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物流業界の倉庫内作業員とは?
物流業界の倉庫内作業員とはどのような仕事を担っているのでしょうか?まずは、倉庫業務の流れや、勤務に必要な資格・スキルについて紹介します。
倉庫業務の流れ
倉庫業務は、荷物・商品の入荷から出荷までに大まかな流れがあります。
- 荷物・商品の入荷業務(検品)
- 入荷した荷物・商品の保管・管理業務
- 荷物・商品の出庫・出荷業務
中でもメインとなるのは、出庫・出荷業務です。
- ピッキング
- 検品
- 梱包
- 仕分け
積み込みを配送するドライバーではなく、倉庫内作業員が行うこともあり、かなり体力を使う仕事が多い傾向があります。
必要な資格・スキル
倉庫内作業員として働くために絶対に必要な資格やスキルはありません。ただし、荷物の積み込みや移動の際にフォークリフトを使用する場合はフォークリフトの資格が必要です。
取得条件 | 18歳以上 |
取得方法 | ・フォークリフト運転特別教育の受講(各事業所で実施) ・フォークリフト運転技能講習の受講(各都道府県の労働局長に登録を受けた教習所で実施) |
フォークリフトを操縦するには、次の2つを受講・修了する必要があります。
- 最大積載荷重が1tを超える場合:都道府県登録教習機関での「フォークリフト運転技能講習」
- 最大積載荷重が1t未満の場合:都道府県登録教習機関での「フォークリフト運転特別教育」
フォークリフトを絶対に使用するというわけではないため、必要な場合は取得すると理解しておけば大丈夫でしょう。
物流業界の倉庫内作業員の主な仕事内容
物流の倉庫業にはさまざまな仕事があり、倉庫作業員も配属される部署によって仕事内容が異なります。倉庫業に携わる際に知っておきたい倉庫内作業員の仕事内容について解説します。
ピッキング
ピッキングとは、倉庫内で保管してある商品や荷物を集める作業のことです。指示書と呼ばれる条件などが記載されたものに従って、広い倉庫の中から商品を集めます。
ピッキングには3つの種類があります。
- バラピッキング:ケースを開けて中にある商品を細かい単位で集める
- ケースピッキング:ケースを開けずに箱ごと集める・台車やパレットを使用する
- フォークリフトでのピッキング:重量のある荷物や単位の多い荷物をまとめてフォークリフトで集める
通常は出荷するための荷物や商品を集めることがほとんどですが、まれに出荷期限切れの商品や破損した商品・荷物限定で集めることなどもあります。
検品
検品とは、商品や荷物に不備がないかどうかを確認する仕事です。信用問題にかかわる重要な仕事なので、経験者が行うことが多いといえるでしょう。
検品には、「入荷検品」と「出荷検品」の2種類があります。荷物や商品の種類・個数・品質などは会社の損害に直結してしまうため、非常に責任の重い仕事です。
仕分け
仕分けとは、入荷された商品や荷物を指定の場所に保管する仕事です。大きな物流センターなどの場合は、非常にたくさんの荷物や商品が入荷します。
出荷時にミスが起きないよう、定められた場所に安全に保管しなければなりません。商品や荷物によっては、重量や大きさがある物を扱う場合もあります。
梱包
梱包は指定された商品を箱詰めし、包装して出荷できる状態にする仕事です。商品によってはシールや景品の取り付けなどを行ったり、仕分けと梱包を同時に行ったりする場合もあります。扱う荷物や商品の量は非常に多いため、手際良くこなさなければならない工程です。
積み下ろし・積み込み
ピッキングによって集められ、仕分けされた荷物や商品を配送するためのトラックに積み込んだり、入荷する荷物をトラックから下ろしたりする仕事です。
トラックドライバーだけが行う場合もありますが、倉庫内作業員がフォークリフトを使用して行うケースもあります。扱う荷物によっては手積み・手下ろしとなることもあり、体力を使う部署です。
管理業務
管理業務とは、倉庫内全体の管理を行う仕事で、品質管理などの事務職と兼任することもある責任の重い仕事です。
- 環境整備:敷地内の清掃・器具や設備の補修を行う
- 安全管理:事故が起きないよう設備などのメンテナンスを行う
- 設備管理:機械の点検・修繕の計画の立案などを行う
管理業務は正社員が行うことが多く、倉庫によっては働くアルバイト・パートのシフト管理などを任されるケースもあります。
物流業界の倉庫内作業員として働くメリット
物流業界の倉庫内作業員は、未経験でも挑戦しやすい職種の一つで、人気のある仕事です。倉庫内作業員で働くことで得られるメリットにはどのようなものがあるのか、主な5つのメリットを紹介します。
未経験者でも始めやすい
倉庫内作業員は、検品・ピッキング・梱包など単純な作業が多いため、未経験者でも始めやすいメリットがあります。学歴・年齢・性別に関係なく求人を募集しているため、仕事内容さえ覚えれば活躍することができるでしょう。
自分に合った働き方ができる
倉庫内作業員は、正社員だけではなくアルバイトやパートで働くことも可能なため、自分に合った働き方ができます。
倉庫業は働く時間帯も多様なため、朝早く・夜遅くといったイレギュラーな時間帯でも勤務することが可能です。多くの人間が働いている職場なので、勤務日数なども比較的自由に設定できる傾向があります。
業界自体が安定している
倉庫業は、国民の生活に密着した業種であり、社会生活の基盤を支える重要なポジションを担っています。特に、コロナ禍におけるECサイト需要の増加などで、業界自体は非常に安定しているといえるでしょう。
今後もニーズが高まることが予想されているため、「長く働きたい」「安定した環境で働きたい」という人にとっては、非常にメリットのある仕事です。
正社員登用制度を設けている企業が多い
倉庫内作業員は、アルバイトやパートで働くこともできますが、正社員登用制度を設けている企業が多いため、正社員として働きたいという人は挑戦しやすい仕事です。社会人経験がない人や、異業種からの転職希望者でも正社員を目指して頑張れるメリットがあります。
最低限のコミュニケーションでもOK
倉庫内作業員は、黙々と作業をすることが多い仕事です。誰かと常に話したり、コミュニケーションを取ったりしなくてはならない仕事ではありません。
そのため、挨拶や確認など、最低限のコミュニケーションさえ取れれば、深い人間関係を築く必要がないことがメリットです。「人と話すことが苦手」「一人で集中して仕事がしたい」という人には、最適の仕事といえるでしょう。
物流業界の倉庫内作業員として働くデメリット
安定した業界である倉庫業で働くことはメリットが多いように感じますが、デメリットも存在します。誰でも挑戦しやすい仕事である反面、大変な仕事であるということも理解しておきましょう。
体力を使う
倉庫内作業員は体力を使う仕事です。重たい荷物を持ったり、広い倉庫の中をピッキングで歩き回ったりします。また、基本的に立ち仕事なので、体力は必要になるでしょう。
業務の範囲が広い
倉庫内作業員は業務の範囲が広いこともデメリットです。
入荷から出荷までの工程が複数あり、倉庫によってはいくつかの業務を兼任することがあります。規模の大きな倉庫になると、一つひとつの業務の量が多く、セクションごとにノルマが設定されているので、相当の作業量をこなす必要があるのです。
労働環境が過酷なケースがある
倉庫で取り扱う荷物や商品によっては、労働環境が過酷になるケースもあります。冷凍・冷蔵倉庫などは常に寒いですし、定温の倉庫の場合は空調がききづらく夏暑く冬寒いという環境になる可能性が高いです。
積み込みのプラットフォームなどはシャッターが開いているため、外気の温度に左右されやすい特徴があります。雨風はしのげますが、扱う荷物やセクションによって、きつい環境になるケースもあることを知っておきましょう。
物流業界の倉庫内作業員に向いているのはこんな人!
物流業界の倉庫内作業員は、未経験者でも挑戦しやすい職種ですが、向き不向きがあります。倉庫内作業員に向いていない人が転職してしまうと、ストレスが溜まりやすく、長く勤務することが難しくなるでしょう。
ここでは、どんな人が倉庫内作業員に向いているのか、代表的な特徴を4つ紹介します。
体力に自信のある人
倉庫内作業員は、体力に自信のある人が向いています。立ち仕事であること、重い荷物を運ぶこと、広い倉庫の中を歩き回ることなど、仕事自体が体力を必要とする業務内容であるため、体力に自信のない人には厳しいでしょう。
倉庫業に興味があるけれど体力に自信がないという人は、事務や管理業務などを担う部署へ勤務することをおすすめします。
業務内容を工夫できる人
倉庫内作業員は、黙々と仕事を進めることが求められます。そのため、自分に与えられた業務内容を工夫して、効率を上げることができる人が向いています。
一つひとつの作業を見直し、自分が楽な方法で効率良く仕事をするというアイデアは、実際に働いている人でないと生まれないものです。ただ言われた仕事をこなすだけではなく、業務内容について積極的な取り組み方のできる人は、物流業界でも評価されます。
手際の良い人
手際の良い人は倉庫内作業員に向いています。多くの仕事を抱える倉庫業は、ノルマを課しているケースもあり、与えられた時間内で業務を遂行しなければいけません。
テキパキと行動できる人は、ノルマを達成できるため、自分自身のやりがいにもつながります。スムーズに仕事を進められることは、倉庫内作業員には欠かせない要素の一つです。
一人で黙々と働ける人
倉庫業は多くの人が働いていますが、一人で黙々と作業をすることがほとんどです。そのため、周囲の人と密接なコミュニケーションを取ることは少なく、挨拶や指示などの最低限のコミュニケーションになりがちです。
チームで成果を求めたい人や常に誰かと一緒に働きたいという人は、倉庫内作業員には向いていません。一人で黙々と集中力を保って働ける人が、倉庫内作業員に向いている人といえます。
まとめ
倉庫内作業員は、未経験でも挑戦しやすい仕事です。
ただし、メリット・デメリットをきちんと理解した上で勤務をしないと、思わぬつらさや後悔をすることになってしまいます。自分の経験や体力、働き方の希望などを明確にした上で、自分の条件に合った勤務先を選ぶようにしましょう。
物流業界への転職は、情報収集がカギとなります。未経験の職種へ不安を感じる場合は、転職エージェントの活用も視野に入れてみましょう。
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