トラックドライバーへの転職に年齢制限はある?年齢不問は本当?

トラックドライバーへの転職を考えたとき、「年齢が気になってしまう」という方もいることでしょう。求人票には「年齢不問」と書いてあっても、トラックドライバーの仕事はキツイ・若くなければできないという認識を持つ人は少なくありません。

トラックドライバーの仕事は楽な仕事ではありませんが、年齢制限はないのです。なぜトラックドライバーの仕事に年齢制限がないのか、その理由について詳しくお伝えしていきましょう。

トラックドライバーの現状

トラックドライバーに年齢制限がないといわれている理由は、トラックドライバーの現状が最大の原因です。

トラックドライバーが現在どのような状況に置かれているのか、国土交通省・厚生労働省の調査をもとにご紹介したいと思います。

平均年齢と年齢構成

厚生労働省が平成30年に行った「賃金構造基本統計調査」によると、次のように報告されています。

【就業者の平均年齢】

  • 全産業平均が42.9歳なのに対して運送業界の平均年齢は47.3歳
  • 大型トラックの運転手の平均年齢は48.6歳

【就業者の年齢構成】

  • 運送業界で働く人の約45.2%は40歳~54歳
  • 29歳以下の若年層は全体の10%以下

平均年齢・年齢構成共に、全産業の平均と比較すると、トラックドライバーは高い水準になっていることがわかります。

高齢化問題

国土交通省の調査では、トラックドライバーの40歳以上の比率は70%に及び、29歳までの若年層は9.1%にとどまっています。若年層の全産業平均は16.3%であることを考えると、トラックドライバーの業界は高齢化の問題にも直面していることが一目瞭然です。

このまま若年層の割合が増えなかった場合、より深刻な高齢化問題を抱えてしまうことになるといえるでしょう。

人材不足は深刻

厚生労働省の職業安定業務統計によると、全職業の有効求人倍率が1.35であるのに対し、貨物自動車運転手の有効求人倍率は2.68と2倍近くになっています。これは運送業界の人材不足が深刻であることを表しているもので、コロナ禍におけるECサイトの利用が急増したことも大きく影響し、常に求職者よりも求人数の方が多い状態が続いているのです。

また、トラックドライバーの仕事がキツイ・体力がないとできないといったネガティブなイメージがあり、転職者の選択肢とならないことも原因だといわれています。

参考:

トラックドライバーへの転職・年齢制限はある?

トラックドライバーを募集している求人票には、年齢不問と記載されているものも多いです。では、本当にトラックドライバーには年齢制限はないのでしょうか?

年齢制限はない

トラックドライバーに年齢制限はありません。求人票に年齢不問と記載されていれば、50代・60代の方でも転職することは可能です。

これは先に述べた人材不足も大きく影響していますが、特にトラックを運転できる免許を既に持っている人であれば、スキルや経験があるため年齢制限はないことがほとんどです。

未経験・年齢高めでも転職は可能

トラックドライバーは、転職しやすい職業の一つです。その理由は、未経験や年齢が高めの人でも受け入れている企業が多いからです。

トラックドライバーにはさまざまな職種があり、すべてが体力勝負というわけではありません。他の職種に比べると、受入れの幅が広い特徴があるのです。

定年がない?

トラックドライバーには、明確な定年を設定していないケースも少なくありません。

大手の運送会社などの場合は、通常の企業と同じく60歳定年制を設けていることが多いですが、定年後に契約を切り替えて契約社員として働けることもあります。中小規模の企業では、退職金制度がない代わりに、定年の年齢を設定していないこともあり、デメリットである反面、長く働けるというメリットにもつながっているのです。

転職年齢が高い人におすすめのトラックドライバーの職種

トラックドライバーの仕事は「キツイ」というイメージが先行しがちで、若くなければできないと思ってしまう傾向にあります。しかし、転職年齢の高い人でもできる職種があります。

同じトラックドライバーでも所属する企業の業種によって業務内容は異なりますので、求人票をよく確認してください。どんな職種のトラックドライバーが転職年齢の高い人におすすめなのか、3つの職種を紹介します。

ダンプ

ダンプのドライバーは、転職年齢の高い人に向いています。大型の免許を持っていることが条件ですが、荷物の積み降ろしがないため、運転さえ嫌いでなければ十分務まる仕事です。

トラックドライバーの仕事がキツイといわれる原因の一つとして、荷物の積み降ろしがあります。特に食品の飲料関係は、手積み手降ろしであるケースが多く、腰や膝に大きな負担がかかります。

ダンプは土砂などを運搬するため、ユンボなどで運ぶものを積み込んでくれます。自分自身で行う必要はほとんどないので、年齢が高めの人でも現役で頑張っている人も多い職種です。

ルート配送

ルート配送は、決まった荷物を決まった配送先に運ぶ仕事です。新しく道を覚えたり、長距離の運転をしたりする必要がありません。

ドライバー兼営業職のような要素も強いため、他職種からの転職にも適しています。また、大型トラックを運転することも少なく、通常の免許で運転できるケースも多いので、転職年齢が高くてもハードルが低めの職種といえるでしょう。

けん引

けん引のトラックドライバーは、けん引免許を持っていて、運転に自信のある人なら転職することが十分可能な職種です。けん引車は基本的にトレーラーなどの被けん引車をけん引する車種で、コンテナや自動車などを運びます。

自分自身で荷物の積み降ろしをする大型ドライバーに比べると、免許や運転のスキルは必要ですが、体力的な負担は少なくなります。免許が必要な職種なので、ドライバーからドライバーへの転職の選択肢になることが多いです。

トラックドライバーへの転職年齢が気になる人へ!チェックポイント

「いくら年齢不問だと言っても、自分の年齢では厳しいのではないか」とお考えの方向けに、トラックドライバーへの転職時にチェックしたいポイントを5つ紹介します。

事故歴・違反歴

トラックドライバーにとって、運転免許は生命線です。プライベートも含めて事故歴や違反歴がないか、点数の累積がないかを確認しましょう。

  • 累積点数等証明書・運転記録証明書で確認が可能
  • 免許センターの窓口での申請・もしくはゆうちょ銀行や郵便局で申請が可能

仕事を始めてすぐに行政処分を受けるようなことがあっては、会社に迷惑がかかります。トラックドライバーへの転職を検討するのであれば、事故歴・違反歴は必ず確認してください。

希望する企業の業種

自分の希望するトラックドライバーの業種は何になるのかを見極めることも必要です。「運転手募集」と書かれている求人票だけでは、どんな職種のドライバーなのかがわからないので、募集している企業の業種に着目しましょう。

【企業の業種】

  • 運送会社
  • メーカー
  • 宅配会社
  • 引越業者  

 

【業務内容】

  • 長距離輸送
  • エリア配送
  • 集荷
  • 荷積み・荷下ろし

などがあります。

給与などの待遇だけではなく、何を運ぶのか・トラックの大きさはどのくらいかをチェックすることがポイントです。

保有免許

自分の持っている免許で、運転できるトラックの大きさを確認することも大切です。トラックには、軽自動車から大型・けん引トラックまで、さまざまな大きさや種類があります。

トラックの大きさ小型(積載量2t以下)中型(積載量4tクラス)大型(積載量10tクラス)
トラックの種類平ボディバンボディ保冷車冷凍冷蔵車ウイングボディダンプ車トレーラー など
  • 自分の持っている免許で運転できるトラックの大きさ
  • 入社後の免許取得制度の有無

を確認するようにしましょう。

勤務形態・待遇

勤務体系や待遇は、確認しておきたいポイントの優先順位が高いといえます。正社員・契約社員・パート・アルバイトなど、勤務形態は給与の金額に直結しますし、休日の設定や手当などの待遇面は、働く環境を左右するでしょう。

求人票に詳細が記載されていない場合は、事前に確認することが大切!確認ができなければ応募はしない方が良い企業という判断を下してください。

既往症・視力

トラックドライバーへの転職時には、既往症や視力にも注意しましょう。

近年ニュースでも話題になることがありますが、運転中に病気が発症して事故につながる事例が見られます。年齢が高い人は特に、自己メンテナンスとして健康診断を受診する習慣を持ちましょう。

また、既往症のある方、元々視力が悪い方も、自分の状態を常に把握しておくことが大切です。

トラックドライバーは安全第一です。回避できるリスクは、できる限り回避できるように努めなければいけません。

まとめ

トラックドライバーには、年齢制限がなく、長く働きたい人には最適な職種です。また、転職時の年齢が高い人でも、免許さえあれば未経験でも挑戦できることが多く、体力的に余裕のある職種もあります。

トラックドライバーへの転職時には、チェックしたいポイントがありますので、自分の免許証や事故・違反歴、既往症や視力などをきちんと確認しましょう。

トラックドライバーの仕事には、選択肢がたくさんあります。より良い転職につなげるために、ぜひ当サイト「ドライバーコネクト」にご相談ください。きっと自分に合ったトラックドライバーの仕事が見つかるはずです。