事故のない運行ができるようなアドバイスをたくさんもらっていました。

周囲の運転手も含めて気をつけていたことは、きちんとお礼を言うことです。整備の人がきちんと仕事をしてくれることによって、運転手の仕事が支えられているという意識を持つことが当たり前だと教わりました。

同じ運転手ではありませんが、仲間として敬意を払うことはとても大切なポイントです。

トラック運転手の人間関係のポイント:社外編

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トラック運転手の人間関係は、社内だけではありません。社外でも人間関係を構築しなければならないため、注意が必要です。

配送先

配送先はもっとも大切にしなければいけない拠点の一つです。会社の看板を背負って仕事をするので、自分の印象や態度・評価が、イコール会社のイメージに直結します。

愛想がない、感じが悪い、挨拶もしないなど、マイナスのイメージを与えることはできません。社会人として最低限のマナーは必要です。

荷主

会社にとっての取引先に当たる荷主も、重要な人間関係の一つです。配送先と同じく、自分の評価が会社の評価に直結することを心に留めておかなくてはいけません。

職種によっては、一度しか行かない荷主もあります。ただし、リピートする可能性があるかどうかは、運転手の評価が大きく影響するのです。

仕事をしっかりとこなすのは当たり前。会社の看板を背負っていることを忘れず、きちんとした対応が求められます。

他の会社のトラック運転手

トラック運転手の仲間は、同じ会社の運転手だけではありません。近隣の運送会社や、同じ荷主の荷物を運んでいる他の会社のトラック運転手とも、人間関係を築かなくてはならないこともあります。

筆者は、運送会社が多くある地域で勤務していました。昼食時や休憩時に行くコンビニや飲食店などで他の会社の運転手と話すことがよくありました。

他の会社の運転手からは、業界のさまざまな情報を聞くことができます。「〇〇は給料が良い」「××は人使いが荒い」「△△は倒産のうわさがある」など、転職に役立てることができるような情報をたくさん持っているのです。

雑談程度しか話はしませんが、人間関係を構築しても良いケースといえます。

トラック運転手の人間関係のポイント:職種編

トラック運転手にはさまざまな職種があり、仕事内容によって人間関係も変わります。職種ごとの人間関係についてのポイントを紹介しましょう。

ルート配送

ルート配送は、同じ荷主・同じ配送先を担当することの多い仕事です。そのため、トラック運転手の中でも人間関係の構築が多いのが特徴といえるでしょう。

クレームが出れば、担当を変更させられる可能性もあります。悪い印象を与えないようなマナーやルールの徹底が求められる仕事です。

引越し

引越しは運転手の仕事の中でも少々特徴があります。それは、荷主が毎回変わることと、荷主=依頼主が荷物の運び出しや搬入に積極的に関わることです。

引越しにはさまざまなパターンがあります。

  • 就職・進学のための一人暮らし
  • 異動・単身赴任
  • 家族で新居への入居
  • オフィスの移転

など、パターンによって運ぶ荷物の種類や量、走行距離も大きく異なります。特に、新居への入居などの場合は、養生の段階から指定を受けたり、一つひとつの荷物の搬入に注文を受けたりします。

同じ荷物を運ぶ仕事でも気を遣うことが多いため、できる限り良いイメージを与え、スムーズに仕事ができるように心がける必要があります。

宅配

宅配の運転手には、いくつかの種類があります。

  • 荷物をセンターからセンターへ輸送するセンター便
  • 依頼のあった集荷を行う
  • 企業や個口数の多い荷物を扱う
  • 個人宅への配送をメインで行う

他の運転手と同じく、センター便の運転手は一人で仕事をすることが多くなりますが、個人宅や企業への集荷・宅配を行う運転手は、配送先でのイメージが重視されます。

指定時間や置き配場所を守る・荷物の扱いを丁寧にするなどの配慮が当然必要です。感じの良い挨拶ができることも、最低限のマナーといえます。

中~長距離運転手

中~長距離のトラック運転手は、中でも人間関係が少なめな職種です。宅配や引越しほど濃厚な人間関係はありません。ルート配送のように毎日同じ荷主や配送先である可能性も低いです。

ただし、何もしなくて良いというわけではなく、荷主・配送先へのマナーは必要になります。他の会社の運転手と接触が多くなることはあるので、挨拶などはきちんと行うように心がけるべきです。

トラック運転手の人間関係で注意したいこと

他の業界よりも人間関係のトラブルが少ないといわれるトラック運転手ですが、無用なトラブルを避けるためには、気を付けなければいけないポイントがあります。社内・社外・職種に関わらず、業界全体として注意したいことを紹介しましょう。

最低限のマナーは守る

人間関係が少ないからといって、無愛想にして良いということではありません。「挨拶をきちんとする」「御礼を言う」「笑顔を心がける」など、最低限のマナーは守るようにしましょう。

筆者の同僚には『無愛想でも人間的には良い人』という人がたくさんいました。最終的には良い人間関係を築くことができましたが、最初はとっつきが悪く、理解するまでに時間がかかりました。

取引先から注意を受けることもあり、思わぬトラブルに発展するケースもあったのを覚えています。社会人として最低限のマナーを守ることは、運送業界でも大切なことです。

報連相を徹底する

一人で行う仕事の時間が多い職種だからこそ、報連相を徹底することは重要なポイントです。会社への報告はもちろん、荷主からの伝達事項や配送先でのトラブルなどもしっかりと伝えなくてはなりません。

現場に出ていない配車係や整備係などは、報告や相談がなければ対応ができないからです。一人で行う仕事だからこそ、報連相を徹底し、常に風通しの良い環境を作ることもポイントです。

配送先では丁寧な対応を心がける

どんな職種でも、配送先では丁寧な対応を心がけましょう。

以前、宅配ドライバーの乱雑な荷物の扱いがSNSで話題になったことがありました。言語道断な行為ですが、宅配だけに限ったことではないのです。

荷物を汚す・落とす・濡らすなどはもちろん、投げる・蹴るなどは絶対にしてはなりません。納品のサインをもらうときなども、丁寧な挨拶は必要です。

個人宅でも企業でも現場でも、配送先では丁寧な対応をすることを心がけましょう。

まとめ

トラック運転手は、他の業界よりも人間関係の煩わしさがありません。

ただし、最低限のマナーや社会人としてのルールを守ることは大切です。一人でいる時間が長いということは、無愛想にしても良いということにはなりません。

会社の看板を背負って仕事をしていることを忘れずに、無用なトラブルを招かないよう丁寧な対応を心がけることが大切です。

これからトラック運転手への転職を検討している方へ。トラック運転手の仕事には、さまざまな職種があり、選択肢がたくさんあります。人間関係の密度も、職種により異なります。 より良い転職につなげるために、ぜひ当サイト「ドライバーコネクト」にご相談ください。きっと自分の希望に合ったトラック運転手の仕事が見つかるはずです。