【体験談】トラックドライバーの「悩み」とは?転職者に届けたい現役ドライバーの声

トラックドライバーの仕事は、決して楽ではありません。やりがいとは別に、身体的・精神的な負担があることも確かです。

しかし、その負担がどのくらいのものなのかを未経験の方が理解することは非常に困難ですし、わからない方が当たり前だといえます。そこで今回は、現役のトラックドライバーにどんな悩みがあるのか、生の声をお届けします。

トラックドライバーの悩み:仕事編

現役ドライバーの悩み、最初は仕事編です。トラックドライバーの仕事をしていく上で、どんな悩みを抱えているのでしょうか?

トイレを借りるコンビニで何か買わなくてはならない

トラックドライバーのネックはトイレです。都心のコンビニは駐車場がなかったり、停めるスペースが確保されていなかったりするのですが、郊外は比較的トラックを停めやすいコンビニが多いのですが……。

  • 「トイレが困る。昔よりはトラックが停められるコンビニが増えたけど、黙ってトイレだけ借りるのが何となく気まずい。」
  • 「コンビニでトイレを借りると、何か買わなきゃいけないような気がする。煙草を吸っていたときは煙草を買ったけど、やめてからは何を買おうか悩む。」

確かに、「トイレ貸してください」と言って、そのまま出てくるのはちょっと気が引けるのも頷けます。タバコやコーヒーなどの嗜好品も、塵も積もれば山となる。トイレのために出費がかさんでしまうのは、悩ましい問題です。

トラックを快適にするには金がかかる

長い時間を過ごすトラック。特に乗り回し(トラックをローテーションで使用すること)ではない場合、トラックのキャビンはもう一つの部屋になります。

  • 「長距離の場合は、いろいろ必要になるんだよね。俺の場合は、冷蔵庫積んでる。冬は毛布とかも必要だし、カーテンやハンドルカバーは必須。仕事に関係するものだけど、会社には請求できないっていう金がかかるよね。」
  • 「うちはトラックをある程度いじっていいんだけど、自腹だからちょっとキツイ。昔は行灯(あんどん・トラックのキャビンの上につける看板灯)なんかも自分で付けてたけど、メンテナンスが大変で取り外したよ。いっそのこと会社がデコトラ禁止にしてくれれば良いのにって思うこともあるよ。」

トラックの装飾は、会社によって禁止されている場合もあります(大手の場合はほとんど禁止のケースが多い)。ただし、キャビンの中は自分なりに工夫をして、長い時間過ごすための準備はある程度必要です。その費用が会社から出ることはほとんどないので、あまりにもこだわってしまうと、ものすごい出費になってしまいます。

人間関係が希薄すぎる

人間関係のゴタゴタが少ないのは、トラックドライバーのメリットでもありますが、中にはあまりにも周囲との関係が希薄だと感じるドライバーもいるようです。

  • 「基本的に一人の仕事なのはわかってるけど、嫌なことがあったときとか、何となく落ち込んでるときには誰かと話せたら良いのになって思うことがある。」
  • 「仲間とスケジュールが違いすぎるから、遊んだり飲みに行ったりできないのは寂しいよね。話すって言っても電話だけでしょ。世間はコロナで変わったっていうけど、俺らはずっとだからね(笑)たまにみんなでのんびり話す時間が欲しいと思うことがあるよ。」

トラックドライバーは、一人の時間がとても長い仕事です。何もなければ良いですが、嫌なことがあって愚痴ったり、くだらない話で笑ったり……そんな時間がないことを寂しいと感じるのは当たり前かもしれません。

トラックドライバーの悩み:身体編

トラックドライバーの仕事は力仕事も多く、長時間座っているため、身体のトラブルを抱えてしまうことも少なくありません。現役ドライバーは、身体的にはどんな悩みを抱えているのでしょうか?

腰痛と痔に悩まされる

トラックドライバーの職業病ともいえる「腰痛」と「痔」。恥ずかしながら、筆者も現役時代は常に腰痛との闘いで、仕事中ギックリ腰になったこともありました。

  • 「俺の仕事は引越しがメインだから、とにかく荷物が重い!冷蔵庫・テレビ・タンス…たまにピアノとかもあるしね。普段は大丈夫だけど、繁忙期はずっと腰が痛い。病院にも何度も行ったけど、腰痛ベルトするくらいしかないんだよね。忙しい時期は休めないから、結構怯えながら仕事してるよ。」
  • 「トラックの運転手になってから、2回も痔の手術をしてます。薬でごまかせるうちは良いんだけど、本当にひどくなると座れなくなっちゃうからね。病院で運転手やってるって言ったら、あ~って。職業病だよね、どうしようもない。」

重たい荷物を持つ・長時間座った姿勢を続けるというのは、トラックドライバーの仕事にはつきものです。個人差はありますが、悩みを抱えている人は案外多いのです。

腕が右腕だけ日焼けしている

俗にいう「運転手焼け」というやつです。

  • 「自分の場合は煙草を吸うので、比較的窓を開けていることが多いんです。暑いとき以外も窓を全開にして、ひじを付くような姿勢になってるから、右腕だけ日焼けしてます(笑)おまけに半袖だから、くっきりTシャツ焼けみたいになってる。普段は気にならないけど、家で風呂に入るときは、ちょっと…と思います。」
  • 「運転手焼けはしょうがないと思うけど、俺は左利きだから、右手に時計をしてて。時計の跡がくっきり残ってるのはすごいよ。何度も時計外して焼き直ししたけどダメ。時計外しても時計してるみたいな腕になってる。」

女性のドライバーの天敵である日焼け。男性も悩んでいるんですね。Tシャツ焼けも厄介ですが、時計の跡がくっきりというのは、確かに悩みになるかもしれません。

夏場は何度か熱中症になる

トラックドライバーが熱中症になりやすいタイミングは、荷物の積み降ろしのときです。

  • 「コンテナから荷物を手降ろしすることがあります。夏場は何度か熱中症っぽくなって、頭がぼうっとしたり、気持ち悪くなったりしますね。水分や塩分を摂るようにはしてるけど、汗をかく量が半端じゃないから、しょうがないのかなって思ってます。」
  • 「自分は夜間の配送がメインだから、あまり気にしてなかったけど、ここ数年夜でも気温が下がらないときは、ちょっと熱中症みたいになることがありました。去年、配送先で調子悪くなって、夜中に救急車で搬送されて。病院で言われたのが熱中症でした。入院こそしなかったけど、何本も点滴打たれて、日給よりも高い医療費を払う羽目になりました。」

職種によっては、荷物を手積み手降ろしすることもあります。夏の暑い時期だけじゃなく、湿気の多い梅雨時にも注意が必要です。

トラックドライバーの悩み:プライベート編

最後は、プライベートな悩み編です。仕事だけではなく、トラックドライバーならではのプライベートな悩みを紹介しましょう。

家に帰ると居場所がない

忙しくて家にいないことが多いトラックドライバー。家族の協力あっての仕事ですが、中にはいないことを前提にされてしまっているケースもあります。

  • 「家に居場所がありません(笑)ほとんど家にいないし、しょうがないとは思うんだけど、4人家族なのに、ソファーは3人掛け。ベッドも自分だけ違う部屋で、子どもとカミさんは同じ部屋で寝てる。下の子がまだ小さいから、休みの日ぐらい一緒に遊んだりしたいんだけど、懐いてないんですよね…父親なのに。」
  • 「俺が家にいると、嫁の機嫌が悪い(笑)子ども達と嫁だけの生活に慣れちゃって、俺がいることで生活のペースが乱されるって言われたことがあります。別に仲が悪いわけじゃないんだけど、家に居場所がなくて、パチンコに行っちゃったりするから、それもダメなのかな。」

家族のために一生懸命働いてるんです……。でも、筆者もトラックドライバーの妻としては、急に帰ってこられたり、休みの日にリビングでゴロゴロされたりするとちょっと……です。

私服がない

トラックドライバーあるあるの一つかもしれない、私服がない案件。これは頷ける人が多い悩みではないでしょうか?

  • 「ほとんど仕事着ばっかりなので、私服がありませんね。作業着と礼服はある(笑)困るのが子どもの学校行事のときや、ちょっとしたお出かけのとき。まさか部屋着で行くわけにもいかないし、年頃の娘にもっとちゃんとした格好しろって言われます。でもあんまり必要性を感じないんですよね。」
  • 「私は長距離の運転手なので、ほとんど私服を着るタイミングがありません。欲しいとは思うけど、なかなか着るタイミングもないし、休みの日は出かけるよりたまった家事を片づけるので精いっぱいです。仕事中に付けられるピアスとかは買うけど、私服はあまりないですね。」

男性も女性も、私服を活用するタイミングがないということでしょうか。興味はあってもなかなか着るタイミングがなければ、優先順位は下がってしまうのかもしれません。

子どもの学校行事に参加できない

子どもの学校行事に参加できないのは、トラックドライバーだけじゃなくて、他の職業の人も同じなのでは?

  • 「うちの会社は休みがローテーションなので、週末休みのこともあれば、平日休みになることもあります。子どもの学校では、土日週休2日の人が基準なのか(笑)、父親参観や運動会などは必ず土曜日にやるんです。休みなら絶対に行くけど、仕事だったら行けないでしょ?土曜日休みってあまりないので、学校の考え方を変えてくれないと、ずっと行事には参加できないでしょうね。」

そうなんですよね……なぜか親も参加する学校行事って土曜日が多いんです。まるで世の中のお父さんが全員土曜日休みだと言わんばかりに。土曜日も一生懸命働いているお父さんもたくさんいるんですよと言いたくなりますね。

トラックドライバーの悩みは解決できる?

トラックドライバーの悩みは、多岐にわたります。結果的には、解決できる悩みとできない悩みがあるのではないでしょうか?

仕事に関係する悩みの場合、転職をして環境を変えない限り、解決することは難しいです。プライベートな悩みについては、相手もある話なので、コミュニケーションを取ったり、仕事内容をきちんと理解してもらったりすることで、解決できる悩みもあるでしょう。

どの悩みも、トラックドライバーの仕事を一生懸命しているからこそ、抱えてしまうものが多いのです。トラックドライバーの仕事のメリットが、ときに悩みの種になることもあるのですね。

まとめ

現役トラックドライバーの生の声はいかがだったでしょうか?年齢や経験に関係なく、仕事にやりがいを感じながらも悩んでいるというのが正直な印象でした。

トラックドライバーの仕事には、多くの職種があります。あまりにも悩みが多い場合は、自分に合った職種を見つけて、転職するという方法もあるのかもしれません。未経験で転職を検討している方は、現役ドライバーの生の声を参考に、情報収集をたくさん行いましょう。

転職エージェントを利用するのも、有効な手段の一つです。「ドライバーコネクト」では、運送業界に精通した専任のスタッフが手厚いサポートで転職をフォローします。未経験の方も、経験を積まれている方も、自分に合ったトラックドライバーの仕事に出会えると良いですね!