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筆者のプロフィール
筆者は、トラック運転手として約15年勤務しました(ちなみに女性です)。長距離輸送・センター間輸送・ルート配送・宅配・引っ越しなど、さまざまな職種の経験があります。
筆者がトラック運転手になりたかった理由は、単純に『好きなことを仕事にしたかったから』です。当時は今よりも女性が少ない社会だったため、男尊女卑の権化のようなオジサマたちに嫌がらせを受けたりもしましたが、運転が好きだった筆者にとってトラック運転手の仕事自体は大好きでした。
重たい荷物を運ぶ仕事・果てしなく遠い長距離の仕事…今思うと大変なこともたくさんありましたが、不思議なくらい『仕事に行きたくない』とか『辞めたい』と思うことはありませんでした。家族の介護の関係で退職するときは、本当に落ち込んだほどです。
他の仕事をしてみると、トラックドライバーがいかに羨ましい仕事かがわかりました。離れてみて感じるメリットもあるのだなぁと思う今日この頃です。
「トラックドライバーが羨ましい!」と感じることができるメリット
現在筆者は別の仕事をしていますが、トラックドライバーが羨ましいと思うことがたくさんあります。どんなメリットがあって、他の仕事から見ると羨ましいと感じるのか、5つのメリットともいえるポイントをご紹介しましょう。
好きなことを仕事にできる
筆者がトラックドライバーになったきっかけは、もともと車の運転が好きだったことです。学生時代はずっと運動部に所属していたため、身体を動かすことも苦に感じることはありませんでした。『運転が好き』という自分の好きなことを仕事にできたメリットは非常に大きかったです。
まず、仕事に行きたくないとか辞めたいとか思うことはありませんでした。いくつかの職種や運送会社を経験しましたが、『キツい!』と思うことはあっても、嫌だと感じることがなかったのです。
仕事ですから大変なことや嫌なことがなかったわけではありません。それでも好きなことを仕事にできるというのは、社会人としてとても幸せなことだったと思っています。
人間関係が面倒臭くない
トラックドライバーのメリットの一つに、人間関係が面倒臭くないことが挙げられます。一般のオフィスで働いている人たちのように、仕事中周囲の人とずっと顔を合わせているわけではなく、基本的に一人の時間が長いからです。
嫌いな上司や気の合わない同僚もいましたが、最低限の付き合いだけでOK。車の運転に関わる仕事である以上、お酒を飲むような宴会などもあまりありませんでした。
気の合う人とだけ親しくすればOKで、気の合わない人とは一緒に仕事をすることがあっても長時間ではないので苦にはなりません。筆者の勤務していた運送会社では、男尊女卑は多少あったものの、面倒な派閥やらグループのようなものがなかったので、余計に楽でした。
筆者は同僚に恵まれたので幸せだったのかもしれませんが、他のどんな仕事よりも人間関係は楽だったと思っています。
自分のペースで仕事ができる
トラックドライバーは、基本的に自分のペースで仕事ができます。荷降ろし先への到着時間や、荷主の積み込み時間などは厳守ですが、その行程においては自分で管理することが必要です。
筆者が長距離を担当しているときは、到着時間から逆算して、大体どの場所に何時くらいに行ければ良いのかを目安にさえすれば、途中で仮眠を取ることや、休憩することなどは自由でした。先に現地へ行ってからのんびりする人、途中の行程を楽しみながら走る人…筆者の同僚もそれぞれ自分の好きなやり方やペースで仕事をしていました。
仕事の大半を自分のペースでできるというのは、トラックドライバーの大きなメリットです。もともとマイペースだった筆者にとっては、この上なく適性の高い仕事だったのかもしれません。
誰かと比べられることが少ない
トラックドライバーは、営業職などのようにノルマがないので、誰かと比べられることが少ないです。
筆者はトラックドライバーを退職した後に、保険の外交員を経験しましたが、常に誰かと比べられたり、成績に順位をつけられたり、ノルマによって解雇の可能性があったりすることに大きなストレスを感じました。
トラックドライバーの時も、大手宅配会社などでは集荷の数などを一覧表で張り出しているところもありましたが、それでも保険会社のように解雇の可能性はありませんでした。
誰かと比べられることが平気な人や、自分のモチベーションを上げるきっかけになる人は良いですが、筆者の場合はただ単なるストレス…。誰かと比べられることの少ないトラックドライバーの仕事が、心底羨ましいと感じたものです。
日本全国津々浦々…いろいろなところへ行ける
長距離のトラックドライバーの場合、日本全国津々浦々…いろいろなところへ行けます。自分で高速代や燃料代を出さずに、さまざまな景色を楽しんだり、名産品を食べたりすることができるんです。
筆者は長距離だけではなく、ルート配送や引越しなども担当しましたが、どの仕事も自分の知らない土地へいけることがとても楽しく、トラックドライバーの醍醐味だと感じていました。今まで複数の仕事を経験した中で、変化に富んでいるという面からも、トラックドライバーの仕事は羨ましいと感じる大きな理由の一つだといえます。
羨ましいの?トラックドライバーに対する偏見を感じた瞬間
トラックドライバーには、ネガティブなイメージが多く、特に女性の場合は色眼鏡でみられることも多くありました。実際に偏見のような言動を受けたり、男性と差別されたりすることもあり、悔しい思いをしたものです。
15年のトラックドライバー人生の中で、偏見を感じた瞬間をご紹介しましょう。
トラックドライバーはみんな元ヤン?
トラックドライバーはみんな学生時代にヤンキーだったと思っている人がいます。『車の運転が好き』というのは、暴走族でも想像するのでしょうか?
筆者も実際「女で運転手なんて、〇〇さんは元ヤンなの?」と聞かれたことがあります。想像を超えた思い込みに苦笑いするのが精一杯でしたが、トラックドライバーへの偏見を感じた瞬間の一つです。
「家に帰れなくてかわいそう」ってなに?
長距離を担当していた時代に「家に帰れなくてかわいそうね」といわれたことがあります。確かに一般の会社員の場合は、出張などがない限り毎日家に帰るのは当たり前なのでしょう。
でも筆者は自分が家に帰れないということを、卑屈に感じたことはありません。両親や友人たちは、無事に帰ってくることを心配してくれていましたが、それはイコールかわいそうではないのです。かわいそうという根底には「女なのに」という蔑視が含まれているんだと感じました。
女性ドライバーはみんな訳あり?
『女のくせにトラックドライバーなんて何か訳ありなの?』…これは実際、荷降ろし先の担当者に言われたセリフです。どうやら借金に苦しんでいるとか、一般の仕事に就けない何かがあるとか、そんな答えを期待していたらしく…。
「車の運転が好きなんで」といっても信じてもらえなかったときは、何でだろうと不思議に思ったものです。
他にできる仕事がないからトラックドライバー?
女性のトラックドライバーは『他にできる仕事がないからやっているんだ』という偏見には何度もさらされました。特に20代の頃は面接に行くだけで、人事の担当者から異様に志望動機を聞かれたことがあります。
単純に運送業界で働きたい!と思っているだけなのに、勝手にいろいろな理由をつけたがるオジサマたちには、かなり嫌がらせを受けたものです。
トラックドライバーは底辺の仕事じゃない!
『トラックドライバーは底辺の仕事』という記事がネット上で話題になったことがあります。確かに昔からトラックドライバーの社会的地位は高くありません。
それでもバブル期はトラックドライバーは稼げる仕事として、一定数の人気があったのですが、中には3Kの代表格のように思っている人がいるのも事実です。
でも筆者が実際に経験したトラックドライバーの仕事は、決して底辺の仕事ではありません。むしろ社会生活を支えているエッセンシャルワーカーだと思うのですが、なかなか世間には浸透しないようです。
元トラガールが他の職業との違いを徹底分析!
筆者は家庭の事情でトラックドライバーを退職した後、さまざまな仕事を経験しました。その中で他の仕事とトラックドライバーの仕事にはどんな違いがあるのかが見えてきたと感じています。3つの仕事との違いを解説しましょう。
事務職との違い
事務職との大きな違いは、移動性です。事務職はどんな業界でも必要な職種ですが、基本的に会社内で仕事をすることがほとんど。
毎日のようにあちこちへ移動するトラックドライバーとは、動き方が異なります。また常に社内にいることで、上司や同僚などと常に一緒に仕事をすることになりますが、トラックドライバーは基本的に一人の仕事。
体力の使い方もトラックドライバーとは大きく異なる点といえるでしょう。
営業職との違い
営業職とトラックドライバーの違いは、仕事の継続性でしょうか。トラックドライバーの中にもセールスドライバーという営業職を兼務する職種があります。
しかし専門の営業職のように『契約が取れないから』『ノルマに達していないから』という理由で、仕事を辞めなければいけないという場面には出会ったことがありません。移動性は似ている部分もありますが、営業活動オンリーではないため、それほど追い込まれたりすることは少ないといえます。
介護職との違い
介護職との違いは、相手との関係性だと感じています。介護職は介護を必要とする方向けにサービスを提供するのが仕事です。
基本的には高齢者の方や障がいを持っている方が対象になるため、相手との関係性が非常に重要視されます。
トラックドライバーはどちらかというと、人間関係は希薄でも問題ありません。専門職であることは共通点ですが、相手との関係性には大きな違いがあります。
まとめ
トラックドライバーにはたくさんのメリットがあり、筆者は今でも羨ましいと感じることが多くあります。他の職種との比較をするときには、トラックドライバーの仕事内容や特徴を知っておくことが大切です。
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