運送業は勝ち組?負け組?本当の勝ち組になるのに必要なもの

勝ち組とは、社会的・経済的に成功した人を指します。年収の高さ・やりがいを持って仕事をしているかどうかがポイントになり、一般的には公務員や大企業の社員などが形容されていることがほとんどです。

運送業に従事するドライバーは、現在の社会において勝ち組といえるのでしょうか?この記事では、運送業が勝ち組なのか、その理由はどんなことなのかについて複数の角度から考察します。

運送業は勝ち組!その理由とは?

運送業は勝ち組か負け組か…答えは勝ち組です。なぜ運送業が勝ち組といえるのか、3つのポイントからその理由を紹介します。

長く働くことができる

運送業が勝ち組といわれる大きな理由は、長く働くことができることです。一般的な企業は定年が設定され、働きたくても定められた年齢になれば引退を余儀なくされます。

しかし、運送業においては定年がない企業もたくさんあるのです。

国土交通省が行った『トラック輸送状況の実態調査』によると、運送業(トラック運転手)全体で50歳以上の割合は39.5%、60歳以上は8.6%に及びます。これは他の業種に比べて多い割合で、長く働いているドライバーの多いことがわかる調査結果です。

保有免許の種類や資格があれば、年齢を重ねてからの転職も可能なので、長く働くことができる業界ということがわかります。

働き方を選択できる

運送業界は働き方を選択できるというメリットもあります。

  • 大型の長距離ドライバーとしてガンガン稼ぐ
  • 家庭と仕事が両立できるように決まった時間帯で働く
  • 住み慣れた地元で働く
  • 顧客とのコミュニケーションを大事にしながら働く
  • パート・アルバイトとして繁忙期・夜間帯などに働く

運送業のドライバーには職種がたくさんあり、自分のライフスタイルに合わせてさまざまな働き方が選べます。

女性の進出も目覚ましく、ルート配送のように残業の少ない一定時間で勤務できる職種や、荷降ろしの負担が少ないダンプなどで活躍する人も少なくありません。同じ業界で経験やスキルを活かし働き方を選択できるのは、運送業界が勝ち組といわれる理由の一つです。

超売り手市場の現状

運送業界は超売り手市場……コロナ禍においても、仕事がなくなるどころか、配送の需要が増えて人手不足の状態です。

国土交通省が発表した『トラック運送業の現状等について』によると、貨物自動車運転手の有効求人倍率は2.79でした(平成30年10月)。全職業の有効求人倍率は1.49ですので、どれだけ売り手市場かということがわかります。

売り手市場であるということは、自分の条件に合った会社を多くの選択肢から選ぶことができるというメリットがあります。雇用者側も社員が定着するように、労働条件や環境の整備を積極的に行うため、相乗効果で条件の良い会社に勤務できる確率が上がるのです。

運送業界への転職は、未経験OK・学歴不問・年齢不問と挑戦しやすい特徴があります。業界内での転職も、異業種からの転職も、現状の超売り手市場を考えると、非常に成功率が高いといえるでしょう。

「運送業は勝ち組」といえる人の特徴

運送業界で働く人の中で「運送業は勝ち組だ」といえる人には特徴があります。いったいどんな人が「勝ち組だ」といえるのか、その特徴を3つ解説しましょう。

ドライバーの仕事が好き

運転が好き・ドライバーの仕事が好きという人は、間違いなく「勝ち組だ」といえます。その理由は、自分の好きなことを仕事にできているからです。

好きなことを仕事にするのは非常に難しいことです。ドライバーの仕事は決して楽な仕事ではありませんが、好きだという気持ちを持ち続けることができれば苦になりません。

筆者は元ドライバーですが、仕事が楽しくて仕方ありませんでした。

  • 煩わしい人間関係に悩まされない
  • 同年代の人よりも高収入
  • 日本全国いろいろなところに行ける
  • 年齢・性別に関係なく評価してもらえる

そして何より、運転が好きなので長時間トラックに乗れることが嬉しかったです。キツい仕事もありましたが、『楽(たの)しめば楽(らく)になる』ということわざの通り、とても充実した生活を送っていました。

本人に勝ち組か負け組かという意識はなくとも、周囲から見れば「楽しそうに仕事をしている」「好きなことを仕事にしている」と勝ち組に分類されていたはずです。

常に情報収集をしている

現状に甘んじることなく、常に情報収集をしている人も勝ち組になることができます。どうすればやりがいや年収をアップさせることができるか、さらなる好条件で働くにはどうすれば良いのか……情報収集をしている人は、自分が次にやるべきことがわかるからです。

運送業界にはマイナスなイメージもあります。実際にブラック企業といわれるような会社があることも事実です。

しかし、そんな業界でも勝ち組といえる人は、情報収集をして自ら動いています。自分の置かれている状況を冷静に捉え、希望や条件に合った働き方ができる会社を選んでいるのです。

前項でも紹介したように、運送業界は超売り手市場ですので、労働者側に選択権があるといっても過言ではありません。運送業界に関する情報収集は、勝ち組といえる人の大きな特徴です。

マナー・モラルを大切にしている

マナーやモラルを大切にしている人も、「運送業は勝ち組だ」といえる人でしょう。職業運転手としての自覚は、運送業界で働く上で非常に大切です。

近年ではトラック運転手のマナーやモラルに欠ける行動が原因で、悲惨な事故のニュースが報道されることが増えてきています。飲酒運転・あおり運転などは、マナー・モラルを守らない人が起こす行動であり、職業運転手としてはあるまじき行為です。

トラック運転手は会社の看板を背負って走っています。自分の評判は、イコール会社の評判となるため、会社としてもマナー・モラルを大切にしている人に長く働いてもらいたいと考えることは当たり前です。

マナーやモラルを大切にする人は、運送業界でも評価されます。会社に大切にされる人材になれることは、勝ち組になる条件の一つといえるでしょう。

運送業で勝ち組になるための会社選び

運送業で勝ち組といえるようになるためには、勤務する会社を選ぶことが大前提です。どんな会社を選択して勤務すれば良いのか、3つのポイントを紹介します。

給与体系がしっかりとしている

運送業界で勤務する場合は、給与体系がしっかりとしている会社を選んでください。理由は、運送業界の給与の特徴にあります。

職種(一般)2019年固定給(円)2019年変動給(円)小計(円)
男性運転者平均178,600157,100335,700
男性・けん引運転者203,100180,400383,500
男性・大型運転者177,900178,100356,000
男性・中型運転者155,300127,500282,800
男性・準中型運転者178,000106,900284,900
男性・普通運転者196,00086,000282,000
女性運転者平均160,300114,100274,400
女性・けん引運転者203,500144,800348,300
女性・大型運転者163,800156,400320,200
女性・中型運転者137,800109,900247,700
女性・準中型運転者164,600126,600291,200
女性・普通運転者176,50039,700216,200

参考:「2019年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」について | 全日本トラック協会

運送業界の特徴として、変動給の割合が非常に高いことが挙げられます。男女ともに普通運転者を除いては、給料の50%近くが変動給となっており、歩合給や時間外手当の占める割合が非常に高い結果です。

これは道路状況や繁忙期・閑散期などによって、労働時間に変動があるためですが、給与体系がしっかりとしている会社でなければ、正当な給料をもらうことができません。

残業時間の設定・歩合給の有無などは、曖昧にされがちな部分です。転職を検討する場合には、必ず入社前に確認をすることが重要になります。

スキルアップへの理解・制度がある

スキルアップへの理解や制度がある会社を選びましょう。前項で紹介した給与の一覧表を見ると、普通運転者よりも大型・けん引の運転手の方が、給与が高いことがわかります。

筆者の勤務していた運送会社には、大型・けん引免許の取得支援制度がありました。大型・けん引免許の取得ができる条件に合致している社員は、取得に関する費用すべてを会社が負担し、シフト調整なども行って免許取得ができるようになっていました。

その後2年間は勤務することという条件はありましたが、社員のスキルアップを支援する制度は非常に嬉しかったのを覚えています。

最初は準中型や中型免許だけしか持っていなかったとしても、経験を積んでいく中で大型・けん引免許を取得することによって、仕事の幅がさらに広がるでしょう。運送業で勝ち組になるためには、スキルアップができる会社に就職することも大事なポイントです。

元請けの取引先が多くある

元請けの取引先が多くある会社を選べるように、情報収集を行いましょう。理由は、仕事のしやすさと給料の違いです。

クライアントから直接仕事を請け負っている場合と、間に業者が入り、子請け・孫請けで仕事を請け負っている場合では、会社に入ってくる金額が違います。会社に入ってくる金額が少なければ、同じ仕事をしているのに子請け・孫請けのドライバーは給料が安いということになるのです。

仕事の面から見ても、子請け・孫請けの運送会社は、元請けの会社ができない・やりたくない仕事が回ってきます。急な休みに対応ができない・トラブルに対するレスポンスが遅くなるといったデメリットも考えられるでしょう。

取引先までは入社前になかなかわからないかもしれませんが、情報が少ない場合は大手の運送会社やメーカー・商社の子会社である運送会社に転職することをおすすめします。

運送業で勝ち組になるためには

運送業で勝ち組になるためには、自分で行動を起こすことがポイントです。どんなことに挑戦すれば良いのか、3つのパターンを紹介しましょう。

中型・大型・けん引免許を取得する

運送業で勝ち組になるためには、多くの免許を取得しましょう。

中型・大型・けん引免許はもちろん、フォークリフトや玉掛け作業者など、資格を取得することで給与アップにつなげることができます。特に、中型・大型・けん引免許は、取れるときに取るぐらいの気構えでいてください。

運送業の職種はたくさんあるので、普通・準中型免許でできる職種もあります。ただし、一般的なトラック運転手よりも営業職の要素が強く、給料が上がりにくい傾向が見受けられるため、できる限り多くの種類のトラックに乗れるようになるべきです。

独立・起業する

運送業の勝ち組の中には、自身で独立・起業するケースもあります。

  • 個人事業主として独立する
  • 法人として起業する
  • フランチャイズに加盟する

独立・起業の方法は、上記の3つがありますが、運行管理者や整備管理者が必要になることが多いため、周到な準備期間が必要です。運送業界に長く勤務し、ノウハウを蓄積した状態であれば、独立・起業することも難しくはありません。

運送業界はフランチャイズが多く存在するため、ブランド力を活かして事業を軌道にのせることもできます。会社に勤務するという選択肢だけではなく、自分自身で独立・起業で勝ち組になることも可能な業界だということを押さえておきましょう。

好条件の会社へ転職する

運送業界の中で、好条件の会社に転職することも勝ち組になるポイントです。運送業界にはさまざまな会社があります。

  • 運ぶ荷物
  • 走る距離
  • トラックの大きさ

などにより、仕事内容も給料も大きく異なるのが特徴です。

自分の条件に合った仕事内容や、生活レベルをアップするための給与を求めて、好条件の会社に転職する人は多くいます。資格を取得して転職したり、ライフスタイルに合わせて転職したり……超売り手市場の運送業界だからこそ、できる方法ともいえるでしょう。

本当に自分に合った会社を探して勤務できることは、勝ち組といえる条件の一つです。

まとめ

運送業は勝ち組です。働き方を選択しながら長く働くことができ、条件に合った会社を自分で選ぶことができるからです。

情報収集を行ったり、資格を取得できるよう努力したりすることも大切ですが、好きなことを仕事にできるという点が、最大のポイントといえるでしょう。

運送業の仕事には、さまざまな職種があり、選択肢がたくさんあります。より良い転職につなげるために、ぜひ当サイトにご相談ください。きっと自分に合った運送業の仕事が見つかるはずです。

【参考】