【体験談】トラック運転手に休みはない?多い?元ドライバーが実態をQ&A形式で紹介

「トラック運転手は休めない」「寝ないで運転する」「家に帰れない」「仕事はキツイのに稼げない」いつからかトラック運転手の仕事にはマイナスイメージが多くなり、キツくて大変な仕事というイメージばかりが先行しています。

確かに、以前は稼ぐために休まず走るといった運転手がいたことも事実です。しかし、現在は労働環境の改善を国が主導し、きちんと休みながら働くという当たり前のことができるようになっています。

この記事では、トラック運転手への転職を検討している人に向けて、元トラック運転手の筆者が休みに関する実態を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

トラック運転手の休みに関する基礎知識

トラック運転手への転職を考えたときに「きちんと休みが取れるのかどうか」という点は非常に気になりますよね。特に、家族のいる方やプライベートとの両立を重視される方にとっては、死活問題といっても良いかもしれません。

トラック運転手の労働環境は改善されつつあり、以前のような「休めない」「寝られない」「帰れない」といった状況が少しずつ変化しています。2019年に改正された労働基準法も含めて、トラック運転手の休みに関する基礎知識を紹介しましょう。

トラック運転手の休みの実態

トラック運転手の労働時間が長くなる原因は、天候・渋滞などさまざまな理由が考えられますが、もっとも問題視されていたのは荷待ち時間です。

国土交通省が実施した調査によって、次のような実態が報告されています。

  • 荷待ち時間がある運行の平均拘束時間は13.27時間であるのに対し、荷待ち時間のない運行の平均拘束時間は11.34時間
  • 1運行当たりの荷待ち時間は平均時間が1時間45分・2時間超は28.7%
  • 全体の46%の運行には荷待ち時間が発生している

参考:トラック運送業の現状等について|国土交通省

トラックの運転・荷役の時間が長いのではなく、荷待ち時間の長さが長時間労働の原因になっていることがわかりました。特に、長距離のトラック運転手が「休めない」「家に帰れない」となっていた現状も明らかとなり、労働環境の改善に取り組みが始められています。

トラック運転手の休みに関するルール

2019年に改正された労働基準法では、トラック運転手の仕事に関するルールが定められました。

  • 1日の拘束時間は13時間以内が基本・延長する場合でも16時間が限度
  • 1日の休息期間は継続して8時間以上が必要
  • 1日の拘束時間を延長する回数は1週間につき2回が限度

拘束時間とは、始業時間から就業時間までの間の時間のことです。労働時間+休憩時間(仮眠時間)の合計時間を拘束時間としてみなしています。

休息期間とは、前の勤務と次の勤務の間の期間のことで、8時間以上でかつ継続した時間であることが明記されました。

休日に関しては、休息時間+連続して24時間、休日出勤は2週間に1回までというルールも設けられています。休日のルールは30時間を下回ってはいけないことになっているので、規定通りに休日を確保できれば休めないという状態にはなりません。

労働基準法改正で何が変わった?

労働基準法改正で、トラック運転手の休みは何が変わったのでしょうか?

国土交通省の調査では、トラック運転手の年間労働時間は、全産業平均と比較して、大型トラック運転者で約1.22倍、中小型トラック運転者で約1.16倍であることがわかりました。社会生活を支えるトラック運転手の担っている役割は大きく、深刻な人手不足の原因は、過酷な労働環境にあることが明らかになったことで、労働環境の改善が推進されています。

労働基準法の改正で大きく変わった点は、トラック運転手を雇用する運送会社や、荷主に対する行政処分が課されるようになったことです。

乗務時間等告示遵守違反、疾病・疲労等のおそれのある乗務、社会保険等未加入等に対しては、使用停止車両割合を全車両の最大5割に引き上げています。荷主に対しても出荷量の偏りの平準化・入出荷の集約化などに努めるよう、勧告を行っていて、3K(キツい・汚い・危険)から3A(安心・安全・安定)を実現できるような改正内容になっているのです。

トラック運転手の休みに関する素朴なQ&A

未経験でトラック運転手への転職を検討している方は、「トラック運転手の休みに関して本当のところを知りたい」と思われるのではないでしょうか?求人票に書かれている表面的なことではなく、実態を知りたいと思うのは当然です。

そこで、元トラック運転手の筆者が、トラック運転手の休みに関するよくある質問にお答えします。

トラック運転手は休みがないって本当?

違います。休みはちゃんとあります。長距離運転手の場合は、拘束時間が長めになる確率が高いですが、そのぶん次の運行までの休みはきちんと確保されています。

以前は「稼ぎたいのなら走れ」というような、ものすごい風潮があったことは事実です(筆者も20代の若い頃はそんな会社で働いたことがあります)。しかし、現在ではそんなことをすれば運送会社自体にペナルティが課され、監査対象となって処分されてしまうことになるので、無茶苦茶なシフトを組むことはできません。

万が一悪しき習慣を大事に温めているような会社に入ってしまったら、すぐにでも転職することをおすすめします。

トラック運転手に土日休みはある?

土日休みがあるかどうかは、職種によります。トラック運転手はさまざまな業界で活躍している職業なので、荷主=業界が土日休みではないと、確実に土日週休2日という労働条件は難しいです。

特に、コンビニ・ホームセンター・食料品など、消費者の生活に直結している荷主の場合は、土日連続の休みはありませんでした。筆者の友人で土日休みのあったトラック運転手は、建築現場のダンプ・病院へ納品するルート配送の会社ぐらいでした。

運送会社の規模や荷主によって土日休みは可能かもしれませんが、なかなか難しいのが現状といえるでしょう。

しっかり休みが取れるトラック運転手の仕事ってある?

しっかり休みが取れるトラック運転手になりたいのであれば、長距離の仕事を避けることです。移動距離が少なければ、渋滞や天候に左右されることも少なく、勤務時間も安定します。

トラック運転手の仕事でしっかり休みを取ることを希望するのであれば、ルート配送の運転手がおすすめです。移動距離も多くなく、毎日同じ荷主・配送先で固定されていることがほとんどなので、全体の時間が読めます。

大手の運送会社の場合は、交代できるドライバーもいるため、休みは取りやすいといえるでしょう。

トラック運転手の仕事で本当にキツイことって何?

トラック運転手の仕事で本当にキツいと感じることは、人それぞれです。

  • 腕力のない人 ⇒ 荷役作業(荷物の積み降ろし・運搬など)
  • 待つことが嫌いな人 ⇒ 渋滞・荷待ち
  • 布団じゃないと寝られない人 ⇒ 仮眠・車中泊
  • 朝寝坊の人 ⇒ 早起き
  • お酒が好きな人 ⇒ 晩酌ができないこと

筆者の場合は、とにかく運転が好きだったのと、体力には自信があったので、通常の仕事でキツイと思うことはありませんでした。

キツかったという記憶があるのは、1日に3回引越しを担当したときと、エレベーターのない団地の5階に10キロの水を15個配送したときです。さすがに翌日筋肉痛にはなりましたが、仲間と「キツかった!」と愚痴って終わり。

年齢・性別・職種・資質などによってキツイと感じることは異なるので、一概にはいえないというのが本当のところです。

トラック運転手って年末年始も休めないの?

休める人と休めない人がいます。前項でも紹介しましたが、職種や取引先(荷主)によって、休めない人もいるのが現実です。

toBの運送会社であれば、年末の28日頃に荷納めとなり、三が日は稼働しないというケースもありますので、そういった運送会社であれば、年末年始はお休みできます。

難しいのはtoCのケースです。スーパーマーケットでも元旦から営業していたり、コンビニのように年中無休だったりするところは、年末年始は関係ありません。納品が必要になるので、当然仕事になります。

土日祝休み・年末年始休みをしっかりと確保したい人は、業界や転職先を十分に検討しましょう。

トラック運転手って急に休むことは不可能?

トラック運転手も人間です。急に具合が悪くなったり、身内の不幸で休まなければならなかったりすることだってあります。

基本的には、急にお休みが必要になったときは、要相談で休めることがほとんどです。他のドライバーに仕事をお願いしなければならないことや、配送先に了解を得なければならないことなどはありますが、絶対に休めないというわけではありません。

そのために慶弔休暇や有給休暇があるので、普段しっかりと仕事をしていれば問題はないでしょう。

ただし、運転免許以外にも資格が必要な仕事の場合は、同じスキルを持っている同僚がいないと、ちょっと嫌な顔をされてしまうかもしれません。家庭の事情や体調などで、あらかじめ休むことがわかっている場合には、事前に会社に申請しておく方が安心です。

トラック運転手でもきちんと休みが取れる会社の選び方

トラック運転手でもしっかり休みが取れる労働環境になるよう、さまざまな施策が行われていますが、転職者自身が転職先の会社を見極めることも重要なポイントです。

運送業界には、残念ながらブラック企業と呼ばれるような労働条件で社員を雇用するケースも散見されます。「こんなはずじゃなかった」と後悔することのないよう、会社を見極めるポイントを紹介しましょう。

中堅~大手の運送会社を選ぶ

異業種から転職する場合は、中堅~大手の運送会社を選びましょう。

小規模な会社との大きな違いは、従業員数です。定期的な休みを確保するのも、急に休みが必要になった場合に休めるのも、代替の人材がいなければ実現しません。

人材不足が叫ばれている運送業界ですが、中堅~大手の会社はネームバリューもあるため、小規模な運送会社よりは人材が集まりやすくなります。法律の改正による労働条件の整備も進んでいるため、ブラックな状況で働かされる可能性が限りなく低くなることも特徴です。

未経験の方でも「聞いたことがある会社」「何をしているのか知っている会社」を選ぶことがポイントの一つです。

福利厚生制度の充実している会社を選ぶ

転職時は給与面に注視しがちですが、給与の額面と同じくらい福利厚生制度についても整備されている会社を選びましょう。

福利厚生制度は、社員のための制度です。法律で定められている法定福利厚生(社会保険の加入など)以外の、法定外福利厚生と定められている部分に着目してください。

法定外福利厚生制度には、たとえば次のような項目が該当します。

  • 家族手当
  • 住宅手当
  • 交通費
  • 特別休暇
  • 育児手当
  • 資格取得手当

福利厚生制度の充実している会社は、労働環境の整備や従業員・家族の生活の安定などに積極的に取り組んでいます。福利厚生制度の充実している会社は人気があり、人材も集まりやすくなります。

社員が定着しなくなるような労働環境は常に改善していくという姿勢があるため、面接時に福利厚生制度の内容を必ず確認してください。

まとめ

トラック運転手は休めないというイメージは、過去のものになりつつあります。以前は確かに3Kの実態が見受けられましたが、労働基準法の改正によって、トラック運転手の労働環境は変化の兆しを見せています。

仕事内容によっては、土日や年末年始などの休暇をしっかり確保できるケースもあり、家庭や子育てとの両立もできないわけではありません。異業種から未経験で転職を希望される方はできる限り情報収集をし、希望する会社の内情をしっかりとチェックしましょう。

トラックドライバーの仕事には、さまざまな職種があり、選択肢がたくさんあります。より良い転職につなげるために、ぜひ当サイト「ドライバーコネクト」にご相談ください。きっと自分に合ったトラックドライバーの仕事が見つかるはずです。