【2022】運送会社の面接の「服装」は?男性・女性別に基本やマナーを徹底解説

「面接に作業着で来た人がいる……」筆者が運送会社に勤務していたとき、面接の担当者が驚いたように話していたことがありました。「運送会社=運転手の仕事」ではありますが、だからといって作業着で面接に来るというのはあまりに非常識だと驚いていたのです。

運送会社だからといって、面接にマナーがないわけではありません。運送業界は転職が当たり前と思われているからこそ、面接のマナーをしっかりと理解しておくことが重要です。

今回は、運送会社の面接時に注意したいマナーや、基本的な知識をくわしく解説します。これから運送会社への転職を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。

運送会社へ面接に行くときの服装:基本編

結論からお伝えすると、運送会社の面接は他の業界の面接と同じマナーが必要です。まずは、面接時に絶対に守りたい基本的なマナーを解説します。

面接はスーツ着用

運送会社の面接における基本中の基本は、スーツを着用することです。スーツのイメージは就活生が着るリクルートスーツ。

  • ブラック・ネイビー・チャコールグレーなど華美にならない色
  • ストライプ・チェックなどの柄がない無地の生地

などを着用しましょう。面接時に着用するスーツはシングルが基本です。ダブルのタイプは避けましょう。

また、注意したいのは、現在の自分の体型に合っているかということです。何年も前に購入したスーツで、ブカブカだったりパツパツだったりするのはNGです。あまりにも体型が変わってしまった場合は、新しく購入することをおすすめします。

男性の場合

男性の場合の注意点をピックアップします。

シャツ・白もしくは薄い青系ボタン
・ダウンはNG
ネクタイ・細いストライプやチェック柄
・色は寒色系がベスト
髪型・短髪・清潔感を重視
バッグ・A4の書類が入るサイズ
・自立する物がベスト
スーツ・シングルタイプを着用
・ダブルはNG
靴下・黒もしくはグレーの無地
・スニーカータイプはNG
・黒やこげ茶の革靴
・紐の有無は特に問わない

男性の場合は、シャツ・ネクタイに注意しましょう。普段スーツを着慣れている人であれば問題ありませんが、スーツやネクタイに馴染みのない人は、面接前に必ず着用して不具合がないかどうかを確認してください。

また、靴・カバンなどは汚れがないかどうかをチェックし、汚れがある場合はきれいにしておくことも大切です。

近年では男性のパーマヘアが人気ですが、あまりにも完璧にセットしてしまうと、華美な印象を与えてしまいます。できれば短髪、長めのスタイルの場合はまとめてみることがおすすめです。

女性の場合

女性の場合は、男性と異なりメイクにも注意が必要です。

インナー・胸元が開きすぎていないデザイン
・柄モノやフリルはNG
メイク・華美な色を使用しないベーシックメイク
・ノーメイクはNG
髪型・肩以上の長さの場合は一つにまとめる
・顔が隠れないスタイルがベスト
バッグ・A4の書類が入るサイズ
・自立する物がベスト
スーツ・セットアップ(上下揃ったもの)がベスト
・色は黒やグレーがおすすめ
ネイル・ない方が良い
・どうしてもという場合はベージュ系など
パンプス・ローヒールタイプ(3cm~5cm)
・ブーツはNG
アクセサリー・結婚指輪以外は着けない方がベスト
・ピアスはできれば外す

女性はアクセサリー・髪型・ネイルなど、男性よりも華美になりがちな傾向があります。できる限り余分なものは身に着けないこと、色合いを抑えることを心がけましょう。

特に、パンプスのヒールは、普段履き慣れていなくても低めのローヒールタイプを選んでください。ピンヒールのようにかかとが細いパンプスは、カツカツと歩く音がしてしまうのでNGです。

また、髪型は顔が隠れないスタイルがおすすめ。コロナ禍の面接ではマスクを着用するので、スッキリとしたスタイルにまとめることがポイントです。

運送会社へ面接に行くときの服装:マナー編

面接には一定のマナーが存在します。マナーは誰もが知っていて当然、できなければ減点の対象になることもあります。思わぬところで見られている可能性もあるので、知っておきたいマナーとしてポイントを押さえておきましょう。

コート・マフラー・手袋などは社外で

寒い時期の面接の場合、コート・マフラー・手袋などの防寒具は、社外で外してください。車で行く場合は、車の中に置いていくのがベストです。

他の企業もある集合ビルの場合は、エントランスなどで外してもOK。手に持ってから取次をお願いしましょう。

カバン・靴も就活用のものがベスト

新卒生とは異なり、転職の場合はある程度年齢を重ねていることが多くなります。だからといって、ラフになって良いというルールはありません。

面接に使用するスーツ・カバン・靴の基本は、就活生と同じです。以前使用したときよりも時間が経っていることが多いので、使う前にきちんとチェックすることも忘れないでください。

華美な印象を与えるものは全てNG

男性も女性も、華美な印象を与えるものは全てNGです。

  • ハイブランドのカバン・時計・靴など
  • 派手な色のシャツ・ネクタイなど
  • つけまつげ・エクステ・ネイルなど
  • 揺れるタイプのピアスや派手なデザインのアクセサリー

特に女性の場合は、メイクや髪型に注意しましょう。

男性でもパーマをかけている場合は、派手なセットは控えてください。あくまでも、ビジネス上のマナーを基本とすることがポイントです。

こんなときどうする?運送会社の面接の服装

運送会社の面接に行くときの服装について、「こんな場合はどうしたら良いんだろう?」と悩むことはありませんか?ここでは3つのポイントに絞って、面接時の服装に関する疑問を解決します。

服装指定なし

服装の指定がない場合でも、基本的にはスーツで行くことが無難です。運送会社の中には『スーツでは堅苦しい』などと言われることもありますが、カジュアルすぎる服装で『マナーがなっていない』と思われるよりは良いでしょう。

仮に『普段着で』と言われた場合でも、ジーンズやTシャツ、サンダルなどはNG。オフィスカジュアルを基本に考えてください。

クールビズ

夏の暑い時期に『クールビズでお越しください』と言われた場合は、ノージャケット・ノーネクタイでOKです。ただし、半袖シャツはNG。男性も女性も長袖のシャツ・ブラウスを着用しましょう。クールビズの基準が不安な場合は、ジャケットやネクタイを持参するのがおすすめです。

コロナ禍のマスク

コロナ禍における面接で、マスクは着用すべきだといわれています。特別な指示がない場合は、マスクを着用したまま面接に臨みましょう。

着用するマスクは、次を基本に選んでみてください。

  • 色:白が基本・色付きやキャラクターものはNG
  • 素材:不織布のもの(※ウレタンマスクはできる限り控えて)
  • 形状:特に問わない(立体マスクなどもOK)

先方から『マスクを外してください』という指示がなければ、マスクを着けていることは失礼にあたりません。また、何かあったときのために、予備のマスクを持参することも忘れないでください。

運送会社の面接に必ず持参したいもの

運送会社の面接には、必ず持参すべきものがあります。会社側からの指示もあると思いますが、必ず持参したいものをご紹介しましょう。

運転免許証

運送会社の面接には、運転免許証は必須です。会社によっては運転記録証明書などの提出を求められることがありますが、別途身分証明の意味も含めて、運転免許証は必ず持参してください。持っている免許の種類や取得年月日を見るために必要になります。

万が一住所変更をしていないなどという場合は、面接日までに手続きを済ませておいてください。

履歴書・職務経歴書

履歴書・職務経歴書は必ず持参しましょう。事前に送付している場合は不要ですが、当日提出の場合は絶対に忘れないようにしてください。履歴書の写真貼付を忘れる人もいますので、前日までに必ず用意を済ませておきましょう。

  • 誤字脱字はないか
  • 書き忘れている項目はないか

などをきちんとチェックして、提出に備えてください。

履歴書や職務経歴書の書き方は、Web上のフォーマットを参考にすることができます。転職経験が少なく書き慣れていないという人も、一定のマナーを守れるように情報収集を行って仕上げるようにしてください。

手帳・スケジュール帳・時計

近年では、スマートフォンの普及により、時計やスケジュール帳代わりに使用する人も増えてきていますが、面接中は基本的にスマートフォンを扱うことはできません。手帳・スケジュール帳・時計は別途持参するようにしましょう。

時計はスマートウォッチでも問題はありませんが、通知音などが出ないように設定しておくことを忘れないでください。ハイブランドの時計は華美な印象を与えてしまいます。ビジネスに適した時計を選ぶことがポイントです。

本当にあった担当者を驚かせた面接内容

筆者は元トラックドライバーです。最後に勤務した会社の人事担当者・Kさんは、私の転職経験の中でもっとも厳しい面接をした人でした。

長年採用担当に携わったKさんに、マナーがなさ過ぎて驚いたという最悪の面接について話を聞いてみました。現場の担当者もビックリのケースを5つ紹介しましょう。ぜひ反面教師として真似だけはしないよう、参考にしてください。

履歴書が空欄ばかり

Kさん「空欄ばかりの履歴書を持ってこられたときは、正直驚きました。学歴や職歴の欄以外は、全て空欄。志望動機すら書いていませんでした。本人曰く、面接で伝えるから書かなくて良いと思ったと。ビックリしましたね。

その場で聞いたけど、しっかりした答えは返ってきませんでした。証明写真の貼り忘れも結構あります。転職活動で忙しいのかもしれませんが、適当な履歴書を提出された時点で、うちの会社で働く気はないんだなと判断します。

字が上手いとか下手とかは関係ありません。きちんとルールに則って丁寧に書かれていれば、問題はないんです。」

半袖・短パン・サンダル

Kさん「夏の暑い日でしたが、普段着のTシャツに短パン、おまけにサンダルを履いて入室してきた応募者がいました。当然こちらはスーツですし、他の応募者もみんなスーツだったので、『よく気後れしなかったな』と思ったほどの衝撃でした。

途中で『スーツの方が良かったですか?』と聞かれましたが、なんてマナーを知らない人なんだろうと呆れましたね。資格や経験的にはまったく問題がない採用候補だったんですが、不採用決定です。運送業は作業着っていうイメージはあるけれど、面接にTシャツと短パンで行こうと思う人の常識を疑いたくなりました。

以前の会社の作業着を着てきた人もいて、それも驚きましたが、サンダル履きではなかったのでまだマシだったと思ったものです(笑)」

タメ口で上から目線

Kさん「運転手経験の長い転職希望者から、なぜか偉そうな態度を取られたことがあります。今の言葉でいうと上から目線っていうやつですね。運転のノウハウを得意気に話し出されたときは、本当にビックリしました。

確認のためにこちらの条件を伝えると、『運送業はこれだから人気がないんだ』とか『儲かってるはずなのに給料安くない?』とか批判するようなことばかりタメ口で言いだす始末。何でうちの会社の面接に来たんだろうって思いましたね。

応募理由を聞いたら『だってある程度でかい会社だから』って答えたので、すごい理由だなと思わず失笑しました。長年運送業で働いていることには敬意を表しますが、だからといってそれをひけらかすことは無意味です。もちろん不採用でした。」

ノーリサーチの業界未経験者

Kさん「未経験の人って、運送業界のことはよく知らなくても良いって思っている人がいるけど、それは違います。今なんか情報は溢れかえるくらいあるわけだし、運送業に関するサイトなんていくらでもあるでしょう。調べようと思えばいくらでもできるはずだし、やる気があれば知りたいと思うのが当然ですよね。

何も調べないまま面接に来る人は、ある意味すごいと思います。自分がどんな仕事をするのかもわからずに来てるってことでしょう?

『私の免許で運転できるトラックはありますか?』って聞かれたことがあるけど、そんなこと調べればすぐにわかるし、募集要項にも詳しく書いてありますからね。何も調べずに『トラック運転手になろう』と思った理由を聴きたいですよ。知らないことは恥ずかしいことじゃないけど、少しは自分で調べてから来ようよって思います。」

低レベルな質問しかしない

Kさん「とにかく質問があまりにも低レベルな人がいたので、よく覚えています。『ボーナスって必ずもらえるんですよね?』とか、『定時に帰れる仕事はありますか?』とか。運送業ってどんな仕事かわかってるのか不安になりましたし、会社っていう組織を知らないようなレベルの質問ばかりだったので驚きました。

運転手未経験者なのに質問はありますか?って聞いて『大丈夫です』っていう人もいましたね。自分で調べた上で、わからないことはどんどん聞くべきなのにね。調べもしないで聞いてくる内容は、本当に低レベルなので評価も低くなります。」

まとめ

運送業界の面接は、特に他の業界の面接と変わりません。社会人としてのマナーや常識が必要になります。今さらと思わずに、もう一度面接に関するマナーをおさらいしてください。

また、「運送業界だから……」という色眼鏡で見ずに、通常の企業の面接として捉えることが重要です。 転職経験の少ない人や、ビジネスマナーに自信のない人は、ぜひ当サイト「ドライバーコネクト」にご相談ください。業界に精通した専任のスタッフが、手厚いサポートで転職の成功をフォローします。