【例文】運送業の履歴書の「志望動機」の書き方は?未経験者が押さえるべきポイントは?

履歴書の志望動機は、採用担当者がもっとも注視する部分であり、採用を左右するといっても過言ではありません。転職者にとっては箇条書きができず、何を書いたら良いのかわからない…というハードルの高いものでもあります。

そこで今回は、運送業に転職する際の志望動機についてくわしく解説します。例文も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

運送業の採用担当者が志望動機で見ているポイント

志望動機は、採用担当者が履歴書の中でもっとも重要視する箇所です。短い文章の中で、百戦錬磨の担当者がどんな部分を見ているのか、5つのポイントを紹介しましょう。

長く働いてくれる人かどうか

採用する以上、長く働いてくれる人を望むのは当然のことです。採用活動には経費も掛かっているため、何度も行うのは非常に効率が悪くなります。

  • どんな思いを持って就職活動をしているのか
  • どんなきっかけで運送業に興味を持ったのか
  • なぜこの会社を選んだのか

職歴と併せて見ていることも多く、簡単に辞めてしまうことのない人物であるかどうかを知りたいと感じています。

転職回数が多い人や前職の勤務期間が短い人などは、理由を明確に記載しましょう。納得のいく理由であれば、長く働ける人と判断してもらえるはずです。

トラック運転手に向いている人かどうか

運送業、特にトラック運転手は向き不向きのハッキリとした仕事です。向いている人にとってはこれ以上ない天職といえますが、向いていない人の場合はストレスフルで長く勤務することは難しくなります。

  • 運転が好きか
  • 一人の仕事が苦にならないか
  • 気が長いタイプか
  • 運転歴に問題はないか

などを知りたいと思っているため、自分がトラック運転手に向いていると思う人は、存分にアピールしましょう。トラック運転手になりたいと思ったきっかけなどを絡めて書くと、より具体的に伝わるメリットがあります。

社会人としての常識やマナーがある人かどうか

運送業は比較的周囲の人とのコミュニケーションが少ない仕事ですが、だからといってマナーを守らなくて良いというわけではありません。社会人としての常識やマナーは、運送業でも不可欠な要素です。

履歴書の書き方やマナーが守られていない場合、どんなに内容が素晴らしくても、採用は難しくなります。誤字・脱字、履歴書を書くペンの種類、丁寧さなどを見られているため、十分に注意して書くようにすることがポイントです。

社内や取引先と適度なコミュニケーションが取れる人かどうか

トラック運転手は一匹狼的なイメージがありますが、取引先や同僚の運転手などと適度なコミュニケーションが必要です。あまりにも周囲とうまくいかない人やコミュニケーション能力に問題があるという人は、採用担当者としては敬遠したいタイプといえるでしょう。

トラック運転手は、会社の看板を背負って働いています。万が一取引先で問題を起こすようなことがあっては、会社全体の問題になりかねません。

コミュニケーションが苦手だという人も、最低限の挨拶・お礼などができれば問題はありませんので、あまりにも「自分はコミュニケーションが苦手です」とアピールしすぎるのは控えるべきです。

素直で真面目な人かどうか

素直で真面目な人柄かどうかという点も、採用担当者は重視しているポイントです。

  • 怒られたらすぐにへそを曲げる
  • 逆恨みをする
  • 怒られたくないために嘘をつく

以上のような人は、社内の輪を乱すだけではなく、取引先に迷惑をかける可能性も高くなります。特に業界経験者でプライドがある人の場合は、即戦力として頑張ってくれそうな反面、プライドが邪魔をして新しい環境に馴染めない人と判断されてしまいます。

仕事に一生懸命取り組めること、経験をうまく活かして働けることをアピールしてください。

運送業で受かるために志望動機に記載すべき内容

運送業の志望動機には、必ず盛り込みたい内容があります。採用担当者が知りたいと思っていることを記載していないと、書類選考に残れる可能性が限りなく低くなってしまうので注意が必要です。

志望動機に必ず記載したい5つのポイントを紹介しましょう。

運送業を選んだ理由

なぜ運送業を選んだのか、その理由を明確に記載しましょう。業界未経験の方の場合は、特に運送業に興味を持ったきっかけや動機を書く必要があります。

  • 運送業の人と接する機会が多かった
  • 運送業の〇〇なところに共感した
  • 社会の役に立つ仕事として運送業を認識している

など、より具体的にわかりやすく書かなければなりません。「給料が高いから」といった条件面ではなく、自分がなぜ運送業を選んだのかという根本的な理由を書いてください。

会社を選んだ理由

数多くある運送会社の中からなぜこの会社を選んだのかという具体的な理由も必要不可欠な要素です。

例文のお手本にあるような上っ面だけの内容では、薄っぺらく思われてしまいます。より具体的に書くためには、まず応募する企業に関する情報収集を行いましょう。

どんな会社か、何を運んでいるのか、社員の定着率はどうかなど、深掘りしていくことがポイントです。職業安定所やインターネットだけで不安がある場合は、運送業に強い転職エージェントを利用するのも一つの方法だといえます。

実際に働いている(働いていた)人の口コミなども重要です。近くに会社がある場合は、実際に会社を見に行ってみることもおすすめします。

入社後のビジョン

入社した後にどんなことをしたいのか、将来的にどんなポジションを目指すのかなども記載すべき項目です。

  • 大型免許を取得して長距離ドライバーになりたい
  • 地元に密着したセールスドライバーになりたい
  • 現場だけではなく管理部門で活躍してみたい

ここで注意したいのは、あくまでも応募する会社の中でのビジョンであるということです。「この会社で経験を積んで次に行く」という内容では、採用はしてもらえません。

企業研究を行い、事業内容や待遇面などをしっかり確認した上で書くことがポイントです。

自分が運送業でできること

自分が運送業の仕事に就いた場合、どんな仕事ができるのかを書きましょう。未経験の方は、今までの経験の中で運送業に役立てることができるスキルを見つけてください。

  • コミュニケーション能力を活かして取引先との関係性を強化する
  • 運転歴を活かして無事故・無違反で安全に運行する
  • 地理の詳しさを活かして早く仕事に慣れる

運送業の経験がなくても、今までの経験の中でできることは必ずあります。見つけるためには、運送業がどんな仕事なのか、応募する企業がどんな荷物を運んでいるのかなどを必ず情報収集してください。

資格・経験

運転免許を含め、運送業で活かせる資格を持っている人は、絶対にアピールしましょう。

  • フォークリフト運転技能者
  • 玉掛け作業者
  • 危険物取扱者

など、他職種で必要だった資格や経験を、運送業で活かせることもたくさんあります。自分の今までの経歴を棚卸しして、運送業に活かせることはないかを確認してください。

運送業の志望動機で書いてはならないNGポイント

運送業の志望動機には、書いてはならないこと・書かない方が良いこともあります。書いてしまったがために書類選考に通過できないこともありますので、必ずチェックしてください。

前職の批判

前職の批判は書いてはいけません。仮にブラック企業だったり、ハラスメントが横行していたりするような職場だったりしたとしても、それは転職の理由であって、応募する企業を選んだ理由にはならないからです。

愚痴や批判は採用担当者にとって印象の良いものではありませんし、ネガティブな内容は百害あって一利なしです。「自分勝手な人」「組織人として未熟な人」と思われてしまう可能性があります。

採用担当者が見ているのは、前向きな意欲です。前職の批判をどう活かして、これから仕事に取り組んでいくのかという姿勢を見せることが大切です。

ネガティブな転職理由

ネガティブな退職理由は絶対に書かないようにしましょう。

退職理由与える印象ポジティブな言い換え例
人間関係が悪かった・うちの会社でももめ事をおこすかもしれない
・周囲の人とうまくやれないのでは?
・周囲と協力しながら仕事がしたいと思ったので~
上司が悪かった・上司に対してずいぶん生意気なことを言う
・自分にも非があったのでは?
・自分の良いところを活かした仕事がしたいと思ったので~
実績を評価してもらえなかった・事実関係を確認できない
・本当にその実績を挙げたのか?
・自分のポジティブな面を発揮したかったので~

ネガティブな内容を、ちょっとした工夫でポジティブなことばに言い換えるだけで、与える印象は天と地ほども異なります。自分の退職理由をポジティブな言い換えにできるよう、チャレンジしてみてください。

待遇や条件のみの動機

待遇や条件のみの志望動機はNGです。なぜなら、待遇面だけにスポットを当てている人は、さらに好条件な仕事があれば、転職してしまう可能性があると思われてしまうからです。

転職の理由として待遇面は確かに欠かせない条件ですが、採用担当者が採用したいのは、長く働き続けてくれる人・会社に貢献してくれる人です。「自分の待遇だけを考えて会社を選ぶ人」というレッテルを貼られてしまわないよう、待遇面が最大の理由であっても、前面に出すのは避けてください。

ネット上の例文をコピペ

ネット上には多くの例文がありますが、例文をそのまま引用するのは避けてください。同じサイトを見た人と文面がかぶる恐れがあり、オリジナリティに欠けてしまうからです。

採用を専門に担当している人であれば、数多くの応募書類を見ています。「あれ?この志望動機どっかで見たな?」と思われたら即NG。手を抜いて履歴書を作成したことがバレてしまうでしょう。

「何を書いたら良いのかわからないから参考にする」という程度なら、まったく問題はありませんが、ネットの例文をそのまま引用することだけは絶対に控えてください。

運送業の志望動機の例文

運送業の志望動機を書くためには、まず運送業がどんな仕事なのかを理解し、応募する企業を研究することが重要です。その上で、自分の経験や資格、将来のビジョンなどを交えて志望動機を書きましょう。

ここでは4つのパターンの例文を紹介します。自分に当てはまるシチュエーションを選んで、ベースとして利用してください。

経験者の場合

運転が大好きなので応募しました。以前〇〇で宅配の仕事をしていたのでドライバーの経験はあります。大型トラックのドライバーになりたくて、転職のため大型免許もすでに取得しました。安全運転を心がけて、プロとしての自覚をもった仕事を行っていきたいと思います。

この例文のポイントは、転職のために大型免許を取得したというところです。

ドライバーの経験はあっても、大型トラックは免許がなければ運転できません。今回の募集が大型トラックドライバーであることをきちんと理解し、自分なりに努力をしている姿勢が評価できます。

未経験者の場合

私は前職で培った土地勘を活かし、セールスドライバーとして働きたいです。営業職で必要とされたコミュニケーション能力は、セールスドライバーでも不可欠なものであると考えています。また御社の〇〇という企業理念は、私の考えている地域貢献と同じ部分があり、△△の事業内容に関わりたいという気持ちがあります。

この例文は、未経験でも企業研究をきちんと行っているケースです。前職で培ったトラックドライバーでも活かせるスキルをアピールすることで、未経験であることをカバーできています。

入社後にどんな仕事をしたいのかという点が具体的に書かれていることで、職業への理解度が高いこともわかるため、未経験といえども充実した内容になっているといえるでしょう。

長距離配送の場合

前職は建築関係の仕事をしていました。仕事でダンプを運転することがあり、自分が車の運転が好きで仕事にしたいと思っていることに気が付きました。体を動かす仕事をしていたので、体力には自信があります。将来的にはけん引免許を取得して、御社のトレーラー部門で活躍できるようになりたいです。

この例文には、アピールポイントが多く記載されています。

まず、体力に自信があるという資質の面については完璧です。将来的なビジョンが描けていること、会社へどのように貢献したいのかが具体的に書かれていることも評価できます。異業種からの転職でも、経験者に引けを取らない志望動機だといえるでしょう。

ルート配送の場合

前職はスポーツ関係の仕事をしていました。体を動かす仕事をしていたので、体力には自信があります。車の運転が好きで、プライベートでもよく運転しますが、乗用車では事故や違反の履歴はありません。新しい世界ですので、1日も早くお役に立てるよう、一生懸命仕事に取り組んでいきたいです。

未経験の転職のケースですが、前職のメリットをうまくルート配送のメリットにつなげているところがポイントです。事故や違反の履歴がないというアピールポイントも的確で良い着眼点といえるでしょう。

運送業への転職で失敗しないために面接時に確認したいポイント

残念ながら、運送業には未だにブラック企業と呼ばれる企業が存在します。せっかく転職を決意して活動をしてきたのに、入社した会社がブラック企業だったとなっては元も子もありません。

企業研究や面接の際にチェックしたいポイントを4つ紹介しますので、必ずどこかのタイミングで確認するようにしましょう。

法律に則った運行をしているか

2019年に労働基準法が改正され、運送業の長時間労働や過酷な業務内容にメスが入りました。

運送業では、2024年からの罰則付き時間外労働上限規制導入も含めて、違法な労働に対する罰則なども強化されています。法律では拘束時間や休息時間などについて厳密に定められており、各運送会社が改善に努めているところです。

しかし、中にはまったく法改正に則った運行をしない、ブラック企業も存在します。万が一ブラック企業に就職してしまうと、時間も体力もお金も搾取され、転職なんてしなければ良かったということになりかねません。

面接時などに運行状況(勤務時間)を必ず確認し、荷待ち時間などについても聞いてみることをおすすめします。

会社全体の雰囲気は明るいか

ブラック企業の特徴は、全体の雰囲気が暗く、ギスギスしていることです。また、ブラック企業とまではいかなくとも、従業員の満足度が低い会社は、雰囲気が非常に悪く社員の顔つきが明るくありません。

これは、実際に会社へ行ってみないとわからないことです。できれば面接前の情報収集の段階で、ちらっと会社を見に行く程度の調査はしておいた方が良いでしょう。

電話の対応なども含め、少しでも違和感があったら、転職先として検討するのは辞めた方が賢明です。

担当者・受付などの印象は良いか

担当者や受付の印象が悪い会社は、入社してもうまくいかないことが多いものです。

通常の企業であれば、顔となる受付や採用担当者は十分な教育を受けています。「感じが悪い」などということがないような研修も受けているはずです。

前提を覆すような居丈高な態度や、面倒臭そうな対応をするのであれば、既に企業として成り立っていないといえるでしょう。「印象が悪い=会社としての評価も低い」と考え、転職は控えてください。

募集要項と条件に違いはないか

募集要項に記載されていた条件と、実際に面接で提示された条件に違いがないかどうかは、必ず確認してください。

  • 日中の勤務と書いてあったのに夜間の勤務と言われた
  • ルート配送に応募したのに定員がいっぱいだからと長距離部門に回された
  • ボーナス実績ありとなっていたのにボーナスはないと言われた

これらは、筆者の周囲で本当に起きたことです。募集要項に書かれていたこととまったく違うことを言われた時点で、おかしいと思わなくてはいけません。

定員がいっぱいなら募集しなければ良い話です。募集しても人が来ないから、別の部門や条件を改ざんして求人を行っているのですから、ただのブラック企業と考えるべきでしょう。

違いがある場合は必ず書面で確認し、確認ができない場合は応募を取り消してください。

まとめ

履歴書の志望動機は、いかに具体的な理由が書かれているかという点がポイントです。書かなくてはならない内容をしっかりと把握し、ネガティブな内容にならないよう心がけましょう。

具体的な志望動機を書くには、企業研究・情報収集が必須です。「なかなか情報収集が思うように進まない」「志望動機のアピールポイントがわからない」という人は、転職エージェントを活用することをおすすめします。

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