【体験談】4tドライバーはきつい?大型との違い・特徴を元トラックドライバーが解説

トラックドライバーの仕事には「きつい」というイメージがあります。筆者は元トラックドライバーですが、確かに楽な仕事ではありません。トラックドライバーは運転するトラックの大きさや運ぶ荷物によってきつさが異なります。

何がきついのか、他のドライバーとの違いは何なのかを知らずに転職してしまうと、「こんなはずではなかった」ということになりかねません。そこで今回は、筆者のドライバー体験をもとに、4tドライバーの仕事がなぜきついと言われるのか詳しく解説します。

4tドライバーがきついと言われる理由

トラックドライバーとして勤務した期間の中で、筆者が4tトラックに乗っていたのは8年ほどです。2t・大型にも乗っていましたが、確かに4tドライバーの仕事はきついと感じたことが多くありました。

では、なぜ4tドライバーがきついといわれるのか、その理由を考えてみましょう。

手積み手下ろしが多い

4tドライバーの仕事は、手積み手下ろしが多いことがきつさの理由です。

大型トラックは比較的フォークリフトなどを使用することが多く、2tトラックは箱が小さいのでそれほど多くの荷物を積むことができません。筆者が4tに乗車しているときは、大型に比べると手積み手下ろしが多く、2tよりは箱が大きいので、そこそこの量を積んでいました。

長距離の運行もありましたが、運転そのものよりも荷物の積み下ろしがきついのです。運んでいる荷物やトラックの形状によっても異なりますが、4t箱車の手積み手下ろしはかなりきついことは事実です。

中途半端に長距離へ行かされる

4t車はそれなりに荷物を積むことができるため、筆者の在籍していた会社では2ヶ月に一度くらい長距離の仕事に行かされました。

筆者は長距離の運転手も経験していましたが、普段地場配送をしている状態で中途半端に長距離へ行かされると、生活リズムが崩れてかなりきつかったです。ずっと長距離であればある程度身体が慣れてくるので、それほどきついとは思わなかったのですが、中途半端に長距離へ行かされるのは身体が悲鳴を上げます。

大型の方が運転も楽なので、4tで中途半端なタイミングに長距離へ行かされるのはかなりきついといえるでしょう。

大型に比べて給料が安い

同じような仕事をしていても、大型に比べると4tのドライバーの方が、給料が低いです。

大型の運転手は4tよりも1運行の売り上げが高い上に、資格手当(大型免許)もつくことが多いため給料は高めに設定されています。筆者が大型免許を取得したきっかけも、4tドライバーと変わらない仕事内容なのに基本給が8万円以上も違うことを知ったからでした。

長距離になると、その差は歴然です。大型と同じような仕事をしているのに4tドライバーは給料が安い、だからきついと感じてしまうという悪循環は確実に存在します。

4tドライバーできついと思った仕事を暴露

筆者が実際に4tドライバーとして働いた中で、「これはきつかった!」と思った仕事があります。4tドライバーならではのきつさがあった3つの仕事内容を紹介しましょう。

引越し

4t車で行う引越しはきついです。

引越しで4t車が必要なケースは、それなりに荷物の量がある引越しということ。家族の人数が多かったり、事務所や店舗の移転だったり、什器や家具など重い荷物が多いことがほとんどでした。

ピアノや冷蔵庫、マッサージチェアなどの重量級の荷物は専任の担当者がいたのですが、それ以外の段ボールを何十箱も運んだり、エレベーターのない団地だったりすると、きつさはMAXでした。工場や店舗への配送と違って、道の狭い住宅街では4t車が入れず、家の前に横付けできないこともあります。

引越しは繁忙期に駆り出されていたこともあり、今まで経験した中でもっともきつい仕事でした。

乳製品などの飲料関係

4tで一番長く勤務していたのは、乳製品の配送でした。

工場からコンビニエンスストアやスーパーの物流センターに商品を運んでいました。この仕事がなぜきつかったのか、それは商品の重さです。

牛乳やジュースなど、液体はとにかく重いのです。ケースに入っているもの、段ボールに入っているもの、形状はさまざまですがすべて重量があります。

基本的には工場の冷蔵庫から直接手積みし、配送先の冷蔵庫へ手下ろしする方式だったので、重い上に寒くて大変でした。配送時間も午後から深夜にかけての2回戦だったので、生活リズムが狂ってしまうのもきついと感じた原因かもしれません。

開店準備の店舗配送

ホームセンターやスーパーなどの開店に伴う物品の配送もきつい仕事でした。

一番きついと感じた原因は、とにかく荷物を搬送するトラックの数が多いので、待たされる時間が長かったことです。検品の担当者が違ったり、荷下ろしの場所が違ったりと全体的にバタバタとしていたこともあり、距離は近くても荷物の積み下ろしに時間がかかりました。

また、棚・椅子・テーブルなどが多く、荷物自体が重かったことも挙げられます。荷物によっては1日の間で同じ場所に何度も行かなければいけないこともあり、時間的なプレッシャーもきついと感じました。

荷待ちや荷下ろし待ちの時間は拘束時間なので、すぐに仕事に取りかかれなくてイライラしている同僚も多くいたことを覚えています。規模が大きくなればなるほど、4tでの納品はきつかったです。

【経験談】きつさが違う?大型と4tの違い

トラックドライバーの仕事には、いくつかの職種があります。乗るトラックの大きさ・荷物・所属する会社によって職種が分かれ、きつさも異なります。

大型ドライバーと4tのドライバーを比較して、体験談をもとにどんな違いがあるのか紹介します。

大型の方が運転が楽

長距離を走る場合、4tよりも大型の方が運転が楽です。理由は、大型トラックの方が安定感があるからです。また、運転席が高いことで、遠くまで見渡せる安心感もあります。

運転席の後ろについている寝台は大型も4tも同じですが、走行中の安定感を考えると、長距離にいくのであれば大型の方が楽に運転できます。

荷物の積み込みは大型の方が楽

手積み手下ろしであれば、大型よりも箱の小さい4tの方が楽ですが、大型の荷物はフォークリフトで積み下ろしすることが多いので、大型の方が楽だといえます。4tでもウイング車であれば、フォークリフトで積み下ろしをすることもありますが、運ぶ荷物によるのかもしれません。

筆者が乗車していた4t冷凍車の場合、ウイングはついていなかったため、基本的に後ろからの手積み手下ろしでした。大型の冷凍車は箱の中にレールがついていて、パレットごと積み込める仕組みになっていたため、筆者の経験上は大型の方が楽だと感じています。

大型の運転手の方がニーズがある

転職を検討したときに、大型の免許を持っている運転手の方がニーズがあります。筆者は運転免許改正前に普通免許を取得したので、普通免許で4t車に乗っていました。そのため、中型免許を取得する必要がなかったのです。

転職時に大型の免許を持っている運転手は引く手あまただったのに対し、普通免許しか持っていない筆者は、4t限定で探さなければならないという経験をしました。

大型の免許を持っていれば、運送会社だけではなく建築関係の会社でダンプに乗ったり、自動車関係の会社で陸送を担当できたりすることもあります。現在は中型免許が必要となりましたが、ドライバーとして長く運送業界に携わるのであれば、大型免許は必須といえるでしょう。

運転に気を使うのは大型

大型と4tを比べて、運転に気を使うのは大型です。

  • 車体が大きいので死角が増える
  • 車幅が広いのですれ違いなどに気を使う
  • 内輪差が大きい
  • 急ブレーキ・カーブ時の揺り戻し

など、普通車や4t車を運転するときと気の使い方が異なります。

また、工事が行われている高架下やアンダーパスなどは、一歩間違うと大事故につながることもあります。慣れていない土地では道幅なども気にしなくてはならないため、運転に気を使うのは断然大型といえるでしょう。

4tの長距離はきつい

同じ長距離を走るのであれば、大型よりも4tの方がきついです。走行の安定性は大型の方が高いことが多く、長距離に向いています。

高速道路であれば道幅を気にすることもないため、大型車はとても楽です。4t車も最新のトラックであれば別ですが、2〜3日がかりの長距離はきつく感じます。

筆者は偶然大型と4t車で同じ納品先に配送をしたことがありますが、4tで行ったときの方が疲れてしまった経験があります。大型のドライバーに話をしたところ、「4tの方が絶対に疲れる」と口をそろえて言っていました。特に長距離は大型より4tの方がきついという意見が多くありました。

4tドライバーをきついと思わずにできる人の特徴

4tドライバーのきつさを解説してきましたが、ドライバーの仕事には向き不向きがあります。向いていない人が4tドライバーになれば、ストレスフルな状態になってしまう可能性が大きくなるでしょう。

きついと言われている4tドライバーですが、どんな人が4tドライバーに向いているのか、3つの特徴を解説します。

体力がある人

4tドライバーに向いている人は体力がある人です。

先にご紹介しましたが、4tドライバーは運ぶ荷物によって非常に体力を使います。重たい荷物を運んだり、何度も荷台を乗り降りしたりすることもあるので、体力に自信のない人は避けた方が良いでしょう。

筆者の仲間内で4tドライバーの仕事を楽しんでいた人には、次のような人が多かったです。

  • 学生時代に運動部で鍛えていた
  • 身体を動かすのが好き

4tドライバーに向いている人は、体力に自信がある人だといえます。

精神的にタフな人

4tドライバーだけではなく、トラックドライバーは一人で行うことが多い仕事です。

仲間はいますが、基本的に仕事中は一人ですし、つらいことがあってもすぐに愚痴れるような環境ではありません。そのため、4tドライバーに向いている人は、精神的にタフな人でしょう。

長時間手積み手下ろしを行うことや、長距離で体力的にきつい運行などもあります。精神的に弱い人や、人といつもつるんでいたい人などは4tドライバーには向いていません。

マイペースな人

4tドライバーに向いている人は、マイペースに仕事ができる人です。

トラックドライバーの仕事は自分自身で時間配分を行い、作業時間や移動時間を計算して行います。マイペースな人の方が、変なプレッシャーを感じずに仕事ができる傾向があるでしょう。

筆者の友人は、4tドライバーの仕事が大好きで、自分の転職だと言っていました。彼は非常にマイペースで、焦ったりパニックになったりすることがない人でした。彼は、どんなときも落ち着いており、きつい仕事が回ってきても淡々と仕事をこなしていました。

マイペースに仕事ができることは評価に値します。4tドライバーには、ゆったりと構えることができるマイペースの人が良いでしょう。

まとめ

4tドライバーは、決して楽な仕事ではありません。大きな車を運転をすることは非常に疲れますし、荷物によっては積み下ろしで体力を使います。大型と同じ仕事内容でも、若干給料が安い傾向もあります。

ただし、体力に自信がある・精神的にタフな人・マイペースな人なら4tドライバーを楽しむことができます。

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