【2022】運送業への転職で失敗しないためには?未経験でも成功するための4つのポイント

運送業は未経験者OKという特徴があり、転職者には挑戦しやすい業界です。ただし、運送業界をよく知らずに転職してしまうと、「思っていたのと違う」「こんなはずじゃなかった」と後悔することになりかねません。

そこで、今回は未経験で運送業界への転職を検討している方向けに、転職成功のポイントを5つお伝えします。知らなかったことや疑問だったことがわかり、より具体的なビジョンを描けるようになりますので、ぜひ参考にしてください。

 運送業に転職したい人が知っておくべきポイント①:仕事内容

運送業への転職を検討されている方が絶対に知っておかなければならないことは、運送業の仕事内容です。

運送業にはさまざまな職種があります。自分にはどんな仕事内容が向いているのか判断するためにも、運送業の仕事内容をしっかりと理解しておきましょう。

トラックの種類

運送業で使用するトラックには種類があります。

トラックの大きさ・小型(積載量2t以下)
・中型(積載量4tクラス)
・大型(積載量10tクラス)
トラックの種類・平ボディ
・バンボディ
・保冷車
・冷凍冷蔵車
・ウイングボディ
・ダンプ車
・トレーラー など

運ぶ荷物によって、適した大きさのトラックや形状が異なるので、必要な免許も変わります。

未経験の方が運送業へ転職するときの注意点は、自分の保有している免許の種類です。平成29年3月に道路交通法が改正され、以前とは運転できるトラックの種類が変更されました。

普通免許だけでも運送業へ転職することは可能ですが、かなり選択肢が狭くなります。可能であれば、準中型免許・中型免許を取得することで、より仕事の幅が広がるでしょう。

運送業の種類

やや難しい話をすると、運送業には次の3つの種類があります。

  1. 一般貨物自動車運送業
    1. ①複数の荷主から車両を利用して貨物を輸送する一般貨物自動車運送業
    2. ②集荷された荷物をセンター間で輸送する特別積み合わせ貨物運送業
  1. 特定貨物自動車運送業:特定の荷主の貨物を運搬する業種・メーカーや商社の子会           社などが該当
  1. 貨物軽自動車運送業:軽自動車や二輪の車両を使用して貨物を運搬する業種・宅配          会社の下請けやスポット便などが該当

多くの運送会社は1.の「一般貨物自動車運送業」に属し、『トラック運転手』とイメージされるのは、この種類のドライバーです。運送業といっても、荷主や運ぶ荷物によって種類があり、仕事内容も異なることを覚えておきましょう。

運転手の仕事内容

運転手の仕事内容は、主に2つです。

  • 荷物の積み下ろし
  • 配達・配送

業種によっては、集荷・梱包・伝票処理・セールスなどが含まれることもあります。荷物の積み下ろし方法はさまざまで、

  • 手で行う
  • ゲートを使用する
  • フォークリフトを使用する
  • クレーンを使用する

など、運ぶ荷物の重さ・形状・トラックの種類などによって異なることが特徴です。配達・配送は、企業・個人宅・店舗などがあります。

基本的な仕事内容は同じですが、扱う荷物によってドライバーの作業内容が変わることをしっかりと理解してください。

運送業に転職したいしたい人が知っておくべきポイント②:待遇

運送業への転職を考えたときに、もっとも気になるのは待遇面ではないでしょうか?どのくらい稼げるのか、どんな制度のある会社なのかは事前に知っておくべきポイントです。

運送業の待遇面についてのポイントを3つご紹介しましょう。

運送業の給与

運送業の平均賃金は以下のように報告されています。

職種(一般)2019年平均賃金(円)【内訳】固定給(円)【内訳】変動給(円)
男性運転者平均335,700178,600157,100
男性・けん引運転者383,500203,100180,400
男性・大型運転者356,000177,900178,100
男性・中型運転者282,800155,300127,500
男性・準中型運転者284,900178,000106,900
男性・普通運転者282,000196,00086,000
女性運転者平均274,400160,300114,100
女性・けん引運転者348,300203,500144,800
女性・大型運転者320,200163,800156,400
女性・中型運転者247,700137,800109,900
女性・準中型運転者291,200164,600126,600
女性・普通運転者216,200176,50039,700

参考:「2019年度版トラック運送事業の賃金・労働時間等の実態」について | 全日本トラック協会

運送業の賃金の特徴は、変動給の割合が多いことです。特に、大型の運転手はこの傾向が顕著で、平均賃金の40%以上が変動給になっています。

変動給とは、残業手当など月々の業務内容・業務量に応じて発生する部分なので、職種によって大きな違いがあることを知っておきましょう。

運送業の福利厚生

運送会社の福利厚生制度は、会社によって大きな差があります。

福利厚生制度の充実を求めるのであれば、大手の運送会社に転職することをおすすめします。中小企業ではかなわない大手ならではの福利厚生制度が整っています。

運送業界の福利厚生制度の特徴は、衣食住の『住』の部分です。筆者はドライバー経験者で、いくつかの会社を見てきましたが、ほとんどの会社で社員寮が完備されていました。費用は環境によってバラつきがあるものの、周囲の家賃と比べると格安で、電化製品や家庭用品が完備されている物件もありました。

運送業界は深刻な人手不足に悩んでいます。今後の運送業界の福利厚生制度は、他社との差別化を図るために、充実させる動きが出てきているのが現状です。

運送業の実態

国土交通省が平成27年に実施した調査では、以下のような実態が明らかになりました。

  • ドライバーの性別・年齢別構成は、40 歳~49 歳が 39.6%と最も多く、次いで 50 歳~59 歳(30.0%)、30 歳~39 歳(17.6%)となっており、29 歳以下は 3.4%であった。
  • 1運行の平均走行距離は全体で297km、平均実車距離は全体で227kmであり、どちらとも大型が最も長く、普通が最も短い。
  • ドライバーの1運行の拘束時間は、全体では13時間以内が63.4%であるが、16時間超が13.0%となっている。車種別にみると16時間超の割合は、大型が16.6%と最も高く、中型で7.5%、普通で3.1%となっている。
  • 休息期間8時間未満の運行は全体では15.8%となっており、車種別にみると、大型が20.2%と最も高く、中型で8.9%・普通で4.2%となっている。
  • 連続運転時間 4 時間超の運行は、全体では10.7%となっており、車種別にみると、大型が12.9%と最も高く、中型で6.3%、普通で4.0%となっている。
  • 連続運転時間4時間超の運行は、長距離で32.7%、短・中距離で5.7%となっている。

引用:トラック輸送状況の実態調査結果(全体版)|国土交通省

この調査で明らかになったのは、トラック運転手の過酷な実態です。特に、大型・長距離のドライバーは、拘束時間・連続運転時間が長く、休息時間が短いことがわかります。

運送業の仕事は「キツイ」「稼げない」といったネガティブなイメージがあることは否めませんが、このような事実を受けて、国主導の見直しが行われていることも事実です。

運送業に転職したい人が知っておくべきポイント③:応募条件

運送業界に転職するには、応募条件をよく理解することが大切です。求人票に書かれている内容を理解できなければ、自分に合った会社かどうか判断することができないからです。

運送業界の特徴ともいえる3つの応募条件についてくわしく解説していきます。

年齢・学歴不問

運送業は、基本的に年齢・学歴は不問です。運転免許さえあれば、働くことができます。

なぜ年齢や学歴が不問なのかというと、資格や免許が重視される仕事だからです。有名大学を卒業している運転の下手な若者よりも、複数の免許と経験を持っている年配者の方が必要とされます。

やる気と責任感があれば、挑戦できる仕事といえるでしょう。

未経験OK

運送業の中には、未経験OKという企業も少なくありません。普通免許を持っていることは最低限の条件ですが、入社後に準中型・中型・大型の免許取得を支援してくれる会社もあります。

異業種からの転職者が多いのは、専門性がありながら未経験でも挑戦できるという運送業界ならではの特徴です。

必要な資格

運送業に転職するために絶対に必要なのは、運転免許です。普通免許だけでも転職することは可能ですが、平成29年年3月12日以降に普通免許を取得した方が運転できる車両は、車両総重量3.5t未満及び最大積載量2t未満の自動車に限られますので注意が必要です。

免許の種類取得条件・運転できる車両
準中型自動車免許・18歳以上
・車両総重量3.5t以上7.5t未満
・最大積載量2t以上4.5t未満
中型自動車免許・20歳以上・普通免許等保有2年以上
・車両総重量7.5t以上11t未満
・最大積載量4.5t以上6.5t未満
大型自動車免許・21歳以上・普通免許等保有3年以上
・車両総重量11t以上
・最大積載量6.5t以上

準中型免許は、中型・大型免許とは異なり、保有期間の指定がありません。18歳以上であれば誰でも取得できる免許なので、転職先の選択肢を増やすためには、準中型免許を取得しておくことをおすすめします。

運送業に転職したい人が知っておくべきポイント④:心得

未経験で運送業へ転職される方は、情報収集をしていく中で不安に思われる部分も出てくることが多いはずです。ネガティブな口コミや評判がたくさんありますが、あながちすべて嘘というわけではありません。

運送業に転職するにあたって、こんな心得を知っておいて欲しいというポイントを紹介します。

決して楽な仕事ではない

運送業は決して楽な仕事ではありません。「重い荷物を運ぶ」「長時間運転する」など、体力的にハードであることは事実です。

「転職しやすいから……」と安易に転職をしてしまうのは危険ですし、長く働くことはできません。しかし、運送業は向き・不向きがハッキリとしている仕事なので、向いている人にとっては、この上なく楽しい仕事と感じることができるでしょう。

職業ドライバーとしてのモラル・マナーが必要

運送業に転職する方は、職業ドライバーとしてのモラルやマナーを大切にしなければなりません。近年ニュースで報じられているあおり運転などは、もっともしてはならない行為の一つです。

交通渋滞・工事・迷惑運転など、トラックに乗っていると腹の立つことはたくさんあります。

ただそのストレスを運転にぶつけてしまう人は、職業ドライバーには向いていません。車に乗る機会も時間も多いプロなんだという自覚を持てるかどうかが非常に大切な仕事です。

ブラック企業に注意する

残念ながら、運送業界にはブラック企業が存在します。中小企業に多い傾向があり、過酷な労働環境や低い賃金で働かせる会社があることは事実です。

原因は、運賃の低下と深刻な人手不足にあります。

  • 常に求人を出している
  • トラックがボロボロ
  • 採用担当者の対応が悪い

などが感じられる会社は、ブラック企業と呼ばれる会社の可能性があるといえるでしょう。事前に情報収集をしっかりと行い、少しでも違和感がある場合は、応募を見合わせることも大切です。

運送業に転職する際の会社の選び方のポイント

未経験の方が運送業に転職する場合は、3つの視点から応募先を選択しましょう。専門用語が並んでいる求人票がわかりにくいということもあります。

自分の希望に合った転職をするために、どんな運送業の仕事がしたいのかをきちんと分析してください。

会社から選ぶ

どんな業種の会社の運転手になりたいのかといった観点から選んでみましょう。

運送業の仕事は、運送会社だけではありません。メーカー・商社・販売なども運送の仕事を必要としています。業種によって運ぶ荷物・配送時間・距離・トラックの種類が異なりますので、自分はどんな運送業に転職したいのかをしっかりと考えてください。

可能であれば、未経験の場合は大手の運送会社に転職することをおすすめします。

職種から選ぶ

職種から選ぶことも1つの選択方法です。

  • 長距離輸送
  • センター間輸送
  • 宅配
  • ルート配送
  • 引越し

など、運送業には職種があり、運転するトラックや業務内容が異なります。同じ運送業でも、自分はどんな運送業に携わりたいのかを決めなければ、思いもよらない仕事に就いてしまうことも考えられるので注意しましょう。

運ぶ荷物から選ぶ

運ぶ荷物によって体力的負担も異なるので、荷物から選ぶことも良いでしょう。

  • フォークリフト・クレーンなどを使用する重量級の荷物
  • カゴ車・ゲートを使用する荷物
  • 手積み手降ろしする荷物

もっとも体力的にキツイのは、手積み手降ろしする荷物を運ぶ仕事です。宅配・引越しなどが該当します。

筆者が現役時代に周囲からすすめられたのは、ダンプの運転手でした。ダンプが積載する土砂などは、基本的にドライバーではなく現場の人間が積み込んでくれます。

降ろすときもドライバーは機械の操作だけでOKなので、女性でもできると言われたことがありました。どんな荷物をどんな手段で積み降ろしするのか、は押さえておきたい重要なポイントになります。

まとめ

運送業は、未経験でも転職が可能な業界です。年齢・学歴不問、未経験OKと転職しやすい仕事ではありますが、仕事内容や待遇などを理解していないと、転職は失敗してしまうでしょう。

運送業はやりがいのある素敵な仕事です。運送業へのより良い転職につなげるために、ぜひ当サイトにご相談ください。

参考: