目次
ルート配送とは?仕事の内容
ルート配送とは、トラックで決まった相手先に決まった荷物を運ぶ仕事です。荷主と配送先が決まっていることがほとんどで、距離は短~中距離になります。
- コンビニエンスストアやホームセンターへの商品配送
- 物流センター間の商品配送
- 個人宅への商品や食材のお届け
- 病院へ薬剤などのお届け
- 店舗への商品配送(酒・おしぼりなど)
- 自動販売機の補充
などが含まれます。扱う商品も多く、積み込みや荷下ろしが大変なケースもありますが、時間的には決まっているので、残業は少なめです。
一度ルートや配送先を覚えてしまえばコロコロ変わることがないので、未経験者でも始めやすい職種といえるでしょう。
ルート配送に向いている人の特徴
ルート配送は、決まった配送先を毎日回る仕事です。通常のトラックドライバーとは違った資質を持った人が向いているといえます。
どのような人がルート配送に向いているのか、5つの代表的な特徴を紹介しましょう。
安全運転ができる人
ルート配送に向いているのは、安全運転ができる人です。ルート配送では軽自動車から大型トラックまで、さまざまな形態の車両が使用されますが、どのケースでも運転が上手く、安全運転でなければ務まりません。
特に、スーパーやコンビニのルート配送は、交通量が多く道幅や駐車場が狭いところもあります。配送センターのようにトラックばかりが走っている場所ではないので、周囲に細心の注意を払って運転することが求められます。
渋滞にイライラしたり、あおり運転をしたりしてしまうようなモラル・マナーのない人は、ルート配送をするべきではありません。
コミュニケーション能力が高い人
ルート配送は、コミュニケーション能力が高い人が向いています。
業種にもよりますが、配送先の担当者と顔を合わせる機会の多い仕事です。病院のルート配送などの場合は、ドライバーとしてだけではなく、営業分野の仕事をこなさなければならないこともあります。
他のトラックドライバーと比べると、配送先の担当者などと接する機会がとても多いため、毎回顔を合わせる相手と適切なコミュニケーションを取れることが求められるでしょう。
運送業界未経験の人
ルート配送は、運送業界未経験の人にも向いています。一度道や配送先を覚えてしまえば、コロコロと変わることがないからです。
長距離よりは、短~中距離の配送が多いため、不規則な時間になることも少なくなります。4t車くらいまでのトラックでの仕事がメインなので、改めて免許を取得しなければいけないこともなく、普通免許でできる仕事が多いです。
運送業界に初めて挑戦するという人には、向いている職種といえます。
ルーティンワークが苦にならない人
ルート配送に向いている人は、ルーティンワークが苦にならない人です。
ルート配送の仕事は、同じ配送先・同じルート・同じ荷物を扱うため、単調な仕事になりやすい傾向があります。変化を求める人にとっては『つまらない』『飽きた』と感じてしまうでしょう。
毎日同じことを同じようにこなすことが苦にならない人が適しています。
長距離の運転が苦手な人
トラックや運転は好きだけれど、長距離の運転が苦手という人は、ルート配送に向いています。
ルート配送の仕事は、長距離の運転になることは少ないです。工事や渋滞などで長時間の運転になることはありますが、基本的に走る距離は短め。
知らない道を走りたくない・長距離の運転は避けたいという人には、向いている職種といえるでしょう。
ルート配送に不向きな人の特徴
ルート配送は通常のトラックドライバーの仕事とは異なった面を持ちます。トラックドライバーには向いていても、ルート配送には向いていない……そんな事例も多いのです。
ルート配送という仕事に不向きな人の特徴を5つピックアップして紹介します。
単純作業が苦手な人
単純作業が苦手な人は、ルート配送には向いていません。ルート配送は決まった配送先に決まった荷物を運ぶ仕事です。
毎日同じ道を走る・同じものを運ぶというルーティンワークになりがちなことが特徴。変化を求める人や、飽きやすい人もルート配送には向いていないでしょう。
そもそも運転が嫌いな人
そもそも運転が嫌いな人は、ルート配送の仕事をやるべきではありません。短~中距離とはいっても、毎日必ず運転をしなくてはなりませんし、トラックで荷物を運ぶことがメインの仕事になるからです。
運転が嫌いな人は、仕事自体が嫌になってしまう可能性があります。運転が嫌いなだけではなく、事故を起こすことが多い人も避けた方が無難です。
一人で仕事がしたい人
一人で仕事がしたい人は、ルート配送には向いていません。トラックドライバーにはさまざまな職種がありますが、中でもルート配送は取引先や荷下ろし(配送)先とのコミュニケーションが多い職種です。
初めて会う人ではなく、配送のたびに顔を合わせるのですから、最低限の会話などはしなければなりません。トラックに乗っている時間は一人ですが、長時間一人になれるという職種ではないため、一人で仕事がしたい人は、ルート配送は避けるべきです。
注意力が散漫な人
注意力が散漫な人は、ルート配送やトラックドライバーの仕事には向いていないでしょう。
ルート配送だけではなく、ハンドルを握って仕事をする人は、プロのドライバーとして無事故・無違反であることを求められます。ルート配送は街中を移動することが多く、人通りや交通量の多い道・狭い道などを走らなければなりません。
注意力が散漫で事故を起こしてばかりいるような人は、ルート配送の仕事を続けることが難しいでしょう。
収入アップを目指している人
収入アップを目指している人は、他の職種のトラックドライバーになるべきです。
ルート配送の仕事は、定期的かつ安定した職種ではありますが、他のトラックドライバーのように残業代や歩合給が支給されることの少ない職業です。そのため、決まった給料以外の手当等が少ない分、収入がアップする可能性はあまりありません。
今の仕事よりも収入を上げたいと考えている方は、別の職種で検討をするべきです。
ルート配送を仕事にするメリット
ルート配送には、ルート配送ならではのメリットが多くあります。ルート配送を仕事にすることで、どのようなメリットがあるのかについて解説しましょう。
長時間の荷待ちがない
ルート配送には、他のトラックドライバーにありがちな長時間の荷待ちがありません。長時間の荷待ちはドライバーの負担になるだけではなく、長時間労働の原因として、運送業界全体の課題になっているほどです。
ルート配送では、製品や荷物が出来上がるまで待たされるということはほとんどなく、決まった時間通りの配送が優先されます。他のトラックドライバーとの大きな相違点ともいえるでしょう。
休日がしっかり取れる
ルート配送は、休日がしっかりと取れる仕事です。
長距離ドライバーの場合は、道路事情や荷待ちなどで、休日返上で走らなければいけないことも多々あります。しかし、ルート配送の場合は、あらかじめ決められた休日に出勤しなければいけないということはほとんどありません。
業務自体も時間通りに終了できることが多いため、休日が削られるということは少ないでしょう。
給料が安定している
ルート配送のドライバーは、他のトラックドライバーと比べて給料が安定しています。通常トラックドライバーは、基本給と歩合給が同じくらいの割合で、基本給が低く設定されているケースが見受けられます。
ルート配送の場合は、歩合給や残業代がない分、基本給がしっかりと設定されているため、賞与なども含めると安定した収入が見込めます。
普通免許だけでも働ける
ルート配送は、普通免許だけでも働けることが多いです(※道路交通法改正以前に免許を取得している場合に限る)。大型やけん引などの特殊免許がなくても、4tクラスまでのトラックを運転することがほとんどのため、改めて免許を取得しなければ働けないということがありません。
他の仕事をしていて、トラックドライバーに転職したいという未経験の方にも、挑戦しやすい職種です。
残業が少ない
残業が少ないこともルート配送のメリットです。長時間の荷待ちや、宅配などで起こる再配達への対応などもないため、よほどの事情(渋滞・事故・工事など)がない限り、定時で終業できることが多い仕事です。
残業がない分、収入が大幅にアップするということもありませんが、オンオフの切り替えがしっかりとできることがメリットといえるでしょう。
ルート配送を仕事にするデメリット
ルート配送はメリットの多い仕事ではありますが、その反面デメリットも存在します。ルート配送を行う上で注意したいデメリットを5つ紹介しましょう。
仕事内容に変化がない
ルート配送は仕事が単調になりやすく、変化がないことがデメリットといえます。基本的に同じ配送先に同じ荷物を配送することがメインになるため、変化を求める人にはストレスを感じてしまう可能性があるでしょう。
ルーティンワークになるため、変化がないということを理解しておく必要があります。
運送業界では給料が低め
ルート配送は、運送業界の中でも給料が低めに設定されています。残業代・資格手当・歩合給などがつかないことが原因ですが、その分安定していることはメリットにもつながります。
「トラックドライバーとして稼ぎたい」と高収入を求めている方にとっては、デメリットになってしまうでしょう。
スキルアップができない
ルート配送の仕事は、ドライバーとしてのスキルアップができないデメリットがあります。同じ荷物を運ぶことが特徴であるため、さまざまな荷役作業を行うことがないからです。
他の職種のトラックドライバーに転職する際に、身についたスキルが少ないことを考えると、デメリットの一つといえます。
急な休みに対応できないこともある
どの仕事でも同じかもしれませんが、担当ルートの決まったルート配送の仕事を急に休むことは難しいといわれています。運送業界は人手不足に悩まされているのが現状で、代走できるドライバーを常に確保しておくことはできません。
自己管理を徹底し、会社に迷惑をかけないよう常に責任感を持って生活する必要があります。
早朝・深夜帯の仕事もある
ルート配送は、業種によって早朝や深夜帯の仕事もあります。
代表的なのはスーパー・ホームセンターへのルート配送です。店舗が営業していない時間に配送を行い、開店時に商品を揃えておかなくてはなりません。
同じ9時間労働でも9時~18時ではなく、たとえば2時~11時・6時~15時・23時~8時といった変則業務になることもあります。
まとめ
ルート配送に関する情報をさまざまな面から紹介しました。
ルート配送は、他のトラックドライバーとは異なる点が多く、向き・不向きにも違う点があります。しかし、特殊な免許が必要な仕事ばかりではないので、未経験の方や女性の方でも挑戦しやすい職種です。
安定性ではピカイチのルート配送。メリットやデメリット、仕事内容を十分理解した上で、ぜひ検討してみてください。
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