【例文】物流・運送業界の「志望動機」の書き方は?履歴書でのアピールのポイント

転職時の履歴書は、第一関門といっても過言ではありません。書類選考に受からなければ、面接をしてもらえないこともありますし、下手なことを書いて面接時の回答に困るというケースも考えられます。

物流・運送業界は未経験者でも挑戦できる職種がたくさんあります。今回は、未経験者の方向けに、物流・運送業界の志望動機の書き方について、物流業界で働いていた筆者が詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

物流・運送業界とは

物流業界と運送業界は厳密にいうと異なる業界ですが、生産者から消費者へ物が届く過程に関わる仕事という意味では、似ている部分も少なくありません。物流・運送業界とはどのような役目を担っているのか、応募前に知っておきたい知識を解説します。

物流・運送業界の職種

物流・運送業界には、大きく分けて5つの機能があります。

  1. 保管
  2. 荷役(にやく)
  3. 流通加工
  4. 包装
  5. 輸送・配送

物流の機能は5つに分類され、それぞれ担う業務の目的が異なり、職種が存在します。

馴染みがあるのは、保管の倉庫業、荷役・配送の運送業ではないでしょうか?運送業ではトラックドライバー、旅客輸送ではタクシードライバーやバスの運転手などが含まれます。

物流・運送業界に求められる要素とは?

物流・運送業界で求められることが多いのは、専門性の高い資格です。転職時に保有していなかったとしても、長く勤務するためには、勤務してから資格取得を行わなくてはなりません。

それぞれの仕事内容は異なりますが、積極的に仕事に関わる姿勢や、スキルアップをする意欲が求められます。また、職種によっては営業手腕を求められるケースもあるため、最低限のコミュニケーション能力も必要といえるでしょう。

もっとも深刻なのは配送の人手不足

現在、物流・運送業界で深刻な問題とされているのが、配送(運送会社)の人手不足です。配送を担うトラックドライバーの不足がどれほど深刻なのか、数値を紹介しましょう。

国土交通省が発表した『トラック運送業の現状等について』では、次のように報告されています。

  • 平成30年10月の貨物自動車運転手の有効求人倍率は2.79
  • 全職業の有効求人倍率は1.49

他の全職業に比べると、トラックドライバーの有効求人倍率は実に2倍です。厚生労働省の調査では、運輸業・郵便業の欠員率が5.7%と報告されており、欠員率は医療・福祉・飲食などよりも多く、深刻な人手不足であることがわかります。

物流・運送業界の志望動機で未経験者がアピールしたいポイント

物流・運送業界は、学歴・性別・年齢などを問わず、未経験でも挑戦できる業界です。しかし、未経験の場合はスキルや経験をアピールできないため、「志望動機をどんな風に書いたら良いのかわからない」と悩んでしまう方も多く見受けられます。

そこで、ここでは物流・運送業界未経験の方が、志望動機でアピールしたいポイントを4つ紹介していきます。

物流・運送業界を選んだ理由

なぜ他の業界から物流・運送業界を選んだのかという理由は絶対に必要なポイントです。「なんとなく」という曖昧なものではなく、具体的に書くようにしましょう。

自分の書いた志望動機を客観的に読み、ぼんやりとした印象や、何が伝えたいことなのかわからないという感じを受けるのであれば、具体的ではないということです。「~のような」という比喩表現や、「魅力的」などの形容詞は使わない方がわかりやすくなります。

会社を選んだ理由

たくさんある会社の中から、なぜこの会社を選んだのかという理由は、採用担当者が知りたがる志望動機の一つです。

会社を選んだ理由を書くときに必要なのは、企業研究です。業務内容や待遇だけではなく、社風や業績などもできる範囲で情報収集をしましょう。

きっかけは待遇や条件でも、調べていくうちにこの会社で働きたいと思える理由が見つかるはずです。

自分が活かせる経験

未経験でも、今までの経験で自分に活かせるものをアピールしましょう。

  • 体力には自信がある:欠勤がないこと・体力を必要とする趣味を持っていることなど
  • コミュニケーション能力の高さ:営業や接客などの経験など
  • スキルアップに意欲的:資格取得の経緯・取得した資格など

物流・運送業界に関係のないことでも、活かせる経験は必ずあります。物流・運送業界に必要な要素を理解した上で、自分自身の経験と照らし合わせてみましょう。

将来のビジョン

入社したのちにどうなりたいのか、将来のビジョンを明確に記載してください。「役に立つ人間に」などの曖昧な表現ではなく、具体的かつ明確という点がポイントです。

また、ありがちなのが、どこの企業でも同じだったり、仕事とは関係のないビジョンを提示したりすることです。

基本的に、将来のビジョンは仕事上のビジョンになります。その会社に入ってどういった仕事をしたいのか、自分はどうなりたいのかということを書くことが大きなアピールポイントです。

物流・運送業界未経験者が受かる志望動機のポイント

「経験もないし、特に活かせるスキルもない……」「文章を書くのが苦手でうまくまとめられない……」など、履歴書の志望動機欄で悩む転職者は少なくありません。特に、「何を書けば良いのかわからない」という場合は、何時間も書けないままという人もいます。

そこで、採用担当者が好印象を持つ、受かる志望動機の書き方について解説していきます。

結論を最初に述べる

最初に結論を述べるようにしましょう。「1+1=2」ではなく、「2=1+1」という構成にすると、採用担当者にはわかりやすい印象を与えます。

  1. 最初に自分の一番アピールしたいことを書く
  2. なぜそのように感じたのか肉付けする
  3. 最後に結論をもう一度述べる

「私は◎◎なので、貴社の求人に応募しました。なぜなら……」という形です。「△△で、◇◇で、◎◎です。」と理由を列挙してもまとまりがない文になってしまうので注意してください。

自分の言葉で書く

志望動機は、必ず自分のことばで書きましょう。

ネット上には、例文が溢れています。参考にする程度であればまったく問題ありませんが、コピペしてそのまま使うことは絶対に避けるべきです。

採用担当者は、多くの転職希望者を見てきています。同じような文面では、好印象を与えることはできません。例文を参考に、あくまで自分自身のことばで書くようにしてください。

業界・企業のことをきちんと研究する

未経験者であれば、業界や企業のことをきちんと研究することが大切です。知らないまま志望動機を書いてしまうと、どの企業にも通用するありきたりな内容になってしまいます。

物流・運送業界の特徴や、求められる資質などは必ず理解しておきましょう。「貴社の社風に感銘を受けて……」などと書いても、どんな社風なのか、どう感銘を受けたのかがわかりません。具体性を持たせるためにも、業界や企業のことは、できる限り情報収集してください。

冷静な自己評価を行う

自分に対する客観的かつ冷静な自己評価を行いましょう。スキルや経験の棚卸しを行う上で、自分にできること・できないことを見極めるためです。未経験であればなおさら、どんなところが物流・運送業界に向いているのか、今までの経験をどう活かしていくのかにスポットを当てる必要があります。

自分自身のことは自分が一番わかるはずですが、棚卸しに慣れていないと混乱するだけです。良い点も悪い点も含めて、冷静に自己評価ができる目を持つようにしましょう。

物流・運送業界の志望動機で書いてはいけないNGポイント

志望動機では文章を書かなくてはならないため、ハードルが高いと感じる人は少なくありません。そして、書いてはならないNGポイントだけでも知っておく必要があります。ここでは、志望動機のNGポイントについて、陥りやすい3つのパターンを紹介します。

待遇面を前面に出す

待遇面を前面に出した志望動機はNGです。待遇面だけが転職理由の人は、さらに好条件な会社があれば転職する可能性があると思われてしまうからです。

転職の理由として、待遇面は確かに欠かせない条件ですが、待遇だけを考えて会社を選ぶ人というレッテルを貼られてしまうのは避けなくてはいけません。仮に待遇面が最大の理由であっても、別の理由と併せて書くようにしましょう。

ネガティブな退職理由

ネガティブな退職理由は書かないようにしましょう。ネガティブな退職理由は、採用担当者に良い印象を与えません。人間関係が悪かった・正当に評価してくれなかったなど、理由はさまざまですが、わざわざ志望動機に書く必要はありません。

前職の批判

前職(会社)の批判をすることも避けるべきポイントです。転職は何かしらのきっかけで会社を辞めようと思って行うものですから、前職(会社)への批判はあって当然です。

しかし、前職の批判が多い志望動機は、『自分勝手な人』『組織人として未熟な人』と思われてしまう可能性があります。前職で上手くいかなかったことを、どう活かして転職をするのかという前向きな姿勢をアピールしなければなりません。

【例文】物流・運送業界の志望動機の書き方

未経験者にとって、物流・運送業界への転職は、大きな挑戦です。きっかけは人それぞれですが、「この業界で働きたい」「この会社で働きたい」という思いを、採用担当者に理解してもらわなくてはなりません。

そこで、ここでは3つのパターンの志望動機の例文を紹介します。アレンジする際の骨子として参考にしてください。

業界未経験者の場合

私は前職でホームセンターの社員として、主に在庫管理を担当してきました。貴社のドライバーの方と関わる機会があり、配達時間を守ること、商品を大切に扱っていたことが印象に残りました。私もぜひ貴社の一員として社会貢献をしたいと思い、転職を決意いたしました。

前職では資材など重いものを運ぶことが多かったため、体力には自信があります。今までの経験を貴社で生かし、ドライバーとして貢献できればと思っております。

業界未経験者の場合は、現在の仕事や今までの職歴の中で、活かせるポイントをアピールすることが大切です。体力に自信があること・配送担当者と実際に接した経験などを上手く志望動機に盛り込めています。

転職回数が多い場合

私は何度か転職の経験がありますが、物流の仕事を通じて、日常生活を支えることで社会貢献したいと考えています。特に運送業は、ECサイトの需要増大となっている現代において、なくてはならない存在です。

貴社が積極的に行っているスタッフのワークライフバランスを整える取り組みは大きな魅力だと思います。いち早く貴社に貢献できるよう頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

転職経験が多いことは、あえて志望動機で触れる必要はありません。なぜなら、職務経歴書を見れば一目瞭然だからです。

採用担当者が気になれば面接時に確認することはありますが、志望動機では冒頭でさらっと触れる程度にしておく方が良いでしょう。

必要な資格をこれから取得する場合

私は現在営業職として勤務しています。関東地方全体を営業で回ることで培った土地勘を活かし、ドライバーとして働きたいです。営業職で重要なコミュニケーション能力は、御社のドライバーの仕事でも不可欠なものと考えています。

将来的には大型免許を取得し、御社の△△部門で働きたいので、資格取得支援制度を活かして、チャレンジしたいと考えています。

将来的なビジョンが明確で、企業研究により資格取得支援制度があることを理解した上での応募であることがわかります。また、前職での経験をどのように活かすことができるのかという点もきちんとアピールされていて、わかりやすい内容にまとめられています。

まとめ

物流・運送業界は、未経験でも挑戦しやすい特徴がありますが、だからといって誰でも転職ができるというわけではありません。人手不足の状況だからこそ、長く働ける優秀な人材を欲しいと考えています。

未経験者の転職は、情報収集が一番のカギといっても過言ではありません。自分一人での情報集では足りない場合は、転職エージェントを活用しましょう。

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