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トラックドライバーがきついと言われる理由
トラックドライバーの仕事がきついといわれる理由は何なのでしょうか?
ネガティブなイメージが先行している傾向もありますが、確かにきついと思う実態もあります。トラックドライバーの仕事がきついといわれる理由を3つ紹介しましょう。
労働時間が長い
労働時間が長い……これは長距離のドライバーなどに該当する理由です。
確かに、9時~5時のホワイトカラーの仕事に比べたら、労働時間は長めかもしれません。
ただし、現在は労働基準法の改正によって、無茶苦茶なシフトは組めなくなっています。会社側も罰則があるため、従業員に長時間労働を強制することはできません。長時間の運行にならないよう、休日や拘束時間などの規定がきっちりと決められているのです。
事故・渋滞・通行止めなど、思わぬ事態で残業が多くなることもありますが、これは他の仕事でも忙しくて残業になるということはあるはずです。
運転する時間・休憩時間・荷待ちの時間・荷降ろしの時間……すべてをひっくるめると、9時5時の仕事よりは長いと思われがちなのが理由なのかもしれません。
力仕事
荷物の積み込みや荷降ろしが力仕事だからきついというのも理由のひとつです。ただし、これはドライバーの職種によるものです。本当にきついのは、引越し・宅配など手積み手降ろしのドライバーです。
筆者は乳製品を配送するトラックに乗っていたことがありますが、液体はきつかったです。
給食用の瓶入り牛乳は、1ケース20kg。それを50ケース以上運んで降ろすのは大変でした。
パック入りのジュースも1ケース5kgもあり、ベンダーに300ケース以上納品するため、すべてトラックから手降ろしで冷蔵庫に運んでいました。
筆者の友人にはダンプに乗っている人がいましたが、彼女はまったく力仕事はなく、機械の操作だけでした。基本的に土砂などは現場の人が積んでくれ、降ろすのも機械の操作だけで、自分が力仕事をすることはないと言っていました。
同じトラックドライバーという括りでも、仕事の内容によっては、力仕事はないのです。選ぶ職種さえ間違えなければ、力仕事できついということはありません。
不規則な生活
家に帰れない・休む時間もない・常に寝不足。トラックドライバーは不規則な生活を強いられるというイメージも、きついと思われる理由でしょう。トラックドライバーは夜間や休日も仕事があるケースが多く、一般的な会社員の人とはリズムが異なります。
ただ、毎日のリズムができてしまえば、それほどきついと感じることはありません。昼夜逆転の仕事は確かに大変ですが、トラックドライバーに限ったことではなく、他の業界でもあり得るのではないでしょうか?
長時間運転をするのは、長距離のドライバーです。地場で活躍するルート配送や宅配などは、勤務時間がきちんと決められていますし、長距離のドライバーだって休みがないわけではありません。
「カレンダー通りの休日がない」「寝る時間が周囲の人とずれることがある」という程度なので、敬遠されるほど不規則な生活ではないのが実態です。
トラックドライバーはきついけど楽しい!元トラガールが語るメリット
筆者はトラックドライバーの仕事が大好きでした。家族の介護が理由でトラックを降りてしまいましたが、今でも天職だったと思っています。
そんな筆者がトラックドライバーのメリットを、体験談を交えてご紹介します。
好きな運転で給料がもらえる
運転が好きな人は、好きなことを仕事にしてお給料がもらえます!「とにかくハンドルを握っている時間が好き」「車が好き」という人には、たまらない仕事です。
一つの会社に長く勤めるのも良いですが、職種を変えて、さまざまなトラックに乗ることができるのも、運送業界のメリットといえるでしょう。
トラックの運転経験は、転職時にとても有利です。年齢・性別に関係なく、ずっと運送業界で働き続けることができるので、運転好きの人にはものすごいメリットがあります。
面倒な人付き合いがない
派閥・お局・イジメ……こういった特に女性の職場に多い面倒な人付き合いがないこともメリットです。以前は女性ドライバーが少なかったので、男尊女卑のオジサマ達に嫌味を言われたりもしましたが、女性の進出も目覚ましくなった今となっては、そんな古いことも言えないでしょう。
トラックドライバーは、基本的に一人の時間が長いです。荷主さんや配送先の担当者と話すことはあっても、密な人間関係ではありません。
仮に嫌なヤツがいたとしても、四六時中顔を合わせるわけではないので、ちょっとの時間だけ我慢すればOK!普通の会社にありがちな面倒な人付き合いを、最小限に抑えることができる仕事です。
スキルアップができる
トラックドライバーは、働きながらスキルアップができるメリットもあります。
筆者も入社時は普通免許しか持っていなかったので4t車までしか乗れませんでしたが、大型免許取得の支援制度を利用して、大型免許を取得することができました。スキルアップができれば、当然給料もアップし、転職にも有利になります。
筆者の同僚には、現場だけではなく、運行管理者になる人もいました。会社によっては一定期間の勤務を条件として、取得費用を負担してくれるケースもあります。好きな仕事をしながらスキルアップができるというのは、なかなかないメリットです。
さまざまなところへ行ける
日本全国津々浦々、長距離のドライバーは色々なところへ行くことができます。もちろん旅行で行くことも可能ですが、高速代・燃料代がタダで行けるのは魅力ではないでしょうか?
時間があれば、各地の名産品を食べたり、お土産を買ったりすることもできます。さまざまな景色を楽しみながら、ドライブ気分で仕事ができるなんて最高です!
ドライバー同士の情報網はすごい
ドライバー同士の情報網はすごいのです。
- 〇〇(運送会社)はヤバい ⇒ 1ヶ月後に倒産した
- △△は給料だけじゃなく働きやすい ⇒ 実際に転職した人が多くいた
- ☆☆(メーカー)の◇◇(製品)は良い ⇒ 本当に使いやすかった
など、仕事の合間に交わされる情報はたくさんあって、かなり信ぴょう性の高いものが多いのです。
「転職したい」というと、さまざまな会社の情報が入ってきて、求人票やネットでは絶対にわからない真の情報を掴めることもあります。
車中泊に必要なグッズやご飯の美味しいお店、流行っている歌など、さまざまな年代の人がいるからこそ、本当に多方面の情報が入ってくるのです。仕事に活かせること、プライベートに活かせることなど、知識をつけることができるメリットもあります。
【番外編】無理なくダイエットもできた!
番外編ですが、トラックドライバーの仕事は無理なくダイエットもできます。
筆者はトラックドライバーを続けている間、体重管理は一切しませんでした。好きな物を食べ、よく眠り、運動らしい運動をすることもありませんでしたが、常にダイエットをしているような状態で、標準体重を上回ることがなかったのです。
筆者は元々太りやすい体質なので、学生時代から食べるものや運動には気を付けていました。トラックドライバーの仕事で適度に体を動かしていたことが良かったのかもしれません。
同僚の男性は、入社時はちょっとぽっちゃりした体型でしたが、日に日に筋肉マッチョになり「腹筋が割れた~!」と喜んでいました。運転で座っている時間も長いですが、職種によってはダイエットまでできてしまう可能性もあります。
これはきつかった!トラックドライバーの仕事で大変だったこと
トラックドライバーの仕事が大好きだった筆者ですが、中には本当にきつかった経験もあります。どんなことがきつかったのか、体験談を紹介しましょう。
腰痛との闘い
腰痛はトラックドライバーの職業病です。重いものを運んだり、長時間座っていたりと腰に負担をかけることが多いからでしょう。
筆者の周囲にも腰痛持ちのドライバーは多くいました。ただ、本当にきつかったのはギックリ腰になってしまったときです。
配送先で荷台から荷物を引っ張ろうとしたときに‟ピキッ”ときてしまい、動けなくなってしまいました。同僚に迎えに来てもらい(近場で良かった!)、配送先の人に荷降ろしを手伝ってもらい、1週間ほど不自由な生活を強いられました。
20年近いドライバー歴でギックリ腰は1回でしたが、その後もコルセットは手放せず、SAやPAでストレッチすることが欠かせなくなりました。一度腰を痛めてしまうと「きついなぁ」と思うことが増えたのは事実です。
引越しの繁忙期
引越しの繁忙期の忙しさはものすごいです。個人宅だけではなく、オフィスの引越しなども重なるため、非常にきつい思いをしました。
引越しは、基本的に手積み手降ろしです。段ボールを果てしなく運び、机、テレビ、ベッド、冷蔵庫、洗濯機……など、重いんです、どれも。
エレベーターのあるマンションは超ラッキー、階段で5階までとか、道が狭くて路地からずっと運ぶとか、さまざまなきついシチュエーションがありました。
さらに、繁忙期の運行は1回で終わりではありません。近場の場合は3回戦、単身者だけの場合は4回戦以上なんていう日もあったくらいです。引越しはヘルプで行っていたのですが、同じドライバーでもこんなに違うんだと痛感したきつい体験でした。
納期の短い長距離運行
長距離なのはわかっているのに、納期が短い運行はきつかったです。今ではそんな無謀なスケジュールはないかもしれませんが、筆者が長距離ドライバーだったときは何度かありました。
帰りはのんびりでも、行きは納品を間に合わせるのに必死です。栄養ドリンクを飲んだり、眠くならないガムを噛んだりして運転した覚えがあります。
基本的に運転が好きだったので、それほどきついとは感じなかったのですが、帰ってきてから疲れがドッと出て、泥のように眠りました。今思うと「きつかったなぁ」「よくやったなぁ」と思います。
延々と続く事故渋滞
こればかりはどうしようもないのですが、事故です!事故が起これば、当然渋滞します。
高速道路の場合は通行止めになって、立ち往生することも少なくありません。お盆や年末年始、連休など、ある程度予測できる渋滞は回避のしようがありますが、事故渋滞ばかりはまったく読めません。雪の中で燃料も少ないのに事故で通行止めになったときは、本当にきつかったです。
また、高速の出口やPA・SAのないところで、事故渋滞に2時間近くハマったときは、トイレに困りました。あまりにも延々と事故渋滞が続くと、心が折れそうになります。
トラックドライバーのきつさを知った上での転職のポイント
会社のことを徹底的に調べる
応募する会社のことを徹底的に調べましょう。特に、運送業界未経験の方は、必ず情報収集を行ってください。
可能であれば、実際に会社を見に行っても良いでしょう。求人票だけではなく、ネットでの口コミなど、生の情報を参考にすることをおすすめします。
時間をかけて、さまざまな方法でじっくりと情報収集をしてください。
求人がいつも出ている会社は避ける
いつも求人が出ている会社は避けましょう。
社員が足りない ⇒ いつも求人を出して募集している ⇒ 入社してもすぐに辞めてしまう ⇒ また求人を出す羽目になる
という、負のスパイラルが起きていることが多いからです。
運送業界は深刻な人手不足に悩まされていますが、短期間で何度も求人を出すというのは、尋常ではありません。会社として何か問題があるか、経営陣の能力がないかのどちらかです。ブラック企業の可能性も否定できないので注意してください。
家族がいる人は理解してもらうように努める
家族がいる人は、トラックドライバーの仕事を理解してもらえるように、きちんと話をしてください。
- 給料などの待遇
- 働く時間
- 休日
- 食事の有無
などは、家族にとって心配な部分です。特に、昼夜逆転のシフトや、車中泊で家に帰れないことがあるという職種の人は、家族の理解がないと、長く勤めることが難しくなってしまうでしょう。
トラックドライバーの仕事を知らない人は、マイナスなイメージを持っていることが多いです。自分が納得して働くこと、不安や心配がないことを理解してもらってください。
まとめ
トラックドライバーの仕事には、確かにきつい面もあります。決して楽な仕事ではありませんが、きついばかりの仕事でもありません。
注意したいのは、トラックドライバーの仕事は向き・不向きがハッキリとしているということです。向いていない人にとっては、果てしなくきつい仕事だと感じてしまうでしょう。
トラックドライバーの仕事はメリットもあり、車好き・運転好きの人には、魅力の多い仕事です。準中型免許は18歳から取得することができるので、年齢の若い人や、未経験の人でも十分転職することができるので、マイナスイメージを払拭して挑戦して欲しいと思います。
トラックドライバーの仕事には、さまざまな職種があり、選択肢がたくさんあります。より良い転職につなげるために、ぜひ当サイト「ドライバーコネクト」にご相談ください。きっと自分に合ったトラックドライバーの仕事が見つかるはずです。